福山市西桜町の小料理屋が2015年8月30日、1日限り、3時間限定で復活開店しました。
この店は地域福祉センター北吉津をご利用中の方がご主人と共に営んでいたお店でしたが、6年前ご主人の他界と共に閉店状態にありました。そのご利用者のご自宅は店の中にあり、普段はその部屋で過ごされております。しかし認知症発症後は、自宅にいる時でも「ここは自分の家じゃない。自分の家は京平というお店の中にある。連れて帰ってほしい」と繰り返し訴えるようになりました。
その希望を受け、せめて1日だけでも思いを叶えようと1日限定で料理屋の復活を催し、一時でも本人の思う「自宅」に帰って頂こうと考えました。
ボランティアの方々や地域の方々、お店の常連客だった方などの協力を得ながら、店内を整備し、この日の開店にこぎつけました。ご家族、地域の方々、常連さんたちは懐かしい雰囲気を堪能しながら、ひさしぶりの交流を楽しんでおられました。ご本人も「ここまでしてくれてありがとう」と何度も周囲にお礼を言いながら、来客者たちにビールをついだり、料理を振る舞ったりしておられました。
地域の方々に対しても、認知症という病気を知って頂く良い機会となりました。
またその時の模様が8/31付の中国新聞「福山」欄で取り上げられました。
「“もうかりまっか〜?”“ぼちぼちでんな”っちゅうのは大阪商人のやり取りに発祥する笑いの世界。笑うとストレス発散できますから寿命が延びるのだそうです。女性は声を出して笑うけれど男性はニヤリとするだけ。これ、男性の特徴なんでっしゃろな。男性の方、気いつけてくださいね〜。」軽快な口調の笑福亭呂竹様のお笑いの世界の始まりです。
太鼓と三味線のコラボでは会場に集まったご利用者から炭坑節のリクエストがあり、音に合わせて数名のご利用者が踊り出し会場は大盛り上がりでした。2席の落語では小学生や地域の方々もわらい涙をふきながら楽しんでらっしゃいました。なかでも、本来、音がしない自然音「雪」を太鼓と三味線で表現する雰囲気は本当に雪が降っているような情景を思い起こさせてくれるようでした。
笑いと涙の1時間半でした。満員御礼!