〜お好み焼き店 1日オープン〜
ご利用者A様はご自宅にある食堂を70歳過ぎまで約40年間切り盛りされていました。お店が栄えていた頃のこと、お店の変遷をよく教えてくださいます。仕事ばかりの日々から閉店とともに生活がガラリと変わり約10年、体調不良や不安症もあり、ご近所の方に悩み事を聴いて頂くなど身内とご近所の方から支えられています。
お店でバリバリ働かれていた頃と今とで、ご自身も周囲の方との関わり方が変わったことも時々会話に出てきます。
A様が「また(お好み焼きを)焼きたいなぁ」と言われたのを発端に、当時されていたことをなるべく再現し、お好み焼きをご近所さんに振る舞うことになりました。
しばらく使っていないお店を使える状態にするのも一苦労で、その時にもご近所の方のお力をお借りしました。開店当日まで準備の過程で、ご本人、ご近所の方や娘様と職員とでコミュニケーションをとるうちに周囲の方がA様のことを想う気持ちが徐々に繋がっていきました。
7月2日開店当日、A様、娘様、ご近所の方々が久しぶりに一堂に会し、懐かしい当時の頃が少し蘇る中、笑顔で来てくれた方々をA様は接客されました。開店直前に不安症が現れ、疲労が出ないか心配もありましたが、お客様が居るとなると客商売の性分が出てもてなされました。喜ばれる顔を見れてA様も満足そうでした。
娘様は「1日開店をやってよかった」、ご近所の方は「叶うことが出来てよかった」と仰いながら、今後もA様を想いサポートされる気持ちは変わらず続いていくことを暗示していたかのようでした。
年齢を重ね、認知症になっても、不安症に悩まされても、ご本人のステージでご本人が望むことが出来た時に得られた成果はとても大きく、今後も更に本人を中心に周囲の方々とで協力していこうと思います。
市場へ仕入れに
店の奥で仕込み
店内にて
娘様も接客
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