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NPO法人 地域の絆

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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

『小規模多機能型居宅介護におけるケアマネジメント』��

2010/05/01 12:00:00  地域密着型サービス
小規模多機能型居宅介護のケアマネジメントには、利用者本位で、地域ケアの技術として機能する素地があるのです。
 今回は小規模多機能型居宅介護におけるケアマネジメントのあり方について、ご一緒に考えてみたいと思います。小規模多機能型居宅介護では、大きく2つの援助計画の作成が求められています(居宅サービス計画・小規模多機能型居宅介護計画)。このうち、小規模多機能型居宅介護計画は、個別援助計画に該当するものですから、ここでは、居宅サービス計画を作成するための考え方や方法論についてお話します。
 ケアマネジメントや居宅サービス計画に代表され、最もイメージされ易い事業所・職種は、居宅介護支援におけるケアマネジャー(介護支援専門員)でしょう。そして、小規模多機能型居宅介護におけるケアマネジメントの在り方に関しても、居宅介護支援ケアマネジメントの「具体的取組方針に沿って行うものとする」(厚生労働省令第34号第74条2項)とされています。つまり、厚生労働省令を読む限りにおいては、居宅介護支援と、小規模多機能型居宅介護のケアマネジメントは、同一かそれに限りなく近いものであることが規定されていることになります。しかしながら、例えば、各市町村の実地指導においてはこの辺りの認識に若干の誤差があるようです。つまり、限りなく同一視するのか、準じたものと捉えて若干の差異を認めるのか、見解が分かれているようにも見受けられます。
 それもそのはず、小規模多機能型居宅介護と居宅介護支援におけるケアマネジメントには、多くの条件的相違があります(表1)。まず、ケアマネジメントの質を推し量る一つの指標となり得るケアマネジャー一人当たりの利用者数(担当件数)は、居宅介護支援に多く、小規模多機能型居宅介護に少なくなる設定になっています。ケアマネジメントに対する報酬は、居宅介護支援の場合はご周知の通り、1件につき単価設定がなされており出来高制、小規模多機能型居宅介護の場合は、小規模多機能型居宅介護費に含まれているという考え方なので、定額制といった考え方ができます。そのことで、小規模多機能型居宅介護のケアマネジメントは、より柔軟な運用方法が可能であると理解できます。また、「サービスシステムとケアマネジャーの関係」については、居宅介護支援の場合、外部の事業所サービスを使うことが原則となっていますが、小規模多機能型居宅介護では、特定の介護保険サービス以外は、すべて自事業所の職員で対応することが求められてきます。
 このことから、居宅介護支援では、地域の住民や商店等、インフォーマル(非公的・非専門的)な社会資源を活用することに事業所としてのメリットがほとんど無く、逆に、小規模多機能型居宅介護においては、インフォーマルな社会資源を活用することに事業所としてのメリットを見出すことが出来ると言えます。居宅介護支援においては、ケアマネジメントは一件当たりの出来高制であり、その一件の最低成立要件は、給付管理を行うことであり、介護保険上のサービスを居宅サービス計画に位置付けた場合にのみ算定が可能となります。つまり、インフォーマルなサービスをいくら多く計画に位置付けても、介護保険上の給付管理の対象となるサービスを位置付けない限り、無報酬となる訳です。であれば、事業所として何のメリットもない(しかし、利用者にとってはメリットがあるが)インフォーマルなサービスを発掘・開発する行動は取りづらくなります。また、外部サービスたる多くのフォーマルサービスを活用していくことに、事業所としてのデメリットは生じません。小規模多機能型居宅介護の場合はむしろ、介護保険サービス等、フォーマル(公的・専門的)なサービスの方に制限があり、地域の住民や商店の力を借りて利用者の支援をすることで、自事業所・職員の負担軽減に繋がるという恩恵を受けることが出来るのです。
 地域の絆では、お独り暮らしのご利用者の見守り、庭の草取り、ゴミ出し、散歩支援、お話し相手等を地域住民の力を借りて実施した実績があります。そのことで、職員の労力は軽減され、介護保険制度上では中々応えることの出来ない利用者のニーズに対応することが出来ました。
 そもそも、ケアマネジメントとは、何を意味するのでしょうか?そのことを鑑みたとき、どちらのケアマネジメントが、本来意味すべきケアマネジメントの実践により近いのでしょうか?橋本泰子氏による定義を引用してみます―――「ケアマネジメントとは、複合的なサービスニーズをもつ利用者が、安全で安定した自分らしい日常生活を自宅で長期的に維持できるよう、利用者一人ひとりのためのケア態勢をマネジメントする地域ケアの技術である」※。
 掲載中何度か叙述しましたが、地域密着型サービスの目的はコミュニティ(地域)ケアの実践であることを考えると、まさに、小規模多機能型居宅介護におけるケアマネジメントこそが、本来意味でのケアマネジメントにより近いものであることが理解されます。少なくとも、そのための素地が整っていると言えます。つまり、利用者のきめ細やかなニーズに応えるためには、制度上のフォーマルなサービスを調整するだけでは対応困難であり、地域の住民や商店の細密な力をも一緒に調整していくことで達成されていくのだという視点を、小規模多機能型居宅介護事業所は持つべきでしょう。それが、「地域ケアの技術」としてのケアマネジメントの取り組みに繋がります。そして、そのことで、見守り頻度のより高い、手厚い介護を必要とする独居高齢者や、高齢者のみの夫婦世帯の方の利用(登録)が可能となり、事業所の負担も軽減する。結果、事業所の経営も楽になる。そのような視点をもって、ケアマネジメント実践を行ってみては如何でしょうか。

※『新版社会福祉士養成講座9 社会福祉援助技術論�供‖�4版』「第9章 ケアマネジメントによる直接援助」橋本泰子氏、中央法規。

『4つの機能と「通い」「訪問」「宿泊」の定義�◆�

2010/03/26 12:00:00  地域密着型サービス
図1 定義を理解しておかないと、実績の報告が曖昧模糊としますよね!?
 今回は、「通い」「訪問」「宿泊」の定義と、その調整方法についてご一緒に考えてみたいと思います。例えば、行政指導の場や、運営推進会議の場、国保連合会への請求業務、また、ご利用者への請求書の作成場面において、「通い」「訪問」「宿泊」の回数を把握しておくことが必要となります。その際に、それぞれの定義が曖昧であるがゆえに、回数の把握に、迷いや混乱を抱えていらっしゃる方も多いのではないかと思います。地域の絆でも、当初は迷っていましたし、同じ法人でも、事業所によって微妙に定義が異なっていたため、例えば、「訪問」回数の事業所間格差が見られるといったこともありました。地域の絆での実践の中で、厚生労働省や市町村への確認等を通して一定の整理が出来ましたので、少しお示ししてみます。
 いつかお話しした通り、解釈通知や省令などにそれらの定義の詳しい表記は見受けられません。一つは、雁字搦めに定義化してしまうと、臨機応変性を阻害してしまうため、小規模多機能型居宅介護の良さが損なわれてしまうので、裁量権を事業所側に委ねている側面があるのではないかと推測されます。しかしながら、事業所としては報告義務がありますし、自身の取り組みを評価していくためにも、一定の定義の存在が不可欠となります。基本的な考え方は、事業所内のサービスは「通い」と「訪問」しかないという事です。そして、その境界線は、運営規程に明記されている「通い」のサービス営業時間に依ると言われています。つまり、通いサービスの営業時間が延長を含めて、9:00〜19:00であった場合、それ以外の時間帯が「宿泊」となります。このルールに則ると、20:00〜22:00の間だけ、事業所でサービスを受けられた方は、「宿泊」サービスを受けたことになります。
 事業所によっては、「通い」の延長時間を運営規程に明記していない所も見受けられますので、その場合は例えば、9:00〜16:00が「通い」で、それ以外は「宿泊」となるわけです。では、9:00〜20:00までご利用者がおられた場合は、「通い」+「宿泊」となるのかと言えば、このような場合は、「通い」の延長と見なすことができるので、「通い」のみカウントするとのことです。細部に関しては、居宅サービス計画における位置づけと、サービス全体の構成を見て判断することが求められます。
 「訪問」に関して言えば、通院乗降介助は、小規模多機能型居宅介護で対応するべきか否か?で議論が分かれている自治体も未だ多く見受けられます。家族からの求めに応じて対応しなければならないのか?対応するべきか?判断に迷うことも多いのではないかと思います。厚生労働省の見解は、通院乗降介助は、小規模多機能型居宅介護のサービスには含まれないとしているそうです。つまり、介護報酬とは別に、自主事業として、ご利用者から別途料金を頂いて実施しても差し支えないのですが、その際には、タクシーの陸運局の許可が必要となるという事です。つまり、してはいけないというのが、本来の姿なのでしょう。自治体の中には、小規模多機能型居宅介護で、通院乗降介助を対応するように指導している所もあるようですが、「サービスの一環として、やりなさいというのは行き過ぎ」だと、厚生労働省の担当者も言われておりました。無論、緊急性のある場合は、小規模多機能型居宅介護事業所でも、対応するべきであるのは言うまでもありません。
 また、「通い」サービス中の買物は、「訪問」に算定できるのか?や、計画作成担当者が「訪問」に行った場合は算定可能か?といった質問をよく耳にします。厚生労働省の担当者に質問した際は、介護員が自宅に行って、(安否確認を含めて)何らかのサービスを提供した場合、「訪問」サービスに算定できると回答がありました。つまり、計画作成担当者が、計画作成担当者として訪問した際は、「訪問」には算定でいないこととなります。「通い」時間中の買物は、「訪問」ではなく、「通い」のみの扱いとなると聞いております。
 私たちが一番悩んだケースは、「通い」のお迎えにうかがった際、おむつ交換と更衣介助を行って送迎車に乗車して頂いた際、「訪問」と「通い」が両方算定できるのか?といったことですが、通所介護と訪問介護の関係では、双方の算定が可能なはずですから、小規模多機能型居宅介護においても、「訪問」と「通い」双方の算定が可能だと思っていましたが、厚生労働省の担当者からこのように言われました。「居宅サービス計画上に『訪問』と『通い』の位置づけが明確になされていれば、双方の算定は可能であるが、『通い』のお迎えが他にもある場合、1人のご利用者に30分ずつ時間をかけてお迎えに回ることはよろしくない。基本的には、そのような対応の必要な方は別便でお迎えにあがるべきではないか」と御尤もなご意見を頂きました。
 詳細部分の線引きはやはり物理的にも不可能なので、居宅サービス計画上の位置づけで調整するしかないようです。2009年4月より、「サービス提供が過少である場合の減算」の設定がなされました。「通い」「訪問」「宿泊」におけるご利用者1人当たりの平均回数が、週4回に満たない場合は、減算の対象とされます。そのような観点からも、それぞれの定義について正しい理解をすることと、居宅サービス計画において、ご利用者の生活全体を支援する上で真に必要な、サービスを位置づけていく必要があるのです。


新たな出逢いに感謝 〜重層的なネットワークの構築を〜

2010/02/21 12:00:00  地域密着型サービス
横浜の素晴らしい行政マン(ウーマン)にご案内していただいた水餃子の美味しい山東 (サントン)というお店の前にて。本当に勉強になりました。これからもよろしくお願い致します。
 去る2月19日横浜市内で行われた「09年度小規模多機能型居宅介護事業 勉強会」に参加させていただきました。「人材マネジメント」というテーマでお話しさせていただきましたが、準備不足も相まってあまり良いお話しができなかったものと反省しております。その中で非常に僭越な発言になるかも知れませんが、私自身は、非常に多くの気づきと刺激を頂くことができました。
 367万都市横浜で、小規模多機能を運営していらっしゃる管理者・職員の皆様方の苦悩を具体的に直にお聞きする機会が得られ何点か思うところがありました。以下要旨を列挙しますと―――
�〜反イ箸靴討領弋 ̄�変性及び専門性の高い人材が小規模多機能には求められること。
�∨/裕�模・種別や、運営形態(高齢者専用賃貸住宅との併設等)、経営者像(経営者の経歴や理念)の相違によって、悩みの内容が多様化していること。
��その中で、苦悩の丈を共有する仲間(ヨコのつながり)が必要であること。
�い修譴任癲�頑張っていらっしゃるのは職員の皆様ひとり一人に熱い情熱があるからこそ。
といったところでしょうか。
 小規模多機能の運営において、地域性や、利用者・家族の個別性に応じた形で、臨機応変な対応を実践することがその生命線であることは言うまでもありません。であるからこそ、そこに求められる人材としては、多様なニーズに対応し得る有能な職員が求められることになります。また、経営者及び管理者にとっては、細部にわたっての方針を決定し、明確なビジョンを打ち出し、情報経路の確保を図っていくことが他の事業よりもより強く求められます。小規模多機能では、厚生労働省令・解釈通知に示されていない部分が非常に多く、事業所と利用者との個別の取り決めによってサービスを提供する部分が非常に多くあるからです。それが、小規模多機能の生命線を担保しているとはいえ、それはそっくり職員さんの負担へと化してしまうのです(無論、職員さんの意識によっては遣り甲斐と化すことも)。そのような状況下において、小規模事業所が人材育成を実践するのは非常に難しい。
 小規模多機能の少なくとも人材育成に対して、何らかの公的支援が不可欠であると再認識した次第です。その中で、横浜市の行政職員及び市民セクター職員の皆様の使命感・実践に触れることができ、その姿勢に深く感銘を受けました。年に3回、半日かけた勉強会を中心的に実施し、外部からの講師を広く呼び寄せ、少しでも市内の小規模多機能型居宅介護の職員さんのバックアップに努めようとされるその姿勢に共感致しました。
 あと、もう一点学ばせていただいたことがあります。地域密着型サービスは市町村単位で、事業の指定・指導が行われます。よって、市町村単位でその運営の在り方が随分異なっていると思われます。地域主権の考え方からすれば、これは非常に良い傾向であると私は捉えています。しかしその反面、市町村という限られた文化・風土の中での実践だけでは、卓越した新しい視点を生み出すことは難しくなるのではないかとも考えます。その意味においても、各市町村圏域内の日常的なネットワークの構築は第一義としても、時には、市町村外・県外・国外の情報に広く敏感に反応し、市町村内・都道府県内・全国区といった重層的なネットワークの構築が、特に小規模多機能には求められているように思われます。
 そして、まちづくりのプロフェッショナルである行政(市民セクター)と、同じく福祉の視点でのまちづくりを志す福祉専門職は、協働するべき関係であることを再認識させていただきました。全国のどこの地域にも、まちづくりを真摯に考え、汗を流していらっしゃる行政マン(ウーマン)がいらっしゃることを確認することができたのが、明日への活力に繋がる一番の出来事でした。

『4つの機能と「通い」「訪問」「宿泊」の定義� �

2010/01/25 12:00:00  地域密着型サービス
仁伍町内会主催の「とんど火祭り」終了後の飲み会。ひと仕事をした後のお酒は、うまい!ですね。これも、地域住民間における交流促進のひとコマです。
 小規模多機能型居宅介護には、4つの機能があると言われています(図1)。医療依存度の高い方や、認知症の方の在宅支援を行うためには、きめ細やかで、臨機応変な対応が求められます。そういった支援を具現化するために、4つの機能を有機的・総合的にサービス化していくことになります。
 大切なことは、これら4つの機能を縦割り、細切れに提供しないと言うことです。小規模多機能型居宅介護が制度化された経緯を鑑みても、4つのサービスをすべて顔なじみの利用者・職員、施設の中で、受けることが求められていますし、30分単位の訪問介護や、6〜8時間の通所介護と言った硬直化したサービスではなく、本当に必要なサービスを必要な時間だけ提供させていただく柔軟性や、その柔軟化した4つのサービスを更に柔軟に一体的・総合的に提供していくことが望まれます。
 制度の創設当初に比べるとあまり見受けられなくはなったものの、「通いサービス」のことを「デイサービス」、「訪問サービス」のことを「訪問介護」、「宿泊サービス」のことを「ショートステイ」と表記されている事業所パンフレットをたまにお見かけします。この表記は正確でないばかりか、利用者・家族、またはそこで働く職員の意識に大きな誤解を与えることに成りかねません。また、これらの4つのサービスについての「定義」は、厚生労働省の省令や解釈通知といったものにも一切表記がありません。つまり、「通所介護」や「訪問介護」、「ショートステイ(短期入所生活介護)」の様な、サービス内容や時間等における細かい制約がないものと受け止めることができます。
 通所介護で言えば、4〜6時間、6〜8時間といったサービス提供時間に準じて報酬単位数の設定が成されており、6〜8時間というサービス提供時間内に、医療機関への受診や、定期的な買い物等の外出は原則禁止されています。6〜8時間というサービス提供時間内に、介護報酬に該当するサービス以外のサービスを受けることは想定していないためです。しかし、小規模多機能型居宅介護の「通いサービス」は違います。2時間でも「通い」であるし、10時間でも同じ「通い」の扱いになります。そのため、帰宅願望のある認知症の方が一旦帰宅してから、再度通ってこられたり、近隣の利用者が自宅と事業所を何度か往復されるなど、一日複数回の利用が可能となります。かてて加えて、「通いサービス」を利用中に、事業所を抜けての診療受診や、買い物等への定期的外出も可能となるわけです。
 地域の絆の利用者の方で、サービスの利用を拒否されているものの、軽度から中等度の認知機能の障害で、専門職による支援が必要な方がいらっしゃいました。初めは「訪問」から開始し、職員との関係性を一定程度構築できた時点で「通い」を開始しようと試みましたが、お迎えに伺っても当日になると拒否され中々上手くいかないケースがありました。見守りで少し様子を見ていると、本人が困られた際食事や入浴を目的に、自身で押し車を押して来所されるようになりました。この場合のケアプランの位置づけでは、「通いサービス」の提供頻度は、「ご本人の気の向いた時」とさせていただきました。このような「通い」の在り方も可能となります。また、地域の絆では、事業所ごとに年3〜4回の地域行事の運営を行っており、その際には、全登録利用者(25名)や家族への参加を呼び掛けています。緊急時や、「登録者全員を集めて催しを兼ねたサービスを提供する場合」(解釈通知)は、「一時的にその利用定員を超えることはやむを得ないものとする」という厚生労働省令に基づいたものであり、「通い」「訪問」「宿泊」における定員を硬直化させないことで、臨機応変で、柔軟なサービスの提供が可能となります。
 何度も述べるように、事業所運営においては、これら4つのサービスを一体的に提供する視点が重要になってきます。あくまで、稀に耳にする話ですが、「訪問サービス」の職員を専属で訪問要員としてのみ配置している事業所もあると聞きます。これでは利用者の生活の全体性を捉える事が困難となり、情報共有の不備や、職員意識の混乱を招く結果となりかねないと考えます。「通いサービス」「訪問サービス」「宿泊サービス」の人員を専属で配置する必要はなく、時間帯に応じて、それぞれ決められた人員配置を行うこととされています。日中の人員配置においても、「それぞれのサービスに固定しなければならないという趣旨ではなく、日中勤務している小規模多機能型居宅介護従業者全体で通いサービス及び訪問サービスをおこなうこと」(解釈通知)とされています。
 また、地域の絆では、提供した4つのサービス内容を一体的に把握するため、サービス毎に記録を分けていません。「通い」「訪問」「宿泊」「支援」(ケアマネジメントかかる内容)と項目欄に記載するだけの区別で、利用者生活の時系列に合わせて1枚の記録用紙に記入するようにしています。
 このように、�〕�用者の生活の全体を捉え(身体的・精神的・社会的な視点で行う)、�⊆匆饑験莨紊離法璽此丙い辰討い襪海箸簗槁犬箸垢襪海函砲鯒聴�し、��4つのサービスを柔軟に、かつ一体的に提供して利用者の在宅支援を実践することが、私たちに課せられています。

図1 小規模多機能型居宅介護における4つの機能を有機的・総合的に運用を!

小規模多機能において、ケアマネジメント機能は、非常に重要な役割を担っています。都道府県における「小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修」は、更に重要な研修として位置づけるべきだと認識しております。

『小規模多機能型居宅介護の運営の基本方針と対象利用者像』

2010/01/18 12:00:00  地域密着型サービス
福山市仁伍町内会では、今年も「とんど火祭り」が開催されました。町内会以外の方々も毎年参加されています。福山市内においても、美しいく、著名な「とんど」です。今年も、盛況・盛大裡に終わりました。仁伍町内会における「誇り」の一つです!!
 本ブログにおいて今までは、主として地域密着型サービスとしての取り組みや、考えを述べてきました。これからは、遅蒔きながら、小規模多機能型居宅介護に絞って話を展開していきます。
 小規模多機能型居宅介護は、厚生労働省令にもあるように「居宅において自立した日常生活を営むことができるよう」支援していくことを目指した在宅ケアを基本方針としています。長期宿泊や、居住を前提として運営されるべきものではありません。昨今では、高齢者専用賃貸住宅や、住宅型有料老人ホームを併設して、居住機能を設けている事業所も急増していますが、「利用者が住み慣れた地域での生活を継続することができるよう、地域住民との交流や地域活動への参加を図りつつ」(厚生労働省令)サービスの提供を図ることを鑑みると、利用者の地域性への配慮は不可欠に思います。つまり、併設する居住施設に入居している利用者は、やはり、事業所のある日常生活圏域内に住んでいた利用者でなくてはならないと私は考えます。自宅で生活が困難なために、住み替えを行ったとしても、その住み替え先は、「住み慣れた地域での生活」が継続できる範囲の地域内になければならないと思うのです。でなければ、「在宅」の定義が非常に曖昧模糊としていき、特別養護老人ホームが「施設」で、高齢者専用賃貸住宅が「在宅」だという区分に無理が生じてくるはずです。小規模多機能型居宅介護と居住機能を併設した事業所は、「ミニ特養」と化してしまう恐れがあり、そうならないためにも、利用者の地域性に最大限配慮し、在宅の担保を堅持する必要性を感じます。
 地域の絆では、利用者が住んでいる地域にこだわった支援を行っています。利用者が住んでいる地域には、様々な人間関係があります。行きつけの商店やお店、隣近所のお付き合い、習い事の先生や生徒の関係など。そのような関係性を維持・活用した支援ができるのも、「利用者の住み慣れた地域」に私たちがこだわり続けているからだと考えます。昔から仲の良い近隣住民に、要介護状態になった夫婦世帯の見守りをお願いしたり、近隣住民に、散歩の付き添いや、軽微な家事支援をお願いすることもあります。
 住み慣れた地域に利用者が住み続けることに対して、下記の効果があると私は信じています。
�〕�用者が住み慣れた環境の中で、暮らし続けることができる。
�⇒�用者の支援を専門職だけではなく、地域住民・商店・企業・学校等の総力戦で実践する必要性が生じる。
�C楼茲涼罎諒〇祺歛蠅�地域住民に明確化される。
�だ験莢歛蠅鯤�えている他者を、自分のこととして考えて行動する契機になる。
�ッ楼莉嗣韻領呂撚魴茲靴覆ぬ簑蠅髻∋堋�村及び都道府県、国レベルの問題として捉える契機になり、結果として、政策への問題意識が向上する。
�γ�もが自分らしく、安心して暮らせる地域づくり、延いては、日本全体の社会システムの再構築に繋がる。
 確かに、過疎地や、山の中腹にある団地やニュータウンに在住のケースや、より強度な見守りやケアが必要なケース等、住居の住み替えが有効なケースが増えています。家族機能の低下もその一因でしょう。その際には、是非「利用者が住み慣れた地域での生活」が継続される範囲内の地域へ移り住むことを提唱したいと思います。
 利用者が「役割を持って家庭的な環境の下で日常生活を送る」「食事その他の家事等は、可能な限り利用者と」(厚生労働省令)職員が共同で行うことを鑑みても、対象利用者は認知症高齢者であることは明白です。地域の絆における利用者を分析しても、97%の方が認知症です。また、診療報酬の改定後(2006年度)病院の平均在院日数は急激に減少し、医療依存度の高い利用者が在宅で増加傾向にあり、その受け皿としても小規模多機能型居宅介護は期待されています。地域の絆でも、胃瘻造設の方や、末期癌の方、IVH中心静脈カテーテル留置の方、導尿の必要な方などの、受け入れを行っています。厚労省の解釈通知上は、「看護師又は准看護師は、常勤を要件としておらず、毎日配置していなければいけないということではない」となっていますが、看護職は常勤の配置が望ましく、また、1名ではとうてい不安であり、2〜3名の体制で臨んでいます。また、協力医療機関は、24時間365日体制のある総合病院と、身近に相談できる医院・診療所の双方からの協力が望まれ、その体制づくりが求められます。
 創設以降、対象利用者は中重度の方と厚労省も示している通り、報酬設定を鑑みても、上記のような利用者を対象としなければ、経営が成り立たないのが現状です。施設の新築・改修等にもよりますが、人件費率を考えると月額550万の収入を切れば、経営は難しくなると私は考えています。であれば、おのずと平均要介護度が3の利用者を受け入れていかなければなりません。
 効率と効果のことを考えると、要介護3の方の在宅支援は動線のことを考えても、人手がかかります。収支のやりくりをしていくためには、�/Π�の質の向上、��業務の効率化、��車で5分圏内の利用者の利用促進、が不可欠です。�,蓮⊆舛旅發で�知症ケア・医療的ケアの実践可能な人材育成、�△蓮�日常的な業務改善の取り組み(動線短縮や、ミスの削減、効果的情報共有システムの確立等)、��は、日常生活圏域の中でもさらに、近隣にお住まいの利用者に利用していただくことで、訪問・通いサービスにおける移動時間の短縮化を行い、より密度の濃いケア・サービスの提供に繋げることが目的です。特に、訪問のことを考えると、車で片道30かかる利用者宅へ訪問した場合、移動時間だけで往復1時間かかかってしまい、一方、車で片道5分の利用者だと、往復10分の移動時間で済み、その分、訪問回数を増やすことや、訪問時間を延ばすことも可能となります。また、より近隣の地域住民との交流も促進され、その効果は非常に大きなものがあります。
 建物については、様々な設置基準がありますが、市町村によって解釈の仕方が大きく異なりますので注意が必要です。各面積の数値を、壁芯面積で測定するのか、内法面積で測定するのかは非常に曖昧です。ちなみに、厚労省の基準では介護保険施設は絶対的に内法面積で、その他の施設については、特に基準を設けていないとしています。

中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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