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NPO法人 地域の絆

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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

『運営推進会議のすすめ方』��

2010/01/09 12:00:00  地域密着型サービス
昨年12月27日地域福祉センター仁伍「餅つき大会」 管理者名越さんのお子さん。蕗ちゃんが挑戦です!!
 運営推進会議における地域の絆での取り組みと、そこから見えてくる課題について前回の続きです。
 会議の内容としまして、「事業運営の状況」「利用実績」「サービス(ケア)の内容」の報告・説明を前半部分に行います。まずは、2ヶ月間における事業所の情報公開を行い、それに対して意見を求める流れで進めています(図1)。
 「事業運営の状況」では、事業所全体的な運営の課題や取り組みについて報告します。例えば、就労支援の場として、発達障害の方をボランティアとして受け入れる取り組みを開始することや、家庭裁判所と連携し、触法少年のボランティアを受け入れること、地域の高齢者を先生として、地域の子どもたちを対象に書道教室を始めること、ボランティアのポイント制度を開始すること、介護報酬における市町村独自加算を開始すること等、事業所の運営方針に関わる事項を説明し、時には同意を求めることも行います。
 「利用実績」では、「通い」「訪問」「宿泊」及び「登録」利用者数の日々の実績を2ヵ月分表にまとめて情報公開を行い、大きく2つの項目をご確認いただきます。� 崢未ぁ廚陵�用者数が、「登録」利用者数の3分の1以上を常時維持しているか、��長期宿泊利用者数及び長期宿泊の理由。�,蓮�厚生労働省令にある「指定小規模多機能型居宅介護は、通いサービスの利用者が登録定員に比べて著しく少ない状態が続いてはならない」に対して、同じく厚労省Q&Aの「著しく少ないとは、登録定員のおおむね3分の1以下が目安となる」を、�△蓮◆崕蒜颯機璽咼垢両絽造論澆韻此⊇電戮諒�であれば、運営推進会議に対し報告し、評価を受けることを前提として、ほぼ毎日宿泊する形態も考えられる」(同じくQ&A)に依拠した項目です。
 「サービス(ケア)の内容」に関しては、地域住民を対象にしたイベントの開催状況や、利用者の外出支援、日々の活動状況を写真の入った配布資料で説明します。「事故及びひやり・はっと」や「苦情処理」の中で、全ての利用者に通じる普遍的な事例の報告も行います。また、ここでは前回の会議で、参加者から受けた課題に対する対応策(決定事項)の実施評価も行います。例えば、あるご家族の方から、職員が記録する連絡帳の内容が、家族の求めるものになっていない、具体的な記録が少ない、といったご指摘を受けて、連絡帳の記録マニュアルを作成することと、連絡帳の記録についての専門職としての目的・意義・留意点を確認する勉強会を開く決定事項を行います。その実施した2ヶ月後の評価をここで改めて受けるのです。改善して良くなった、と支持されることもあれば、まだ、不満があると再調整を求められることもあります。無論、参加者の言い分を一方的に呑み込むだけではなく、それが出来ない事業所の事情も説明し、構成員の方にも主体的にその対応策を考えていただくようにしています。このようにして、連絡帳の書式が改善されたり、新たなマニュアルが完成したり、職員の研修会開催の機会に繋がるなど、事業所のサービス・ケアの質の向上に繋がる話し合いがなされています。運営推進会議もご多分にもれず、会議の基本は、物事を決定することと、決めごとに対する評価を絶えず行っていくことにあります。その基本を常に意識しながら会議の運営を行っております。
 そして、会議の進行に当たって、一番私たちが心がけている点は、事業所職員ばかりが話しすぎないことです。参加者の話を聴くことを常に心がけます。ですから、「質疑応答及び意見・要望の拝聴」に多くの時間を割いています。そこでは、家庭で介護をされているご家族の苦労話や、介護者の思いを聞くことができ、事業所職員もそのことで、家族の気持ちや、自分たちが今まで知らなかった自宅での利用者の様子をうかがい知る事が出来ます。ここでは、利用者・家族⇔事業所・職員の単純化した対立関係の構図に陥らないよう地域包括支援センター職員、行政職員、地域住民に敢えて意見を求めるようにもしています。かてて加えて、地域住民と事業所の対立構造が防げることもあります。実際に地域の絆であった事例ですが、運営推進会議以外の場で、自治会長に避難訓練を事業所と自治会で協働実施したい旨のお願いをしたところ断られていたのが、運営推進会議の場で、家族や行政、地域包括支援センター職員の意見をいただきながらお願いしたところ、ご承諾いただけたこともありました。
 また、運営推進会議のもう一つの目的である地域住民と行政、専門職、利用者・家族による協働のまちづくりの視点を鑑み、「地域の課題について」の議題を毎回設けるようにしています。この議題を設定しなければ、事業所におけるサービス・ケアの質の向上のみの議論に終始し、単純な、家族会との協議の場と化してしまうからです。
 ここでは自治会長・民生委員の方を中心に、地域活動をしていて困っていることをお話いただきます。それに対して、地域包括支援センター職員や行政職員が、助言を行ったり、要望として持ち帰られることもあります。例えば、一人暮らしの90歳の女性が、介護保険のサービスを利用したいと要望があるが、自立判定が出ているためサービスが利用できないケースがあるとの民生委員の発言に対して、近くにふれあいプラザがあり、毎週火木土の9時〜16時まで開所しているので、是非利用してもらいたいと行政の方からの意見が出ることや、そのようなケースで地域包括支援センターの訪問が開始されることもありますし、小規模多機能の市町村独自加算を開始することで、小規模多機能以外の外部サービスが利用できなくなっている苦悩を行政職員に家族が話されることも見られます。
 運営推進会議における直近の目的は、事業所内外におけるネットワークの構築にあります。そして、地域の中で生活課題を抱える利用者を支援するためにも、ネットワーク構築の成否は、我々の生命線です。是非とも、運営推進会議を外へのネットワーク作りの礎にしたいものです。


図1 地域の絆における 運営推進会議の構成

会議の目的の第一義は、「決めること」ですが、その次に大切なことは、「実行」し、「評価」するということです。特に、「評価」を忘れないようにしたいものです。

『運営推進会議のすすめ方』��

2009/12/05 12:00:00  地域密着型サービス
地域福祉センター仁伍が所属する仁伍町内会の看板です。皆さんの地域に対する想いが詰まっています。
 前回に続いて、運営推進会議における地域の絆での取り組みと、そこから見えてくる課題についてお話させて頂きます。会議における構成員についての続きになります。
構成員で一番声がかけづらく、参加を求め難いのが地域住民の代表者ではないでしょうか。私の周囲では、「一営利法人の会議に何で、私たちが参加しなければならないのか?と言われた」「地域住民に呼びかけたが、誰も反応してくれなかった」といった声を耳にします。対応策は個別具体的な事例によって異なりますが、�_雜酳欷泳‐紊任靴辰�りとした公的な位置づけがあること。であるからこそ、行政職員・地域包括支援センター職員も参加すること�⊆�分たち(地域住民)の課題についても、話し合いが出来ること。つまり、地域住民としても参加することにメリットがあること、を伝えていくことだと思っています。また、初めから強引に参加を促すよりは、どのような会議がなされているのか情報公開(目ぼしい方への議事録資料の配布や回覧板等と通じて)を積極的に行い、声かけのタイミングを計ることも大切でしょう。初めに仲たがいをしてしまうと、今後の機会も失いますので、初期には慎重な対応も求められます。万が一、自事業所のみでは修復不能な程、関係性を損なってしまった場合は、地域包括支援センター職員や、行政職員に間に入って仲を取り持っていただいたケースも見受けられます。
その他、考えられる構成員として、協力医療機関の医師や、警察・消防関係者等に参加を呼びかけている所もあります。いずれにせよ、各々の会議の目的に合ったメンバー構成を考え呼びかけるべきで、誰かれ構わず呼びかけると本末転倒に陥るので注意が必要です。また、同じ肩書きを持っていても、人によって考えの相違がありますので、肩書きで人を選ぶのではなく、その人の考え方や人柄で選ぶことも大切な視点だと思います。事業所からは、代表者や管理者等の決裁権を有する者の参加が不可欠でしょう。無論、現場職員が参加することも大切ですが、質疑や要望対してその場である程度即答できることで効率的な進行に繋がりますし、法人・事業所の責任者と直接対話をする機会の確保にもなります。会議の進行については図1の様になっています。各事業所等の勤務時間内で参加されている方のことを考えれば、一時間から一時間半程度の設定が良いと私たちは考えています。
毎回の開催日については、初回の会議で定期開催の日程を決め、それに準じて開催していきます。開催頻度は「おおむね2ヶ月に1回以上」(厚生労働省令)とされている通り、各センターによって若干異なるものの、偶数月の第▲○曜日の13時30分から1時間といった設定で開催しております。参加者が多様なだけに、その都度次回の開催日を決めるのではなく、前もって日程が分かるように定期開催とすることにしました。
行政や専門職が参加しやすい日程であれば平日の昼間ですが、ご家族・地域住民の代表者が参加しやすい日程であれば土日の昼間となる節があります。会議の運営だけを考えた時、利用者・家族の参加をまずは最優先するといった発想ではなく、上記参加メンバーが広く参加できる日程を組むべきであると考え、地域の絆各センターでは、平日の昼間の開催とさせて頂いております。私たちは、運営推進会議を家族会等の家族との協議の場であるとは考えておりません。前回申し上げたとおり、�.吋◆Ε機璽咼垢亮舛琉飮�・向上と、��地域住民との協働のまちづくりを大きな目的と考えておりますので、利用者・家族と同様に、行政・専門職・地域住民が参加することも重要視しています。図2で示すように、「利用者・家族」⇔「法人・事業所・職員」の関係(A)のみでは、対立関係に陥ってしまうこともあります。そこに「行政・専門職」「地域住民」等の第三者の視点が入ることでこの対立関係を緩和することが出来ますし、また新しい提案が生まれることもあります。その逆も然りで、多様な参加者がいることで、「行政への陳情の場」となることを避けることも出来ようかと考えます。以上の理由から、会議の目的に合った幅広い分野の方々に参加を呼びかけています。
 会議を開催する場所は、センター内の和室や相談室等センターによりまちまちですが、なるべくリラックスした雰囲気を作るように心がけています。毎回お茶菓子と珈琲等をセンターで用意し、和気藹々と談話する感覚で会議を進行します。他の法人では、公民館や地域の集会所を借りてそこで会議を開く例もあるようです。
 どのような会議でも、会話のあり方は双方向でなければなりません。一方的に事業所職員が話し続けることの無いよう、出来るだけ事業側の発言量を減らし、参加者の発言を促します。利用者・家族・地域住民等の非専門職の方も参加されることから、話の内容が議題から逸れて行くことや、特定の参加者ばかりが発言する事が予想されるため司会者の統制力も必要です。
 地域の絆での会議の内容を進行順にご紹介します。�ー�己紹介、近況報告、会議の目的確認では、毎回初出席の方がいらっしゃるため簡単な自己紹介や、各自の近況報告を行います。また、会議の目的も明文化し、参加者に確認をお願いしています。因みに、地域の絆で行われる会議の目的は、�菊団衄鷄塚�活動法人地域の絆の各種理念に基づいたものとする。�驚楼茲亮匆駟〇磧�生活ニーズに応えるための「地域支援」を念頭に、各関係者・機関とのネットワークを構築し、協働のまちづくりを展開する。�兄�業所における運営状況の情報開示と、参加者からの要望・意見・情報を集約し運営に活かす。�源�業所におけるサービス・ケアの質の向上を図る、と打ち出しています。

図1 会議構成の一例。皆様のところはいかがなされていますか!?またご教示いただければ幸甚です。

皆様のところはいかがなされていますか!?またご教示いただければ幸甚です。

図2 家族会との協議の場≠運営推進会議

参加者が共通の目標を持って、議論を進めたいものです。対立構造のみでは、生み出されるものは少ないと考えます。

『運営推進会議のすすめ方』��

2009/11/29 12:00:00  地域密着型サービス
仁伍町内会では、年明けに「とんど火祭り」が開催されます。今年はどんなとんどを拝見できるのか、今から非常に楽しみです。

 地域密着型サービス、特に小規模多機能型居宅介護では、運営上の細かな規制や制約が非常に少ないのがその特徴かと思われます。中等度から重度の生活課題を抱えていらっしゃる方を、住み慣れた地域や在宅で支えていくためには臨機応変なケア・サービスの在り方が求められるのは自明のことですから、これは当然の帰結とも言えます。違った表現をすれば、それだけ事業所側に運営の裁量権が委ねられていることになります。
 だからこそ、事業所ごとに良くも悪くも「格差」が生じることになります。地域密着型サービスが創設されてもう直ぐ3年になりますが、ケア・サービスの在り方、地域との関係性、運営の仕方に事業所ごとの特色が出てきている様に見受けられます。中でも、独自性が強いのが運営推進会議の在り方ではないでしょうか?
 まず、運営推進会議の在り方を考えるに当たって、制度上の考えに触れておく必要があります。「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」(厚生労働省令 第34号)や厚労省から過去に出された「Q&A」の要旨をまとめると図1のようになります。たったこれだけですが、この中から、厚生労働省が意図する事柄や、私たちがこの会議を有効に運営していく方策を見いだすことが出来ます。密室でのケアに陥りやすいグループホームと小規模多機能型居宅介護に第三者の評価の目を定期的に入れ、ケア・サービスの質の向上を狙っているのは言うまでもありませんが、中でも私は、「構成員」の中身に注目しています。利用者の権利擁護が謳われて久しい今日利用者・家族が参加するのは自明のことです。そこに、地域住民の代表者や、行政職員、地域包括支援センター職員が入っていることに私は様々な可能性と意図を感じています。
 まず地域住民の代表者ですが、厚労省のQ&Aでは、「町内会役員、民生委員、老人クラブの代表者等が考えられる」と表現されています。これらの人々が会議に参加する意義や、そのことで望めるべき展望とは、�|楼莉嗣韻�事業所の運営に参画すること�∋�業所・地域包括支援センター・行政が地域住民のニーズを把握すること��事業所・地域包括支援センター・行政と地域住民が協働でまちづくりを展開すること、が挙げられます。
 原則として、日常生活圏域内で完結するサービス提供が基本となる地域密着型サービスにおいて、その利用者は地域住民であり、運営推進会議に地域住民の代表者が参加することは、将来自分や家族が利用するであろう身近な事業所を自らの手で育て、また不備があれば行政に指導依頼を行う住民自治に繋がるのではないかと私は期待しています。
 一方、地域包括支援センターにとってもこの会議に参加する意義はあろうと思います。平均して2〜3中学校区を対象範囲として活動する地域包括支援センターが、3〜6人程度の職員配置で、直接的に地域支援を行うことが困難な現状を鑑みれば、センター管内にある地域密着型サービスを上手くコーディネートし、間接的な地域支援を実践していく視点も必要ではないかと考えるのです(図2)。また、地域密着型サービスのネットワークを築くことも、公益色の強い地域包括支援センターにその期待が寄せられます。
 以上のように運営推進会議のあり方を考えていくと、その目的は大きく2つあるのではないかと考えています。�ヽ杏瑤了訶世鯑�れ、チェック機能を働かせケア・サービスの向上に繋げる��地域のニーズを把握し、それに応え得る方策を検討する。地域の絆の各事業所では、この2つを常に1:1の配分で会議の運営を行います。以下地域の絆での取り組みと、そこから見える運営推進会議の課題について提言させてもらいます。
 構成員については、利用者・利用者の家族・市職員・地域包括支援センター職員・近隣事業所(居宅介護支援事業所や介護保険施設等)の職員・市社会福祉協議会職員・福祉系専門学校講師・自治会長・民生委員・老人クラブ会長・近隣住民といった構成になっています。中でも、小規模多機能型居宅介護の対象利用者像を考えると、利用者の参加が難しいことが課題となっています。他の参加者の話の内容を理解し、ご発言できる方が非常に少なく、参加されることは稀にしかありません。であるならば、利用者の権利擁護を担保する別の機会を設けるか、利用者が参加できる会議の体制を整えることが必要だと認識しています。権利擁護とは、利用者の主体性・自発性を引き出し、その人らしい生活を支援することであると私は考えています。であればこそ、自分たちが利用する事業所の運営に主体的に参加する機会を保障する義務が私たちにはあります。利用者が運営推進会議に参加することの意義をもっと大切に考えたいものです。
 また、地域住民の代表者について、必ずしも自治会役員の方という捉え方はしておりません。役員の方の考えが必ずしも地域住民の総意だとは考えていないからです。社会福祉協議会の職員さんに参加いただいているのは、法人の理念と社会福祉協議会の理念が一致するからです。いずれにしても、地域住民をはじめ、地域包括支援センターや社会福祉協議会、他事業所に対して、参加をお願いする依頼文を持参し、事業所の理念をしっかりと説明させていただくことが必要でした。地域住民に対しては住民説明会の場で、事業所に対しては40分程度のプレゼンテーションをさせてもらって、その後参加いただいた所もあります。地域密着型サービスの職員には今後、強く説明能力が求められることでしょう。交渉事の基本は、データー・理論・情動性であると私は自覚しています。中でも「情動性」である心意気や思いがなければ、他者の心を動かすことは出来ないでしょう。
 次回は、会議の実際についてお話したいと思います。

図1 厚生労働省令にみる運営推進会議

まず、厚労省はこの会議に何を求めているのかを考えてみましょう!

図2 地域包括支援センターと地域密着型サービスの関係

運営推進会議を通して、図のような視点を持つことが、地域包括支援センターには求められているように思われます。

『地域密着・地域交流を促進する方法�ぁ�

2009/11/12 12:00:00  地域密着型サービス
認知症の仕事の関係で今東京に来ています。明日はアメリカのオバマ大統領が来られるそうですね。(東京都庁周辺にて)
 事業所が地域密着・交流することの最終目的は、誰もが自分らしく安心して暮らせる地域づくりにあると考えます。無論、そこに至るまでにはいくつかの段階を経なければなりません。例えば―――�/Π�と地域住民の親密度の向上、��地域住民のニーズの把握、��事業所が地域(貢献)活動を実施、�っ楼莉嗣韻隼�業所の信頼関係の構築、�ッ楼莉嗣韻隼�業所の協働関係の構築。これらの段階については、実践レベルでまだまだ方法論が確立していません。一つだけ明らかなことは、段階を漸次踏んで行かねば、一足飛びに最終段階到達は出来ないということでしょう。
 であるからこそ、地域の絆では�,鮹�成するために「挨拶運動」を実践してきました。心理学の領域でも明らかなように、挨拶や日常生活会話をする親密度のレベルに達しない限り、それ以上の親密な関係を築くことは出来ません(図1-1・2)。しかしながら、挨拶レベルの会話であれば、事業所はさほど労力を負担せずとも、職員ひとり一人が意識変革さえすれば即実践可能なものです。レベル2までは、いともたやすく実践が可能であると言えます。地域の絆ではまず、レベル2の地域住民との親密度を構築してきました。これは、何かを実践することを目的に親密になるのではなく、親密になること自体を目的にした取り組みでもあります。まずは、一人の人として住民と親密な関係にならねば、人と人とが何かを協働することには決して繋がらないからです。
 そして、その上位レベルの親密度が構築されるにつれて、�△亮汰�を試みました。これからお伝えするのは、地域の絆が運営する地域福祉センター仁伍で実践した方法ですが、どの事業所でも実践可能なやり方だと思いますので、是非参考にしていただければと思っています。小規模多機能の職員が、ケア・業務に追われる中で、実践可能な方法を考え取り組んだものです。職員が地域住民に聞き取りを行うのですが、その際のルールを以下お示しします――
�ヾ�間中(3週間という期限を設けました)出勤した職員は1日当たり、頻度1回以上、時間5分以上、地域住民と日常生活会話を行う
※利用者と散歩中や、送迎や訪問時、出退勤時に実施。
��普段の日常生活会話とは違う、何らかの意図をもった会話(地域住民のニーズを引き出す会話)であり、広義の生活場面面接であると位置づける。
��「ニーズを引き出す会話」と言われても具体的に理解しにくいため、(地域住民が)「困っていること」「望んでいること」を聞き出すように職員に指導する。ただし、「困っていること」「望んでいること」を直接聞かずに、日常会話の中から「真意」を聞き取ることをルールとする。※余程関係性が出来ていないと、直接問われても地域住民は困惑する。
�ぜ損椶靴真Π�は、記録用紙に会話の内容を記載する。ミーティング用のホワイトボードに用紙を貼付し、その日の情報を全職員で共有する。※共有された情報を、次の会話に活かしていく。
�ナ垢�取り調査から、上がってきたものをKJ法でカテゴリー化する。
一日5分程度の会話と、その期間を3週間に限定することで実践が可能となり、図2の様な結果を出すことが出来ました(3週間で約30回の会話を記録)。
 これらの内、私たちが顕著に受け止めたのが、�…�内の交流�∪ぢ經屬慮鯲��J顕修侶兢気鉢ぜ�分の知識や才能を活かしたい、でした。� 銑�はどの地域にも共通する項目かも知れませんが、仁伍町内会(センターが所在する自治会)も地域活動参加者の年齢層を見ると、40代以下の参加率がゼロに近い状況でした。であるからこそ、地域文化や活動の伝承・継続に不安があって表出されたニーズであると考えられます。�い亡悗靴討蓮⊆造話楼莵弩イ�したくてウズウズしているが、それが活動に結びついていないニーズがあることを示しています。これは、地域で困っていらっしゃる方(利用者)の支援を専門職が一方で引き受けながら、「支援したい」思いを抱える住民のニーズを度外視しているがために、両者のマッチングができずにいる双方にとって「もったいない」現状があることを示しています。そして、確実にコミュニティケアの土壌があることを実感出来るニーズでもあります。
 それを元に、地域福祉センター仁伍では、小地域支援計画を作成しました。ですから、前号で報告させていただいた地域交流事業としてのイベントは、40代以下の年齢層を地域活動に巻き込んでいくことを主眼に置いての内容としており、具体的に子どもの健全育成に対するイベントを開催しています。子どもを対象にすることで、子どもの両親に活動に携わっていただくことを狙ってのことです。そのイベントを通して、既存の地域活動の担い手(50歳以上の方)と、40歳以下の住民とのマッチングを仕掛けるのです。本イベントを通して、40代以下のお父さんが2名、既存の地域活動に参加されるようになりました。成果はまだまだ大きくありませんが、こういった取り組みは継続性が必要だと考えています。
 地域住民のニーズは、事業所と住民の親密度を上げていくプロセスで、理解されてくると思いますが、こちら側に地域住民のニーズを探ろうとする確かな意思がない限り、中々捉えにくいものだと思います。まずは、手探りの中、地域に様々な仕掛けを展開し、一方で「地域住民のニーズは何か?」を常に考え、住民の「声」に耳を欹てる必要があるのではないでしょうか。
 そのことを職員に伝えるためにも、研修の一環として、地域福祉センター仁伍の取り組みを導入されてもよろしいかと思います。ちなみに、仁伍の取り組みは、半分は、職員に地域を捉える視点を持ってもらうことを目的に研修として実践したものです。

図1-1 挨拶及び日常生活会話の重要性
(法人全ての職員が、継続実践することが重要です)

継続することが大切です。

図1-2 心理学の視点からの親密度レベル
(まずは、レベル2の到達を目指しましょう!)

様々な分野における実践を導入することは、大切な視点ですね。

図2 地域住民のニーズとは!?

皆様の地域にも、実は、人の手助けをしたくてウズウズしている人が沢山いらっしゃるかも知れません。私たちの仕事は、人と人とをつないでいく仕事でもあります。

『地域密着・地域交流を促進する方法��』

2009/10/23 12:00:00  地域密着型サービス
今年も各センターでは、餅つき大会を開催します。多数奮ってご参加いただければ幸甚です。
 地域密着型サービスと銘打たれたサービスを運営する者の避けられぬ使命として、地域密着・地域交流の取り組みがあります。今回は、地域の絆における「地域交流事業」の取り組みについてご報告します。
 地域交流事業とは、私が勝手に命名したもので、各センターで年に4回程度のイベント(行事)を開催しています。金子勇氏の「コミュニティ要素モデル」(図1)に周知の通り、イベントはコミュニティ形成における重要な要素と言われています。地域住民がイベント(行事)を開催するためには、まず、準備期間(時間の共有)が必要であり、合わせて、会議等の打ち合わせ(知識や技術、情報の共有)、物の貸し借り(物の共有)、活動の場の調整(空間の共有)等が必要になります。開催日の運営はもちろん、その後の後片付けから、次回に繋げる反省会まで、イベントの大小によって、中身は変わってきますが、イベントの実施には概ね以上の様な取り組みが不可欠です。そして、その過程を通して地域住民の関係性は深まり、地域に対するアイデンティティも醸成されていきます。
 イベント開催における第一の効果は、「交流の促進」にあると考えます。その特性を活かして、地域の絆では、�|楼莉嗣韻藩�用者(地域の要介護高齢者)の交流、��地域住民と職員の交流、�C楼莉嗣影瓜里慮鯲�を目的に地域交流事業を運営しています(図2)。各イベントにおける参加者数は概ね150人前後。地域福祉センター仁伍における「キャンプ体験」については、地域の小学生(中高学年)30名程と、大学生ボランティア20名程の参加があります(「キャンプ体験」は、地域住民とセンター職員がボランティア団体を立ち上げて運営)。
 イベント開催における手順は概ね以下のように進めます―――
活動開始時期は、イベント開催日の2ヶ月前。まずは、日程を決めていきますが、地域の活動・行事と重ならないように自治会長や公民館長等に事前相談を行います。また、イベントの要旨が地域のニーズに合うものであるのかや、当地域でこのようなイベントの実施が可能かどうかの相談も行います。その後、物品(机や椅子等)はどこから借りるのか、イベントに協力してくださる人、必要な知識・技術を持っている人達の情報を住民との会話の中で集めていきます。集めた情報を元に、地域住民に協力を要請します。戸別訪問や、回覧板、スーパー・コンビニ・ごみステーション・各看板等における貼り紙を通して行います。情報を集める中で、「ワシが、○○さんに頼んでやろう」といった形で、人を介しての協力要請が出来ることも珍しくはありません。
 前日と、当日の準備は大掛かりなものになりますので、地域住民のみならず、近隣にある高校・大学の学生ボランティア及び、社会福祉協議会を通して全市的に募集したボランティアの方々に御協力いただきます。
 その際に私たちが大事にしていることが2つあります。1つは、交流を促進するためのプロセスを重視すること。具体的には、なるべく地域の力を借りてイベントを運営することです。事業所が大盤振る舞いで備品を買って揃えたり、人員配置をしてイベント運営するのではなく、備品は地域の方や公民館等でお借りし、人手や知識、技術は、地域住民のお力をなるべくお借りして運営するように心がけています。
 そうすることで、地域住民のどなたが、何を持っていらっしゃるのか?公民館や集会所にはどんな物品があるのか?餅つきの知識を持っているのはどなたか?大工仕事が得意なのは誰か?といった地域の情報を把握することができますし、誰に力を借りればいいのかの情報を得るために地域住民に相談したり、物品やお力をお借りする過程で、貸し手の住民との交流が促進されていきます。
 特に私たちのような地域密着型サービス単独で運営を行っている事業所は、大盤振る舞いする財力も、人的資源も乏しいのが現状です。事業所からの持ち出しも少なく、かつ、地域交流が促進できる。一石二鳥の取り組みであり、苦肉の策でもあります。
 それでも人的資源が間に合わないことがありますので、近隣の福祉系大学・短大の学生ボランティアを必ず募集して行います。一つのイベントで平均して10名前後の学生ボランティアの参加があります。これからの社会福祉は、地域支援の視点が不可欠であることを、体験的に学んでもらう、今から5〜10年後の専門職の育成を見込んでの取り組みでもあります。
 2つめは、このイベントを通して、各センターの機能や設備、職員のことをしっかりと地域住民に理解していただくことです。コミュニティケアを展開していくに当たって、これからは、地域住民と協働して地域の要援護者のケアを行っていく必要があります。住民と協働するためには、地域のために具体的にどんなことができるのか、どんな機能や、設備を有しているのか、どんな専門性や人柄の職員がいるのか等を地域住民に先ずは理解していただくことが不可欠です。地域のことを「真摯に考えている」、地域のために「汗をかいている」専門職であることを将来的には理解していただかなければ、協働は不可能だと考えます。コミュニティケアの実践に繋ぐことも忘れずに、イベントの運営を行います。
 一介護保険事業所が、まちづくりに関与する。大きなテーマに何から手をつけていけばよいのか分からず立ち止っている事業所もあろうかと思います。地域活動の基本は、まずは出来ることから始める。仕掛けながら考える。と考えております。様々な戦略は必要ですが、まず出来ることから、行動を起こしてみてはいかがでしょうか?
 例えば、利用者に提供するアクティビティを地域住民の協力のもとに行うことから始めてもいいのではないでしょうか?これからの季節、しめ縄作りや餅つきのご指南を地域住民に依頼してみるのもいいかも知れません。

図1 地域行事とまちづくりの密接な関係

地域行事を大切に守って行こう!それが、誰もが安心して暮らせるまちづくりに繋がります。

図2 地域の絆の取り組み

地域住民の方と協働で運営しているイベントです。
中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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