2009/09/30 12:00:00
地域密着型サービス地域の絆における地域密着・交流の実践として、�^Щ�活動�∩蠱民臀�事業��ペットボトルキャップとプラスチックトレーの回収について前回は叙述しました。
今回はその続編として、「ボランティア制度の活用」についてご紹介します。地域密着や交流は、ただ待っていてもなされるものではありません。こちらから、積極的に仕掛けていかねばならないものです。その具体的取り組みとしての報告です。
施設ケアも在宅ケアもコミュニティケアの一環であることは周知の通りでしょう。両者の違いは、利用者の生活拠点が施設にあるのか自宅にあるのかこの点にのみ依拠されています。つまり、地域でなされるケアと言う点において、両者はコミュニティケアの一環と言えるわけです。
私も介護保険施設で働いていたことがありますが、施設ケアの場では、このコミュニティケアの視点が持ちにくいのではないかと実感しています。介護保険施設に勤めていた当時、今から6年ほど前のことですが、利用者の主なニーズは外出支援でした。入所者の殆どの方は、1年間で1・2回程度の外出の機会しか与えられていませんでした。今は分かりませんが、無論、当時は他の施設も全く同じような状況にありました。これは重大な権利侵害ではないかと考えましたが、外出支援には人手が必要です。施設内を歩行器でやっと歩ける方が、屋外では車いすでの移動になってしまいます。ほぼ一対一の職員配置が必要です。職員の人員配置からいって、日常的な外出は不可能な状況でした。では、施設職員で対応できないことは、利用者に諦めてもらうのか?
そうではないと思いました。そこで、社会福祉協議会を経て外出ボランティアを募集したところ、5・6名の協力者が得られました。その方々のお力を借りて、一人の職員で5・6名の利用者の外出支援が出来たのです。この経験は、施設ケアをコミュニティケアの視点で捉えた実践だと後に理解しました。そういったこともあって、地域の絆では、ボランティアの受け入れを積極的に行ってきました。
受け入れに関しては、「ボランティア活動における留意点」のご説明をさせていただき、活動内容・活動動機・趣味や特技をお伺いするようにしています。継続的な活動を促進するためです。当法人ではそれに加えて、ボランティア制度を導入しております。地域の絆が運営するセンターで介護ボランティアに参加して下さった方に対して、活動時間に応じて30分で1きずな(50円)分のセンターでのサービスを受けることができるといったものです。1年間で貯めることが可能なのは100きずな(5000円)ですが、きずなには有効期限がありませんので、10年間で1000きずな(50000円)貯めることも可能です。受けることができるサービスとしては、喫茶コーナーや足湯の利用料、地域密着型サービス利用における食費・おむつ代・宿泊費等に充てることができます。きずなを貯めた本人もしくは、家族の方へのサービス提供が可能です。
数字的に参考にしたのは稲城市の取り組みですが、自治体が実践されている多くは、ボランティア活動者の介護予防の視点が強く含まれています。ボランティア制度きずなは、介護予防の視点も持っていますが、第一義は地域交流です。だからこそ、夏休み等で遊びに来る子どもたちもボランティア制度の対象としています。我が国は30年後には30人に一人の方が認知症になると言われています。その時の支え手は今の子どもたちです。少しでもセンター利用者にかかわってもらうことが、30年後の地域づくりに繋がるとも考えています。
制度をスタートさせたのは、2007年11月。制度登録者数は、現在30名。その内、日常的・継続的に活動されている方は7名です。7名の大まかな内訳は、図1のようになります。65歳以上の方のうち2名の方が、要支援高齢者です。その他、年に一度、庭の松を剪定して下さる方や、夏休みに敷地内の草取りをしてくれる小学生の参加もあります。利用者のご家族の方が、不定期に活動されているケースもあります。
但し、制度の対象活動は、あくまで「介護ボランティア」、つまり、センター利用者の支援をしてくださる活動の内、図2の��項目にしています。NPOの活動・運営にご協力していただいたボランティアの方に、遣り甲斐と、きっかけ、そして、少しの還元を提供する構造になっています。ですので、次号でご紹介する地域交流事業と称した、地域住民を巻き込んだイベントの運営等におけるボランティア活動は、ボランティア制度の対象活動にはなりません。地域交流事業等で活動いただいている登録ボランティアと、ボランティア制度に登録いただいているボランティアを合わせると60名程度のボランティア登録があります。イベント運営におけるボランティア活動などは、どこからどこまでが、イベント参加者で、ボランティアなのか、非常に区別がつきにくく、運営に対して何らかの協力をしてくださっている方などは、多いイベントで優に40人は上回っている状況にあるため、制度の対象とするには難しい点が多々あります。また本来、地域福祉活動とは、提供する側と受ける側が曖昧模糊とした関係の中で成り立つものではないでしょうか。
かてて加えて、古くから地域活動の担い手となっている方にとってみれば、ボランティアをどの様に定義するかなどは愚問であり、今まで「当たり前のこととしてやってきた」ことであって、ボランティア制度におけるポイントの還元など、全く興味がなく、よって、制度には登録しない地域住民も数名おられます。ポイントなど還元されなくても、出来ることは協力すると心強いご意見をくださる方々です。このことからも、どちらかと言えば、新規のボランティア活動を促進する手段としてこの制度は有効であると考えています。
ボランティア活動の継続性は、その活動内容の量的・質的変化を伴います。継続していく中で、自分に出来ることが他にもあることに気づいていただけたり、また、職員がボランティアの主体性を引き出すことで、初めは利用者から一歩離れていた活動をされていた方が、アクティビティの支援をしてくださるようになったこともありました。
継続した活動をしていただくためには、職員一同常に感謝の気持ちを忘れず、それをボランティアに表現して返していくこと。そして、ボランティアおひとりお一人の活動における自己実現を心からサポートしてく「姿勢」(これだけで十分だと思います)が不可欠です。
次回は、「地域交流事業」と「小地域支援計画づくり」についてご報告致します。
2009/09/09 12:00:00
地域密着型サービス2009/09/08 12:00:00
地域密着型サービス2009/09/07 12:00:00
地域密着型サービス 地域密着型サービスの理念や、その実践のための「準備作業」について、前回まで述べてきました。今回からは、その具体的な実践過程についてお話したいと思います。
「地域の絆」では、コミュニティケアを「地域の要援護者を地域住民で支え合う行為である」と定義している旨をお話ししました。それが、地域密着型サービス運営の目的であると。しかしながら、福祉専門職としての目的はもっと先にありまして、最終的には「誰もが自分らしく安心して暮らせる地域社会の確立」にあると自身は考えております。このような長期目標の存在を熟慮しながら、次回にわたって、地域密着・地域交流について考えます。
また、その様な地域社会の確立のためには、福祉専門職がまちづくりや、地域住民の主体形成に関わっていくコミュニティワークの視点も欠かせません。そこで、最も重要になってくるのが地域密着や地域交流の視点であります。事業所と地域住民の関係性を醸成し、信頼関係を構築する取り組みが不可欠になるわけです。「地域の絆」では、それを図1のように捉えております。
以下、「地域の絆」における具体的実践例をご紹介します。
まず、「挨拶活動」ですが、地域支援活動で大切な視点は「出来るところから始める」です。私たちは利用者から地域へと対象を変えた時、非常に高いハードルを課しているのではないかと思います。大きなイベントを開催したり、大きなシステムを構築したり等。その様に構えてしまうと結局は、何も出来ない状況に終わってしまうのではないでしょうか?なので、私たちは先ず出来ることとして、開設前から挨拶運動を実践しています。地域住民と道ですれ違った時や、センター内から地域住民を見かけた時に、こちらから積極的に挨拶を交わします。その時に「こんにちは」「おはようございます」にもう一言、「お買い物の帰りですか?」「今日はどちらへ行かれるんですか?」「かわいいワンちゃんですね」などど、状況に応じた日常会話を付け加えます。そうすることで会話が広がり、お互いの事をより深く認識し合うようになります。そして、この日常生活会話を継続していくことで、顔や名前、延いては人柄の理解が促進され、信頼関係が構築されていきます。すると今度は、会話の内容も「安易に他人に話すことの出来ないより深い内容」へと変容してきます。「ちょっと聞いてみるんだけど、私の身内が認知症みたいなのよ。●●するんだけど、これって認知症かしら?」といった会話が聞かれる様になります。
私たちが知りたいのは、地域住民が持つニーズ(困っていることや、やりたい事)です。対人援助でも見て取れるように、ニーズに接近した会話は、インテーク(初回面接)時等にはなかなか行うことはできません。やはり、専門職と利用者との信頼関係が醸成されて始めて成されるものです。地域住民との信頼関係も同じで、まずは日常生活会話を繰り返し、継続して行うことでしか成し得ません。そのためにも挨拶(日常生活会話)の継続性は欠かせません(図2)。大切なのは、全職員がその重要性を理解し、行動することです。
「事業所空間の開放」については、前号で述べた通りです。地域住民が来所する余剰空間がなければ、日常的・継続的な来所は望みにくい旨話しましたが、実は空間があるだけでは地域住民の来所は望めないと考えます。よく、特別養護老人ホームでは大きな喫茶コーナーがあるところを見かけますが、地域住民がよく来られている所と、閑古鳥が鳴いていて非常にもったいないなと感じる所があります。様々な理由が考えられますが、問題は明らかに、ハード(空間)にあるのではなくそのソフト(運用の仕方)にあります。地域住民が気軽に来所しやすいような取り組みや、仕掛けを積極的に行っているかどうか?その結果、来所しやすい雰囲気を事業所全体が有しているか否か?この辺りが最も重要で、そのための取り組みが、「相談援助事業」や「ボランティア制度の活用」、「ペットボトルキャップ・プラスチィックトレーの回収」、「地域交流事業」になろうかと思います。
相談援助事業は、「社会福祉士事務所」や「福祉よろず相談室」の看板を掲げ、高齢者に限らず、児童・障害者分野のあらゆる福祉相談窓口を設けています。地域住民が、身近な場所で、先ずは、何でも相談できるそんな場所を目指してのことです。また、福祉専門職が持つ知識や、技術を地域資源と化し、地域へ還元する取り組みでもあります。相談料は取っていませんので、主な役割はインテーク程度で、適切な機関に確実に繋いでいくこと(「ワンストップ相談」)を心がけております。相談件数は、月に2〜3件程度ですが、偏りなく定期的に様々な相談が上がってきます。中には、専門職からの相談もあり、専門職間のネットワーク作りの一助にもなっています。
ペットボトルキャップの回収は、社会福祉協議会がされているものをお手伝いさせていただく形で、身近な場所での回収場を担っており、プラスチィックトレーに関しては、福山市内に本社のある「エフピコ」という企業が実施されている「使用済み食品トレーの回収」に則って行っております。トレーの回収で得た資金は、「地域交流事業」(年4回の子どもの健全育成に関するイベントの運営)に割り当てることにしています。キャップもトレーも週に3〜4名程度の地域住民が持参してくださる様になっています。また、トレーは非常にかさ張り保管場所の確保が難しいことと、保管場所がもっと分かりやすく決まっていた方が良いとの地域住民の意向から、地域に住んでいらっしゃる大工さんが事態を見兼ねて、回収箱を製作してくださりました(写真1)。
上記の実践が示しているのは、「何もしないで、待っていても」地域密着・地域交流は促進されない事実ではないでしょうか。次回では、「ボランティア制度の活用」と「地域交流事業」の取り組みについてご紹介します。
2009/07/26 12:00:00
地域密着型サービス 以前のブログでは、地域密着型サービスにおける開設の条件について、地域性や、ネットワーク、人材面より、意見を述べさせていただきました。今回は、実際に開設するための手順とハード(空間)についてご一緒に考えて参りたいと思います。
あえて執拗に申し上げますが、地域密着型サービスの目的は、コミュニティケアの実践にあると考えます。なので、開設手順も空間づくりもそれに則ったものでなければなりません。「地域の絆」では、開設地を選定し、図面の青写真ができた時点で、必ず地域住民への開設説明会を実施します。地域によっては、「もう少し(開設計画が)決まった時点で、正式に説明会を開きたい。今は、地域住民間で情報共有だけしておきます」と、時期尚早の反応が返ってくることもあります。それでも、図面の青写真ができた時点での、「地域への相談」の姿勢は決して崩しません。
一つの事例をお示しします。少し想像してみてください。あなたの住んでいる地域に、少し大きな家が建っています。建設が進むにつれて、どうもそれがただの家ではないことに気づきます。近隣住民の噂や、建設地に掲げられた建設許可の看板からです。「どうも高齢者の福祉施設らしい」と。そして、施設の外観も大体出来上がった竣工1ヶ月前に、地域住民への住民説明会を開く旨、回覧板等でビラが配布されるのです。そのビラには、「地域密着型サービス○月開設」と書かれています。
このような「開設までの流れ」は私の知る限り、決して珍しい事例ではないと認識しています。上記の手順で開設される「地域密着型サービス」とは、何でしょうか?真摯に地域のことを考えているのであれば、もっと早い段階より地域住民と協議・相談の場を持つべきではないでしょうか?また、地域住民もそうした事業所の姿勢を見ているのではないでしょうか?
こうした視点は、地域医療・地域福祉を永らく実践されている諸先輩より、ご指導頂き持ち得たものです。つまり、開設準備段階から、地域住民と共に作りあげる視点で臨むべきではないかということです。そのために必要なのは、なるべく早期における「情報の公開」と「意見の拝聴」です。「地域の絆」では、それを図面の青写真が出来た段階で、展開していきます。
説明会においては、「法人理念」「事業所機能」「建設図面」を主に提示し、包み隠さず「何のために、開設運営するのか」を中心に、思いを込めて、語るようにしております。そして、「当事業所は社会資源であり、地域住民が有効に活用できなければならない」旨をご説明し、「どのような機能があれば有効に活用できるのか?」地域住民にその場で問うことにしております。
その中で、「地域福祉センター仁伍」の開設説明会では、「町内会の役員会をある喫茶店で行っていたが、その喫茶店がなくなってしまったので、5〜6人でコーヒーが飲めるスペースがあったら良い」との意見が寄せられ、それに伴って、喫茶コーナーの設置に至りました。その甲斐あってか、5畳にも満たない喫茶コーナーに、365日平均して1日6名以上の方が来られる盛況ぶりです。地域住民と共に作りあげる視点で開設すべきとの諸先輩方のご意見はさすがにと思うばかりでした。
「意見の拝聴」関しましては、その場で意見が出にくいことを考えて、アンケートの方法を用いてされている事業所もあるようで、これは非常に良いアイディアだと思います。
無論、開設に対して後ろ向きな意見が出てくる可能性も否めません。事実、センター開設に伴って、排水量が増加し、用水路の容量を超える可能性を危惧される意見などが出たこともあります。このような場合、しかしながら私たちはチャンスと捉えて行動します。説明させていただく機会を得ることで、地域住民との話し合いの場が、より多く設定されることになるからです。私たちの姿勢と理念をお伝えするチャンスであると。
反対意見を意思表明される地域は、住民が地域のことを真摯に考えていらっしゃる地域である可能性が高いと私は理解しています。むしろ、「うち(地域)とは関係ない」や「反対も賛成もしない」といった反応の方が、その後の連携が難しいのではないかと思います。反対意見を表明されても、交流のチャンスが得られるぐらいに思って取り組むべきではないでしょうか。
地域住民との日々の交流を考えた時、ハード(空間)の有効活用は重要な項目であると考えます。事業所職員は、日々ケアに追われる毎日です。こちらから地域に出向くにも限界がありますので、やはり、より多くの地域住民が事業所を訪れてくれれば助かります。そのためには、ケアだけに使う空間以外に余剰空間が必要になります。地域住民が過ごせる空間です。「地域の絆」各センターでは、少ない予算の中から、喫茶コーナーや足湯、ウッドデッキ、縁側スペースを設置しています。利用者と職員だけしか過ごせない空間ではなく、余剰空間を確保しておかねば、地域住民は気軽に立ち寄りにくいと考えます。
「地域の絆」では、地域住民が日常的に来所され、そこで、職員や利用者との交流がなされています。その営みが地域情報の収集や、新たな地域関係の構築に繋がっております。イベントを開催するために意見を聴くにしても、毎日住民が来られるので、聞き取りも容易にできますし、誰に協力を依頼するのかも、その場で決まったりします。
一般的な地域支援の視点からも、地域住民が立ち寄れる場所、集まれる場所、活動できる場所、情報を集約できる場所等の空間は欠かせません。無論、アウトリーチの視点も重要ですが、それだけではやはり限界を感じます。居宅介護支援事業所や地域包括支援センター等の相談事業における地域支援の取り組みの限界点はここにある気がしています。
その視点からも、地域密着型サービス事業所が、地域支援拠点となることの意義は大きいと考えています。そのハード(空間)を「共助の空間」へと変えていくのです。