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NPO法人 地域の絆

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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

ピンチはチャンス!

2009/11/18 12:00:00  社会全般
仁伍音楽祭のイベントでは、ご利用者・地域の方・職員で練習してきた演奏を発表しました。大盛況でしたし、ご利用者が、地域の中で、役割を担われているその姿に感動を覚えました。
 数日前、深夜番組で、フィギュアスケート・高橋大輔選手の復活に至るドキュメンタリーが報じられていました。
 下半身を負傷し、再起するまで、厳しいリハビリをこなし、恐怖を克服していくその姿に、同じ人間として強い感動を覚えました。
 しかし、私が強く心を留めたことは、リハビリを通して、以前よりも下半身の柔軟性を得ることができ、今まで以上のしなやかな動作を手に入れたこと。そのことに対して、高橋氏自身が「怪我をして良かった」と話されたことでした。
 私は「ピンチはチャンス」という言葉を常に、抱いて仕事をしていますし、職員にもそのように伝えております。それは、ピンチをチャンスに変える視点こそが、人間を強く成長させると信じているからです。また、ピンチをチャンスに変えることが出来るか否かに、人間としての、一つの能力の、真価が問われていると考えるのです。ピンチをチャンスに変えることが出来る人間こそが、プロフェッショナルであると。
 自身の信念を持って、ピンチに立ち向かっていく時にこそ、得られるものは大きいはずです。ピンチは、人を必ず成長に導きます。ただし、そのためには、自身に強い信念がなければ、それは単なるピンチでしかありません。

地域の絆について

2009/11/15 12:00:00  社会全般
京都信用金庫さんのポスターです。
 鳩山由紀夫首相が、所信表明演説(2009年10月26日)で「地域の絆」という言葉を用いて、これからの社会の在り方について提言されました。「これまで日本の社会を支えてきた地域の「きずな」が、今やずたずたに切り裂かれつつあるのです。(中略)かつての「誰もが誰もを知っている」という地縁・血縁型の地域共同体は、もはや失われつつあります。(中略)「あのおじいさんは、一見偏屈そうだけど、ボランティアになると笑顔がすてきなんだ」とか「あのブラジル人は、無口だけど、ホントはやさしくて子どもにサッカー教えるのもうまいんだよ」とかいった、それぞれの価値を共有することでつながっていく、新しい「きずな」をつくりたいと考えています」。
 最近、関西方面に訪れた際、左のようなポスターを目に掛けました。
 また、「社会の所得格差が大きくなると、貧困層だけでなく中間層や高所得層でも死亡する危険性が高まることが、山梨大の近藤尚己助教らの大規模なデータ分析で分かった。
社会のきずなが薄れ、ストレスが高まるのが原因らしい。英医師会誌に発表した」(2009年11月21日読売新聞)。
 今社会には地域の絆が、強く求められています。私たち地域の絆は、誰もが、自分らしく安心して生きていける社会の構築を目指して、2006年2月に設立致しました。同じ人間として、考え方の違いを越えることを決して諦めることなく、多くの方々と対話を続け、大きな絆をつくることで、そのような社会の構築ができればと考え、取り組む毎日です。
 人類が恐竜時代よりも長期にわたって、地球上で生き延びるためには、地域の中で、誰もが安心して暮らせる社会を構築し、各地で地域の絆を創造し、それを全世界に広げていくこと。これしかないと、自身は考えています。
 そのような誇りを抱いて、私たちは、更なる邁進をして参りたいと思っております。何よりも、多くの方々との強い絆を大切に。
 


果たして、少子化は問題か?!

2009/11/08 12:00:00  社会全般
高齢者施設において、子どもはそこにいるだけで、「ボランティア」ですね。
 社会福祉研究職の大先輩から、最近、ある指摘を受けました。「少子化はそんなにいけないことなのか?」と。先輩曰く、―――
 明石家さんま氏が司会をする深夜番組で、生物学者が、アジの回遊について話をしていた。100匹が回遊している水槽に、5匹を追加して入れると、5匹が回遊から外れて、命を落とすというお話。適正な数を保つシステムが、生物界には整っているのではないか。であれば、人間界の少子化現象は、適正な数を保つためのシステムが働いているのかも知れない。今の日本の人口は多すぎるので、調整を行っているともとれる。少子化が問題なのではなく、高齢化にこそその対策が求められているのではないか?―――と。
 一見、社会の一般常識から逸脱した発言とも取れますが、私の感覚としましては、「許容」の範囲の発想であり、それどころか、なるほど納得のいく鋭い視点だな、と受け止めました。
 つまり、日本の人口は適正人口をはるかに上まっているのかも知れぬと。適正人口をはるかに上回っている社会において、その人口を維持させるためには、適正「容量」を超えた経済成長が望まれるのではなかろうか?と。そのことによって、適正を超えた生産性や効率性が、重要視される社会となっているのではないだろうか?と考えたのです。
 事実、日本の適正人口は3,000万人程度という研究者がいると聞きます。これは、自給自足での循環の中で、生きていくための適正人口だそうです。
 そう考えると、少子化は何も悪いことばかりではなく、効率性や、生産性を至上としない、環境に優しい社会を再構築する契機となるかも知れません。バブル経済の真っただ中、人々の財布の中身は「豊か」になりましたが、人の心までは「豊か」になり得なかった事実を鑑みると、このピンチは、実はチャンスへの一里塚ではなかろうかと考えるのです。
 効率性・生産性を第一義とし、非効率・非生産の対象を排他・排斥してきた社会において、そうした生き方が、実は著しく人々の「私益」を減退させていることをしっかりと受け止め、新しい社会の在り方を考える岐路に私たちは立っているのでしょう。
 少子化をそのようなチャンスに変換できやしないでしょうか?

「私益」と「公益」の関係と、 「経済活動」と「社会貢献」の関係

2009/11/01 12:00:00  社会全般
今年度は、2度仙台に訪れました。認知症介護研究・研修仙台センターにお伺いし、様々な教えに触れることが出来ました。感謝!感謝!
 社会化された私たちの生活を鑑みると、私たちの生活は、常に他者との関係性の中で成立していることは自明のことであり、「私益」と「公益」においても相互作用の関係にあります。「自分さえ良ければ・・・」と人々が「私益」に走れば、「公益」はおのずと減退し、「公益」の低下は、そのまま「私益」に跳ね返ってくるわけです。
 最近、「コミュニティビジネス」について、若輩浅学ながら人前でお話させていただく機会があり、それに纏わる著書を数冊拝読する機会を与えていただきました。その中で、社会的企業や、コミュニティビジネスの在り方、延いては、企業における社会的責任(CSR)について若干振り返ることが出来ました。実は、地域の絆も、日本の中での社会的企業の確立を意図した実践を行っています。
 孫引きを含みますが、気になる個所を引用してみます。
「J.ガルブレイス(経済・経営学者)は、(『不確実性の時代』《1983年》の中で)『特定の利益は全体の利益に従属させなければならず、全体に最も役立つことが自分にも役立つという感覚の涵養を目指さなければならない』と述べている。すなわち、健全な社会発展のためには、経済的な利益と社会的な利益が調和するような事業活動を展開することが重要となることを示唆したのである」「P.ドラッカーは、非営利組織の評価に際しては、多様な判断基準の組み合わせやバランスが重要となることを示唆しており、非営利組織の経営には、明確な『ミッション』を持ち続けることが重要となることを説いている」「これまで対立概念として位置づけられてきた『経済活動と社会貢献』『営利企業と非営利組織』といった二極対立の構造を超えて、それらの統合や協調によって、コミュニティビジネスといった新たな事業が生み出される時、従来型の社会経済システムの変革が加速され、真の豊かさを実感する社会が我々の前に出現することになろう」(風見正三氏『コミュニティビジネス入門』学芸出版社)。
 これからの企業活動には、営利企業、非営利組織にかかわらず、経済活動と社会貢献を常に両輪とした実践が求められます。少子化で、これから急性的人口減少に見舞われる我が国の企業が、生き残れる道は、それしかないように見受けられますし、それこそが、成熟した社会、真に「豊かな」社会構築へと繋がっていくように思われます。
 それは、「自分の会社さえ・・・。自分の国さえ良ければ・・・」といった考えが、既に大時代であることを意味します。そして、私たちが、今まで顧みずにきた真の「公益」とは何かを、惟る時が巡って来たようです。

社会福祉専門職としての政治への期待

2009/09/01 12:00:00  社会全般
「潮が引いた宮島」訪れた私は感動しましたが、珍しくないんですかね?
 第45回衆院選において、政権交代が実現した。各国のメディアを始め、日本のメディアの反応は例えば、「『09年8月30日』は後世、歴史年表に太い活字で特筆されるだろう。日本の民主主義の前進が、衝撃的な数字で示された」(『朝日新聞』2009.8.31.政治エディター根本清樹氏)とあるように、非常に「衝撃的」な取り扱いとなっている。まるで「改革」でもなされたような反応である。
 しかしながら、福祉専門職の立場から静観すれば、自民党も、民主党も差ほど大きな政策の変化は見受けられない。ましてや、社会福祉実践に欠かせない、社会構成の視点、つまり、これから100年後にどのような社会を構成していくべきかといった社会的な立ち位置に、両党の違いを見つけることは非常に難しい(そもそも、100年先の社会構成のビジョンを打ち出している政党や政治家は皆無かもしれない。あくまで、推察の範疇ではあるが)。
 その点においては、本政権交代は、「改革」でも「衝撃的」でもないと観望できる。
 ただし、同じ思想の持ち主であったとしても、同じ人間が長らく権限を行使するのではなく、違う人間が権限を行使する方が、癒着や澱みを払拭する効果をもたらす。その点は、大いに期待したい。
 私としては、財政再建(人口減少傾向の真っただ中にある我が国にどれほどの期待ができるのか?)に捉われ過ぎることなく、財布の中身は多少「寒く」とも、社会の中で、誰もが排他・排斥されることなく、自分らしく安心して暮らせる社会の構築を是非とも実現していただきたいと願うばかりである。
 

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中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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