現場を知らない学者や評論家・マスコミの言動に思わず首を傾げてしまうことが近頃多くなった。
例えば私たち福祉業界でよく言われているのが、職員配置の不足であるが、現場は現場で人員不足を補うための業務改善に創意工夫を凝らしているし、人員が充実している現場が必ずしも良いサービスを提供しているとは限らない実態もある。
一言でこうあるべきだと言い放つのは格好が良いし分かりやすい。しかし、物事を変革するには小さな作業を地道に積み重ねていかなければならないし、多くの妥協が必要となる。少数派の意見を反映させようと思えばなおのことで、それこそ妥協を通り越して屈辱の連続とも言える作業を強いられる。そして、こうした作業を通してのみ物事は変革されていくのだと思う。
いわゆる学者や評論家の多くはこの実践経験が絶対的に足りないのではないかと考える。現場にいて物事を変革した経験が圧倒的に少ない人間が多いのではないかと思う。私自身の経験で言えば、大学時代の魅力的な講師・教授はみな一度は「社会」で現場を経験した人達であった。
非実践家は総じて脆い。変革が、小さな改善の積み重ねと妥協の産物であることを実感し得ない人の論理にはなんら説得力も魅力も感じない。現場から離れた、実際に離れたとしても現場の感覚を持たない人間の論理には人の心は動かされない。
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