自身の行動規範の一つとして「熟慮断行」を掲げていますが、私が苦手とするのは「熟慮」の方であると自覚があります。最近拝読した『リーダーは半歩前を歩け―金大中というヒント』(姜尚中氏、集英社新書)において、対談で金大中氏は「何かしようとするときは、三度考えろ」とおっしゃられ、「もちろん、考えても答がでないことは多いです。熟考を重ねれば、誤りはずっと少なくなると思います。そして、熟考すれば、決断した後まよわないですみます。信ずるところに向かって突き進めます」と説明を付言されています。
なぜこのことを今思い起こしているのかと言いますと、速力感のある情報化社会において、私たちは立ち止まって熟考することをしなくなったのではないかと憂慮しているからです。例えば、今日放映されていた「ワイドスクランブル」(2009/12/14 11:25〜13:05 テレビ朝日)で、アメリカのタイガーウッズ選手のスキャンダルに対し、コメンテーターのなかにし礼氏は下記の要旨を話されていました。―――内容としてはここまで大きく取り沙汰されることではないにも拘らず、アメリカ社会の中でここまで反響があるのは、黒人であるウッズ氏が、関係を持ったとされる複数の女性全てが白人である事実が関係しているのではないか―――というものでした。最近の様々な報道を見ていても、あまりにも皮相的で核心をついたものが少ないように見受けられます。その意味で、なかにし礼氏の如上の発言は、最近の報道では珍しい核心をついたものであると受け止めています。
時勢に急かされることなく、自分のペースで立ち止まり、熟考することが、今私たちに求められているような気がします。人には必ず立ち止まって、自分と向き合う時間が必要だと思います。速力感のある時代だからこそ、その時間を意図的につくっていくことがひとり一人に求められているのでしょう。
そして、熟慮の後は、断行するのみです!
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