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NPO法人 地域の絆

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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

『運営推進会議のすすめ方』��

2010/01/09 12:00:00  地域密着型サービス
昨年12月27日地域福祉センター仁伍「餅つき大会」 管理者名越さんのお子さん。蕗ちゃんが挑戦です!!
 運営推進会議における地域の絆での取り組みと、そこから見えてくる課題について前回の続きです。
 会議の内容としまして、「事業運営の状況」「利用実績」「サービス(ケア)の内容」の報告・説明を前半部分に行います。まずは、2ヶ月間における事業所の情報公開を行い、それに対して意見を求める流れで進めています(図1)。
 「事業運営の状況」では、事業所全体的な運営の課題や取り組みについて報告します。例えば、就労支援の場として、発達障害の方をボランティアとして受け入れる取り組みを開始することや、家庭裁判所と連携し、触法少年のボランティアを受け入れること、地域の高齢者を先生として、地域の子どもたちを対象に書道教室を始めること、ボランティアのポイント制度を開始すること、介護報酬における市町村独自加算を開始すること等、事業所の運営方針に関わる事項を説明し、時には同意を求めることも行います。
 「利用実績」では、「通い」「訪問」「宿泊」及び「登録」利用者数の日々の実績を2ヵ月分表にまとめて情報公開を行い、大きく2つの項目をご確認いただきます。� 崢未ぁ廚陵�用者数が、「登録」利用者数の3分の1以上を常時維持しているか、��長期宿泊利用者数及び長期宿泊の理由。�,蓮�厚生労働省令にある「指定小規模多機能型居宅介護は、通いサービスの利用者が登録定員に比べて著しく少ない状態が続いてはならない」に対して、同じく厚労省Q&Aの「著しく少ないとは、登録定員のおおむね3分の1以下が目安となる」を、�△蓮◆崕蒜颯機璽咼垢両絽造論澆韻此⊇電戮諒�であれば、運営推進会議に対し報告し、評価を受けることを前提として、ほぼ毎日宿泊する形態も考えられる」(同じくQ&A)に依拠した項目です。
 「サービス(ケア)の内容」に関しては、地域住民を対象にしたイベントの開催状況や、利用者の外出支援、日々の活動状況を写真の入った配布資料で説明します。「事故及びひやり・はっと」や「苦情処理」の中で、全ての利用者に通じる普遍的な事例の報告も行います。また、ここでは前回の会議で、参加者から受けた課題に対する対応策(決定事項)の実施評価も行います。例えば、あるご家族の方から、職員が記録する連絡帳の内容が、家族の求めるものになっていない、具体的な記録が少ない、といったご指摘を受けて、連絡帳の記録マニュアルを作成することと、連絡帳の記録についての専門職としての目的・意義・留意点を確認する勉強会を開く決定事項を行います。その実施した2ヶ月後の評価をここで改めて受けるのです。改善して良くなった、と支持されることもあれば、まだ、不満があると再調整を求められることもあります。無論、参加者の言い分を一方的に呑み込むだけではなく、それが出来ない事業所の事情も説明し、構成員の方にも主体的にその対応策を考えていただくようにしています。このようにして、連絡帳の書式が改善されたり、新たなマニュアルが完成したり、職員の研修会開催の機会に繋がるなど、事業所のサービス・ケアの質の向上に繋がる話し合いがなされています。運営推進会議もご多分にもれず、会議の基本は、物事を決定することと、決めごとに対する評価を絶えず行っていくことにあります。その基本を常に意識しながら会議の運営を行っております。
 そして、会議の進行に当たって、一番私たちが心がけている点は、事業所職員ばかりが話しすぎないことです。参加者の話を聴くことを常に心がけます。ですから、「質疑応答及び意見・要望の拝聴」に多くの時間を割いています。そこでは、家庭で介護をされているご家族の苦労話や、介護者の思いを聞くことができ、事業所職員もそのことで、家族の気持ちや、自分たちが今まで知らなかった自宅での利用者の様子をうかがい知る事が出来ます。ここでは、利用者・家族⇔事業所・職員の単純化した対立関係の構図に陥らないよう地域包括支援センター職員、行政職員、地域住民に敢えて意見を求めるようにもしています。かてて加えて、地域住民と事業所の対立構造が防げることもあります。実際に地域の絆であった事例ですが、運営推進会議以外の場で、自治会長に避難訓練を事業所と自治会で協働実施したい旨のお願いをしたところ断られていたのが、運営推進会議の場で、家族や行政、地域包括支援センター職員の意見をいただきながらお願いしたところ、ご承諾いただけたこともありました。
 また、運営推進会議のもう一つの目的である地域住民と行政、専門職、利用者・家族による協働のまちづくりの視点を鑑み、「地域の課題について」の議題を毎回設けるようにしています。この議題を設定しなければ、事業所におけるサービス・ケアの質の向上のみの議論に終始し、単純な、家族会との協議の場と化してしまうからです。
 ここでは自治会長・民生委員の方を中心に、地域活動をしていて困っていることをお話いただきます。それに対して、地域包括支援センター職員や行政職員が、助言を行ったり、要望として持ち帰られることもあります。例えば、一人暮らしの90歳の女性が、介護保険のサービスを利用したいと要望があるが、自立判定が出ているためサービスが利用できないケースがあるとの民生委員の発言に対して、近くにふれあいプラザがあり、毎週火木土の9時〜16時まで開所しているので、是非利用してもらいたいと行政の方からの意見が出ることや、そのようなケースで地域包括支援センターの訪問が開始されることもありますし、小規模多機能の市町村独自加算を開始することで、小規模多機能以外の外部サービスが利用できなくなっている苦悩を行政職員に家族が話されることも見られます。
 運営推進会議における直近の目的は、事業所内外におけるネットワークの構築にあります。そして、地域の中で生活課題を抱える利用者を支援するためにも、ネットワーク構築の成否は、我々の生命線です。是非とも、運営推進会議を外へのネットワーク作りの礎にしたいものです。


図1 地域の絆における 運営推進会議の構成

会議の目的の第一義は、「決めること」ですが、その次に大切なことは、「実行」し、「評価」するということです。特に、「評価」を忘れないようにしたいものです。

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中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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