小規模多機能型居宅介護には、4つの機能があると言われています(図1)。医療依存度の高い方や、認知症の方の在宅支援を行うためには、きめ細やかで、臨機応変な対応が求められます。そういった支援を具現化するために、4つの機能を有機的・総合的にサービス化していくことになります。
大切なことは、これら4つの機能を縦割り、細切れに提供しないと言うことです。小規模多機能型居宅介護が制度化された経緯を鑑みても、4つのサービスをすべて顔なじみの利用者・職員、施設の中で、受けることが求められていますし、30分単位の訪問介護や、6〜8時間の通所介護と言った硬直化したサービスではなく、本当に必要なサービスを必要な時間だけ提供させていただく柔軟性や、その柔軟化した4つのサービスを更に柔軟に一体的・総合的に提供していくことが望まれます。
制度の創設当初に比べるとあまり見受けられなくはなったものの、「通いサービス」のことを「デイサービス」、「訪問サービス」のことを「訪問介護」、「宿泊サービス」のことを「ショートステイ」と表記されている事業所パンフレットをたまにお見かけします。この表記は正確でないばかりか、利用者・家族、またはそこで働く職員の意識に大きな誤解を与えることに成りかねません。また、これらの4つのサービスについての「定義」は、厚生労働省の省令や解釈通知といったものにも一切表記がありません。つまり、「通所介護」や「訪問介護」、「ショートステイ(短期入所生活介護)」の様な、サービス内容や時間等における細かい制約がないものと受け止めることができます。
通所介護で言えば、4〜6時間、6〜8時間といったサービス提供時間に準じて報酬単位数の設定が成されており、6〜8時間というサービス提供時間内に、医療機関への受診や、定期的な買い物等の外出は原則禁止されています。6〜8時間というサービス提供時間内に、介護報酬に該当するサービス以外のサービスを受けることは想定していないためです。しかし、小規模多機能型居宅介護の「通いサービス」は違います。2時間でも「通い」であるし、10時間でも同じ「通い」の扱いになります。そのため、帰宅願望のある認知症の方が一旦帰宅してから、再度通ってこられたり、近隣の利用者が自宅と事業所を何度か往復されるなど、一日複数回の利用が可能となります。かてて加えて、「通いサービス」を利用中に、事業所を抜けての診療受診や、買い物等への定期的外出も可能となるわけです。
地域の絆の利用者の方で、サービスの利用を拒否されているものの、軽度から中等度の認知機能の障害で、専門職による支援が必要な方がいらっしゃいました。初めは「訪問」から開始し、職員との関係性を一定程度構築できた時点で「通い」を開始しようと試みましたが、お迎えに伺っても当日になると拒否され中々上手くいかないケースがありました。見守りで少し様子を見ていると、本人が困られた際食事や入浴を目的に、自身で押し車を押して来所されるようになりました。この場合のケアプランの位置づけでは、「通いサービス」の提供頻度は、「ご本人の気の向いた時」とさせていただきました。このような「通い」の在り方も可能となります。また、地域の絆では、事業所ごとに年3〜4回の地域行事の運営を行っており、その際には、全登録利用者(25名)や家族への参加を呼び掛けています。緊急時や、「登録者全員を集めて催しを兼ねたサービスを提供する場合」(解釈通知)は、「一時的にその利用定員を超えることはやむを得ないものとする」という厚生労働省令に基づいたものであり、「通い」「訪問」「宿泊」における定員を硬直化させないことで、臨機応変で、柔軟なサービスの提供が可能となります。
何度も述べるように、事業所運営においては、これら4つのサービスを一体的に提供する視点が重要になってきます。あくまで、稀に耳にする話ですが、「訪問サービス」の職員を専属で訪問要員としてのみ配置している事業所もあると聞きます。これでは利用者の生活の全体性を捉える事が困難となり、情報共有の不備や、職員意識の混乱を招く結果となりかねないと考えます。「通いサービス」「訪問サービス」「宿泊サービス」の人員を専属で配置する必要はなく、時間帯に応じて、それぞれ決められた人員配置を行うこととされています。日中の人員配置においても、「それぞれのサービスに固定しなければならないという趣旨ではなく、日中勤務している小規模多機能型居宅介護従業者全体で通いサービス及び訪問サービスをおこなうこと」(解釈通知)とされています。
また、地域の絆では、提供した4つのサービス内容を一体的に把握するため、サービス毎に記録を分けていません。「通い」「訪問」「宿泊」「支援」(ケアマネジメントかかる内容)と項目欄に記載するだけの区別で、利用者生活の時系列に合わせて1枚の記録用紙に記入するようにしています。
このように、�〕�用者の生活の全体を捉え(身体的・精神的・社会的な視点で行う)、�⊆匆饑験莨紊離法璽此丙い辰討い襪海箸簗槁犬箸垢襪海函砲鯒聴�し、��4つのサービスを柔軟に、かつ一体的に提供して利用者の在宅支援を実践することが、私たちに課せられています。
図1 小規模多機能型居宅介護における4つの機能を有機的・総合的に運用を!
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