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NPO法人 地域の絆

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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

『小規模多機能型居宅介護における広報・営業活動のあり方��』

2010/07/15 12:00:00  地域密着型サービス
介護保険事業には、「コミュニティ・ビジネス」としての側面があると思います。
 前回叙述した通り、小規模多機能型居宅介護(以下「小規模」)の営業先の定義は、�ゝ鐶隹雜郢抉隋憤焚次峙鐶陝廖法↓�地域包括支援センター、�0緡典ヾ悄↓っ楼莉嗣韻箸覆襪海箸�理解されます。因みに、地域の絆における実際の「利用申し込みを受付けた先の割合」は下記(「表」)の通りとなります。「小規模」とは円滑な連携が取れていないと、評されている「居宅」からの紹介受付が50%強を占めていることが分かります。しかし、それ以上ではないことも注視しなければなりません。残りの50%弱は、地域包括支援センターや、医療機関、地域住民からの紹介受付の実績があります。特に、一番古い事業所でも開設後3年4カ月の実績しかない現状を鑑みれば、地域住民への認知度が高まることで、今後は、「居宅」以外のカテゴリーからの紹介も伸びるものと期待されます。
 それでも、「居宅」からの紹介実績が「ある」のは事実です。前回でも少し触れましたが、「小規模」と「居宅」は、「競合」の関係にあると指摘をされる方々がいらっしゃいます。それは、「居宅」が「小規模」へ利用者を紹介すると、「居宅」の利用者数が減るという観点からであり、一側面の捉え方としては間違った見解ではないと考えます。しかし、それが全てではないことも、ここで付言しておきます。私たち福祉専門職の営みは、全てがビジネス思考でなされているものではありません。介護保険サービスは、経済学で言うところの「準市場」に該当するように、「事業性」のみならず、「社会性」や「志」の部分で多くの専門職は懸命に働いています(「図」)。つまり、「利用者本位」の視点で、適切な機関や、サービスに繋いでいくという専門職本来の「社会性」と「志」を大切にしている専門職が、現場には多く存在するのです。彼らの専門職としての期待に応え得る実践を、私たちの「小規模」で実践できているのか、実践しようと日々努力しているのか、その姿勢が問われているのではないでしょうか。専門職は、「事業性」だけでは動きません。だからこそ、「小規模」の運営方針やその内容が、「利用者本位」なものであるのか、確かな「社会性」や「志」を持っているのかが、評価の対象になると私は考えております。
 広報手段としましては、ホームページや、パンフレット、広報誌を活用しています。ホームページでは、法人の運営理念や方針が「明確に」伝わる内容を心がけています。代表理事のブログも設定し、法人の今後の方向性や、現状についての思いを吐露させていただいております。利用者の紹介を主目的としているのではなく、私たちの理念や実践情報を広域に公開していくことで、同じ志をもつ人たちとのネットワークの構築に繋げていきたい意図から運営しております。その意味においては、本誌の掲載を通して、広くネットワーク構築の呼びかけも行ってもいるわけです。日常生活圏域が定められている地域密着型サービスにおいては、利用者紹介のための広域な広報自体が無意味であると考えますので、ホームページでは、全国における専門職間のネットワーク構築を第一義に掲げております。むろん副次的には、他府県からの利用申し込みで、数名の方が利用開始に至ったことや、職員採用時においても、ホームページを見て応募したと言っていただける方が増えています。
 パンフレットについては、職員がパソコンで作成した手作りのものを活用しています。そこには、前号より如上で述べた具体的な運営方針が明記されています。最大登録者数が25名であることを考えても、印刷会社に依頼するとコスト高となってしまいますので、「手作り」のパンフレットを活用しています。「手作り」にもメリットがあり、状況に応じての常時の更新が可能となります。営業先の反応や、利用者・地域住民のニーズに応じて漸次更新を行うのです。
 より具体的な日々の実践についての伝達方法としては、広報誌を活用しています。営業時には、パンフレットと広報誌の双方を先方に提供することとします。広報誌では、事業所職員の実践紹介はもちろん、地域住民のコメントや、子ども会の「案内文」を広報誌の中に掲載するなど、広報誌を「つくること」自体が地域住民に対する「広報」の役割を担ってもおります。
 「社会性」や「志」を大切に活動することで、広報戦略上、有利なことがあります。マスコミとの関係性です。現政権が打ち出す「地域主義」の理念や、コミュニティ再生、地域福祉の推進等は、社会的なニーズに対する実践です。そのことを念頭に、具体的な実践を行うこと、また、その情報自体は、広く地域住民にとっての有益な情報となります。それはすなわち、マスコミが取り上げたい「題材」となるのです。その甲斐あってか、地域の絆では、3年4カ月の間、新聞・テレビ・雑誌等に枚挙にいとまがないほど取り上げていただきました。それが、直接ではないにせよ、利用者の紹介受付に繋がったことは言うまでもありません。
 また、場所によって、「小規模」自体の認知度が低い地域もあるようです。そういった場合は、自法人・自事業所のみのことを考えての広報・営業活動ではなく、地域における「小規模」の役割・機能を念頭に、広報活動を展開することも重要な戦略となります。当法人では、代表者である私はもちろんのこと、各事業所の管理者までもが、地域の中で、「小規模」に関する講演の依頼に積極的に応え、活動しております。まずは、「小規模」の強みを相対的に理解していただく必要があり、その後、法人独自の特徴をアピールする流れが要諦であると考えています。
 これは、決して綺麗ごとで申し上げているのではありません。「公益」な活動と、「私益」な活動はどこかできっと、繋がっているものです。

「社会性」と「志」を持って、広報活動を実践しましょう!

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中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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