4月17日のブログで、原子力の研究開発に傾注してきた日本のエネルギー政策について以下のように触れました。
「素人が把握している限りでは、原子力開発には多大な開発コスト(10年前は全体の90%以上と聞いていました今は勉強不足です)がかけられていますが、その割合の半分もしくは、三分の一でも、波力発電や、風力発電、太陽光発電に投じるべきでしょう」。
本日目に留まった新聞では、米環境シンクタンク・アースポリシー研究所代表のレスター=ブラウン博士のコメントとして、「日本政府は原子力の研究開発には年間23億ドルの投資をしているのに風力には同1千万ドル、地熱の研究開発への投資はほとんどゼロだ。原子力のための資金を再生可能エネルギーに回せば、多くのことができる」※と掲載されています。風力発電の研究開発費は、原子力のそれの0.43%に過ぎないという指摘です。ジャーナリストを志していた十数年前と比べて、殆ど代わり映えの無い偏向した状況に今もあるようですね。
そのことが理解されたのと同時に、自然・再生可能エネルギーの開発において我が国が大きな後れをとっていることを本紙は示しています。太陽光発電の設備容量は、ドイツが全世界の47%を占めており、次がスペインの16%、第3位に我が国が13%を占めています。第3位を喜んでいてはいけません。かつて我が国は世界第1位の座にありました。風力発電においては、設備容量の日本のシェアは1.2%なのだそうです。
私の記憶の範疇において、20年ほど前から自然エネルギーが全世界的に着目を集めその開発が熱心に進められてきたのだと認識しております。その折から、二酸化炭素を発生させない、石油や天然ガスに依存しないエネルギー開発の在り方は求められており、日本のエネルギー政策は原子力開発一辺倒に傾注してきたのでしょう。
私も組織の経営者ですから、問題が生じた際は、その要因を多面的に分析し、その対応策を講じることが第一義であることは身に染みて実践している身です。これは国家レベルにおいても同様の検証が求められているのでしょう。なぜこのような事態が生じたのか。是非とも多面的な要因分析を行い、未来のエネルギー政策の在り方に活かせて頂きたいと考えます。でなければ、今福島県内で、原発の脅威にさらされている住民の思いは間違いなく反故にされることでしょう。
もう一つ注視する点があります。この度の震災で、風力発電装置の多くは無傷で、原発付近で放射線汚染の恐れのある地域にある発電所以外は、現在もフル稼働しているとのことです。自然・再生可能エネルギーの装置は、災害にも強いことが証明されているようです。
「地震と津波で原発や大型の火力発電所が大きな被害を受けたのに対し、風力発電装置は地震の被害をほとんど受けず、多くの風車が、直後から発電を再開した。
風力発電最大手のユーラスエナジー(東京)は、大きな揺れに見舞われた青森、秋田、岩手、福島の東北4県に10カ所の風力発電基地を持つ。
地震直後にはすべてが停止したが、発電装置への損傷はなかった。
(中略)電源開発(Jパワー)が青森、秋田、福島の3県に持つ4カ所の風力発電所でも発電設備への影響はなし。
(中略)福井市の三谷商事が昨年、茨城県神栖市に建設した日本初の本格的な外洋洋上風力発電所も地震や津波の影響が心配されたが、被害はなく、フル稼働中(中略)。
また、太陽光発電協会によると、屋根に置く太陽光パネルなどは、送電線などが壊れても、装置自体に異常がなければ、ほとんどの機種で『自立運転』という形での利用が可能。自立運転用のコンセントを使って、停電や災害の時に、携帯電話の充電、冷蔵庫やテレビなど家電製品の利用が可能だ」※。
この様に社会構造の大局を見ながら、一つの事象を捉えなければ物事の本質は見えてきません。ソーシャルワーカーに今最も必要な視点の一つではないでしょうか。
※『京都新聞』2011年5月4日
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