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NPO法人 地域の絆

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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

2012年 年頭の辞

2012/01/01 12:00:00  社会福祉
知人に頼まれて、先ほど撮った写真です。今年もよろしくお願い致します。


 皆さま、新年明けましておめでとうございます。

 と言いながらも、旧正月をお祝いする文化の国々や地域があることを鑑みれば、今日はそれほど特別な日ではないのかも知れません。「2012年」と書いてしまいましたが、ご存知の通りこれは飽く迄西暦を基にした年数であり、例えば、世界中には、ヒンズー暦やイスラム暦、チベット暦、エジプト暦、中国暦や和暦などが数多存在し、それぞれ独自の年数を有しています。であれば、2012年と言う数字もあまり重要な意味を成さないのかも知れません。

 毎年この時期になると、いつもこの様な事を考えてしまいます。捻くれ者の証なのかも知れませんね。しかし、それでも尚臆せず思うことは、例えば、イギリス語の世界共通語化。この一言語がなぜ、世界共通語の地位に君臨しているのか。如何なる経緯で、どのような手法によってそれが成されたのかは、歴史に然程あかるくない私にも容易に理解が出来るところです。生まれながらにして母語として世界共通語を有する民族と、我が国のようにそうではない民族がいることに対する不公平感は、論理的思考レベルの高い知識人によって旧来より指摘され続けてきたことです。

 社会福祉専門職は、社会から排他・排斥されている、されそうになっている小さな声を丁寧に掬い上げて、大切に守っていくべき専門職であると私は認識しております。日本で有数の食品メーカーの社長が、(社内における)少数派の意見を大切にするべきだ、とおっしゃられているようですが、原発の問題に見るように多数派の意見が必ずしも正しくない社会において、少数派の意見を守り、代弁する社会福祉専門職の営みは、社会の真なる発展に大いに寄与することでしょう。

 但し、少数派の声に耳を傾けるためには、画一化された社会の価値規範を一度は疑ってみる必要があると私は認識しています。それが、冒頭の問題意識であり、一年に一度、私はこの時期に強く行っていることを吐露させて頂きました。大時代と笑われてもいい。死ぬまで、この様な問題意識を持ち続けたいと決意の意を固める日でもあるのです。

 その様なことを鑑みながら、世間一般的な年頭の挨拶を述べたいと思います。基本的に私は、自身の人生を振り返ることがありません。意図してそれをしない様にしているのかも知れません。今年一年の抱負を語ったり、思い描いたりしても、一年後の自分はやはり想像できないものです。逆に考えれば、一年前に想像した今の自分と、実際の自分には整合性が殆どありません。一年後の自分がどうなっているのか、あまり想像が出来ないのです。またそこには、将来の自分を型に填めたくないといった潜在意識もあるのかも知れません。敢えて、想像しない様に機能している所もあるでしょう。

 しかし、私には一生涯に渡って成し遂げたい大きな夢があります。そこだけは、命尽きるまでに何とかしたい。その情熱だけで今を生きている気がしています。つまり、人生における大きな夢や理想、目的を掲げることは非常に重要であり、そこから全てが始まると言っても過言ではないでしょう。そこだけは、今年も一年大いに大切にしていきたいと思います。

 そして改めて昨今感じることは、目の前の大小の躓きや、失敗、困難、過ちと真摯に向き合うことなくして、その成就はあり得ないということです。私の座右の銘は、ピンチはチャンスですが、大きな夢や目標に近づくためには、真摯に一つずつ日々積み上げていくしかない。例えば、競馬調教師の藤澤和雄氏は、「勝利に近道はない」と表して、―――貯金箱と同じで、少しずつ小銭を入れていって、ある時、「あっ、こんなに貯まってるの?」といった感じ。沢山あるときにごそっと入れても駄目だ―――、と語られています※1。続いて、歌舞伎役者の坂東玉三郎氏も、「遠くを見ない、明日だけを見る」と題して、―――1日1日を大切にやってきて、50年がたつ。1日1日を大切に一生懸命やっていくしかない――、と仰られています※2。遠くを見なくても良いとは自身は考えませんが、遠くを見据えながらも、毎日今出来る目の前のことを懸命にやる。その積み重ねにしか、夢に近づく方法はないと自身は考えています。今年もその姿勢を大切に精進したいと思います。

 今年の、いや、毎年における私の抱負としては、この場をお借りして、以下のように吐露しておきたいと考える次第です。

 来年の今頃はどの様な自分でありたいかを想像することは不毛かも知れない。それよりは、人生の目標、生きる目的を設定して、その夢と理想に向かって飽くなき姿勢で日々ひたすら頑張って行くことが重要なのではないか。嬉しいこともあるが、面白くないこと、悲しいことが目の前に起こったとしても、決して黙殺することなく、逃避することなく、大きな夢を胸に、そこにコツコツと真摯に向き合っていくことが何よりも尊いことである。

 残念ながら、毎日の生活の中で、達成感や充実感に浸っている余裕とゆとりは今の私にはありません。また、その必要性も感じてはいません。10代の頃から私はこう思って生きています。自身が今何処まで頑張ったのかや、将来どんな自分になれるのかは、人生を全うするその日に振り返って考えれば良い。



 ※1 競馬調教師 藤澤和雄氏「プロフェッショナル 仕事の流儀」NHK(2007年5月15日放送)
 ※2 歌舞伎役者 坂東玉三郎「プロフェッショナル 仕事の流儀」NHK(2008年1月15日放送)



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中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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