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NPO法人 地域の絆

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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

二度目の韓国訪問��

2012/01/11 12:00:00  社会福祉
カトリック大学の入口にて。
 9月8日は一日観光に充てられました。北朝鮮との軍事境界線を中心に南北各2kmずつの計4kmに及ぶ非武装地帯(demilitarized zone)を訪れました。現在も兵役のある社会構造が、韓国の民衆に与える影響を慮りながらの見学でした。

 翌9月9日、韓国でも有数(職員さんのお話では3本の指に入るとの言い回しであった)の社会福祉学科があると言われているカトリック大学へ訪問させて頂きました。本大学は、海外の社会福祉系大学の見学を多く受け入れている実績を有しているそうです。大学では、まず、社会福祉学科教授の金 宗海(キム=チョンヘ)氏に韓国における老人長期療養保険制度(以下「介護保険制度」)についてその概要をご講義頂きました。要旨は以下の通りです(※以下は、中島の解釈)。

介護保険制度創設の背景
・高齢者の急激な増加⇒医療費と介護費の負担増⇒家族介護の限界
2000年 高齢化率7%
2019年 高齢化率19%
2026年 高齢化率20%
フランス154年かけて、日本は34年かけて、韓国は26年かけて高齢化率7%-20%へ移行する。

介護保険認定申請対象者
65歳以上及び老人性疾病を持つ64歳以下国民(保険加入者+医療給付受給者)

給付対象者
6か月以上一人で日常生活が出来ない者として、長期療養等級判定を受けたもの。
財源=保険料+国庫支援+本人一部負担金
本人負担⇒国民基礎生活保障受給者:無料
     在宅給付15%・施設給付20%
特養⇒一日約300単位
入浴介助は同性介助。
※そう言えば、現地ガイドの勧めで体験したアカスリも同性施行であった。
福祉用具のレンタルの基準⇒日本の場合は、排泄や入浴に関する衛生上配慮の必要なものはレンタルの対象外となるが、韓国の場合は、豪華なものは販売といった考え方に依拠している。

特別現金給付
月15万ウォンの現金支給。
島嶼部や僻地などサービスが不足な地域に居住するなどで大統領が認める場合その対象となる。

訪問調査(看護師か社会福祉士で構成された公団職員)
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�⇒澣當敢差猝�
日常生活機能と社会生活機能、生活環境部門等を調査。

専門職の人手確保と人材育成
⇒処遇に問題がある。

国民健康保険公団⇒サービス管理・等級判定。
基礎自治体⇒施設設立登録・強化を指導。
⇒指定者と管理者が、分かれていることに課題がある。

介護保険指定事業者
株式会社は認められない。非営利組織であれば認められるのだが、非営利組織なのに実態は営利を目的としているケースが多いので対応に苦慮している状況がある。

療養保護士
⇒正規職員ではなく契約職員が多い。その70%が月収8万円程度。
⇒契約職員は退職金・社会保険料は個人負担。95.5%契約職員。

その後広大な学内を見学させて頂きました。その際の様子も如何に記しておきます。

・常時400人の留学生を受け入れている。
・学食2800−3000ウォン(約210円)。
・70%がソウル在住の学生、30%が地方在住の学生。
⇒30%の学生に対して、寮が必要となる。
・障害者専用の寮の居室がある。
⇒入居される障害者は、聴覚・視覚障碍者は少ない。知的障害者もいない。後天性の障害者が多い。
※後天性障害者の方が、“学歴意識”が高いからかも知れない。
※日本の大学では考えられない設え、福祉が進んでいるという観点ではなく、教育が進んでいると捉えるべきかも知れない。
・宗教にはこだわらない。
・7000名の学生に対して、先生を含めない職員が120名いる。
・学内図書館。全校生徒の約4分の1が絶えず座れる席数を設けている。図書館は24時間開館している。
・English onlyのフロアやスペースが設けられており、日本の大学以上にイギリス語教育に熱が入っているのが伺える。

 学内見学後は、再び講義室にて、講師陣及び大学院生との意見交換のお時間を頂戴しました。

大学院生A(修士課程)(社会福祉士として老人福祉療養施設長として勤続中)。
施設離職率について
施設によって差がある。高いところと低いところがある。専門職の人手が足りないことは無い。
⇒なぜ、施設によって差があるのか?
⇒給与の差が一番主な問題。社会福祉は非営利から営利化されたので、最低の人件費となった。給与以外の問題では、施設長が部下に対する暴言によって辞める例がある。
基本給という給与を出して、入所者の数によって手当をもらっている。入所されている方々が少ないと手当てが少なくなる。利用者が多いところは国からの支援金を利用者数に按分していただける。そのお金は職員の賃金に反映されなければはらないはずなのに、営利目的に資金が活用されている。
社会福祉として誇りをもって入っているが、一番我慢できないのが施設長による暴言。
順序としては、�〇楡瀋垢遼集澄/由陛�に待遇されていないこと、��給与の低さにある。
施設長になるための学歴・資格は特にない。
⇒施設長はお医者か、看護師出身者、社会福祉士の資格を3級以上を持っていればよい。

社会福祉士は離職率が低い。社会福祉士の方が療養福祉士より給与が高い。
⇒施設が僻地にあったので、社会福祉士も療養福祉士も退職した。
⇒社会福祉士の離職率は施設による。
⇒給与は、社会福祉士と療養保護士の業務内容や専門性が違うのに、実際の業務内容は分かれていない。

高齢者虐待について
各講師陣
表面化されたものは無いが、全く無いとは言えない。

講師B
介護保険制度の課題について
介護保険は成功報酬でやったら、収入減になる。そこが韓国でも問題になっている。介護度が改善すれば、施設の収入が減る。
※日本は7等級あるので、軽度者のフォローが可能である。韓国は3等級しかないため、3等級でなければ、援助はゼロになるので、ぎりぎり3等級に認定されなかった方の支援に課題が残るのではないかと認識する。

日本は、在宅サービスの種類が非常に多いが、韓国は少ない。
⇒軽度者は施設に入ることが出来ず、病院に入院するようになる⇒結果医療費が高騰する。

一般病院
患者7名に対して、1名の看護師の配置基準がある。かつ患者は、14日間で退院しなければならない。

介護保険の病院(療養型病院)について
質問:儒教文化なので、親を施設に入れることに抵抗がある。病院だったら入れても良いという考え方はあるか?
⇒施設に親を預けるのは親を捨てたと認識されるが、病院なら親を行かせたとなる。病院の方が自己負担が多い。それでも、本人も病院なら親孝行を受けていると思って進んで入院するケースも多い。
⇒一昨日の施設でのお話と矛盾している。

社会福祉士カリキュラムについて
質問:日本と韓国は異なっている。日本の方は老人福祉といえばサービスに集中した内容になっている。地域福祉論では、地域の開発を行うことが入っている。建物の在り方を見れば、韓国はコミュニティを重視していないのではないか?マンションの乱立化、孤立化や密室化が進んでいるのではないか?
⇒マンションの外観は似ているが、内装は間取り等が一部屋一部屋オーダーが出来るようになっている。
韓国は隣近所の方へは関心を持っている。日本人は自分の事しか考えないでしょう?アパートはむしろ人口密度が多いので、そこでの孤独や虐待はあり得ない。

施設の事故防止策について
療養施設で24時間ケアをしているので大丈夫。家族に損害賠償請求をされることがある。入所時に損害賠償保険に入っていただいて説明をしているため、施設や職員が悪いと責められた際、その損害賠償保険で対応することにしている。

 翌日9月10日の早朝、私は一人で金浦空港から羽田空港へと飛び立ち、皆様より一足早く帰国しました。10日の午後から東京で行われる会議に出席するためです。

 振り返って考えれば非常に密度の濃い6日間でした。このような貴重な機会を与えて下さいました日本人間関係学会の皆様には改めて深くお礼申し上げます。

 我が国においても、建前と本音を使い分ける文化が存在しますが、本音は幾ら隠しても全て隠しきれるわけではありません。これだけの情報化社会です。結局は、周知の事実となるのが定説です。ところが、韓国での数日間の経験では、私の感じるままに言わせて頂けば、本音が明確に見えているにもかかわらず、敢えて異なる建前のお話が成される場面が非常に多かったように思われます。大学院生A氏のお話は、その意味において、6日間では特別新鮮味のあるものでした。

 どのような感覚を持って、高齢者虐待が限りなくゼロであると言い切れるのか、施設入所者の多くは喜んで入所をされていたり、マンション化が進む地域のコミュニティが維持されているなどのお話は、何を根拠に話されているのか、若輩には理解ができない部分が多々ありました。

 それもそのはず。たった2回の訪問では、何も分からないに等しいですし、何かを分かった気になる事ほど恐ろしいことはありません。物事は、関われば関わるほど、学べば学ぶほど、不明な点が止めどなく溢れ出て来るものです。学べば学ぶほど、自身の無知さを思い知らされ、であればこそまた学ぶ。それを繰り返すことでしか学びを深めることは出来ないと認識しております。さあ、明日からまた学ぶぞ〜!



白熱した意見交換会

パソコンでメモを取りながら…。

 さて、何から質問しましょうか。

何か意見を言いたげな…。

山中さんと相談して…。

 それから意見を言いましょう!

日本人間関係学会の認定証を頂きました。

 三好先生及び皆様方、大変お世話になりました。随分時間が経ちましたが、この場をお借りして深くお礼申し上げます。

非武装地帯(DMZ)案内館


 平和と戦争について改めて考えさせられました。


北朝鮮へ繋がる路線駅

“兵隊さん”と記念撮影

 恐る恐る頼んでみたところ、快く承諾頂けました。

有名な?お豆腐

 この地域では美味しいお豆腐が作れるのだとか。確かに美味しかったです。


巨額の資金が投じられた建物

 エレベーターはガラス張りです。

学内のカフェ

ファミマと銀行

学内English onlyのcafe

 日本以上にイギリス語教育であるようですね。

学内English onlyのcafe

フィットネスもあります!

 写真は撮れませんでしたが、日本の民間フィットネスクラブと同等の規模を有しています。


学生寮に身障者用の部屋が用意されています。

 日本の大学の学生寮に、身障者用の部屋が用意されている事例は今まで聞いたことがありません。日本よりも福祉が進んでいるのか?

 若輩の類推では、福祉ではなく、教育が“進んでいる”のではないかと思っています。

学生寮の居室

夜は修了式

 美味しい焼肉屋さんで、修了式を…。

皆さん 良い人ばかりで、本当に感謝・感謝!!

金浦空港周辺の高層住宅

 縦に伸びる住宅では、高齢化が進んだ際、大きな課題が生じます。またコミュニティの希薄化も想定されます。

 このような設えが非常に多い韓国でした。そのコミュニティや如何に。


翌日の早朝。一人金浦空港へ。

 ツアーの最中に一人だけ、一日前倒しで帰国しました。東京で会議があるため、金浦空港から今度は羽田に飛びました。

早朝の金浦空港。朝6時。

学びの多い時間に感謝

 この度もかけがえのない経験を有難うございました。すべての人に感謝。

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中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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