衆議院解散後、津々浦々で激しい選挙戦が繰り広げられています。この度の衆議院選は、12月4日公示、同16日の投票。違憲状態とされている衆議院「1票の格差」は是正されぬまま、この度は今の区割りで実施されるのだとか。
細かな点を鑑みれば際限がありませんが、この度の選挙に関して、大きく2つのことを今考えています。
第一に、「全ての国民を守る」視点がそこにあるのか否か。ここでは特に「全ての」の部分に拘りたいと考えます。政治の存在意義とは、自助努力では自身の生活を守れない人々を守ることにあると自身は信じています。経済・競争至上主義の現下の社会において、自助によって十分に自身の生活を守ることが出来ている人々ではなく、むしろそうではない人々に焦点を当てた実践が求められているのだとそれを信念として持っているわけです。それが出来なければ、政治は要らないと。であれば、医療・福祉等の社会保障は、その大きな切り札となるはずですから、そこを抑制・減退させることは政党・政治家としてはあり得ない提言であると認識致します。この視点で見れば、選挙前に合従連衡の如く政党が再編されているようですが、明らかに大きく二つに仕分けをすることが可能となります。福祉専門職としては、どちらに投票行動を起こすべきかは然程難しくは無いはずです。
因みに、野党第一党の政権公約をホームページで拝見いたしました。「生活保護制度については、真に必要な人に生活保護が行きわたるとともに、納税者の理解の得られる公正な制度に改善し、国民の信頼と安心感を取り戻します。そのため、自助努力による生計の維持ができない者に対する措置ということを原点に、不正受給への厳格な対処とともに、生活保護水準や医療費扶助の適正化、自治体における現金給付と現物給付の選択的実施、自立や就労の促進など必要な見直しを早急に実施します。生活保護水準については、勤労者の所得水準、物価、年金とのバランスを踏まえ、生活保護の給付水準を10%引き下げます」。
不正受給の取り締まりを強化するあまり、この生活保護制度の本質を見失っている様にも見受けられます。いや、不正受給を理由にこの制度を骨抜きにする狙いがあるのではと疑ってみたりもします。この「政権公約」は、「(案)」と付記されていますので、公示までの間に書き換えられることを切に願います。
二つ目は、投票行動の基本は、消去法であるとの見解です。よく、今がもうドン底だから、これ以上は悪くはならないだろうという言葉が聞かれますが、そんなことは断じてないと思っています。民主党政権においてもそこには功罪の功もあったはずです。誠に残念なのは、政権交代を果した理由の第一義たるマニフェストを反故にしたことでしょう。当時の民主党のマニフェストからは、確かに「全ての国民を守る」気概が読み取れました。しかし、現民主党のマニフェストは27日に発表されるそうですが、内容を聞かずともそこからは大きく乖離したものとなるでしょう。
ここで申し上げたいことは、今よりも更に悪化することを前提に、支持政党及び候補者を考えるべきだということです。ベストではなくベターで選択するという見解もよく耳にしますが、ベストもベターも中々見当たらないのが今の政治ではないでしょうか。であれば、もう少し現実的に、これ以上悪化させないためにどの政党及び候補者を支持するべきかとの視点も重要です。
その際のこの「悪化」の指標は、先ほどから申し上げております。自助では、自身の生活を十分に守ることが出来ない人々を守ろうとしているか否かにあります。エンパワメントやストレングスモデルの視点で考えれば、「守る」という表現は受動的で適切ではないとのご指摘もあるかも知れませんが、福祉専門職としてではなく、政治の役割としてはまさに「守る」べきだと認識しています。極論、それすら出来ない、しないのであれば、この世は全て自由競争で良いわけで、政治も行政も不在に等しいわけですから、その存在意義すら疑わざるを得ません。
ソーシャルワークのmissionとも言われている権利擁護。そこには大きく二つのことが言われています。端的に申し上げますと、�仝⇒�侵害から守ること、そして、防ぐこと、�⊆�己決定を最大限尊重することです。これらは多く専門書にも、教科書にも書かれていることです。しかし、最も大事な事は、社会変革にあります。そうです。ソーシャルアクション。自助で自らの生活を守ることが出来ない人々の、�,鉢△鮃圓Δ燭瓩砲蓮△修陵佑兵匆餞超�を整える必要があるはずです。そのためには、ソーシャルアクション及び結果としての社会変革が成されなければ、権利擁護は画餅に帰してしまうのではないでしょうか。こんなことは、小学生でも真剣に考えれば分かる事です。でも、パーソンセンタードケアの書物にもそのようなことは残念ながら書かれていません。私は、ここにケアワークの限界があると認識しています。これからのケアワークには、地域包括ケアが求められている訳ですから、そこにはソーシャルワークの視点がやはり必要になるものと思われます。
少し本論から逸れてしまいましたが、これから10年かけて、私たち福祉専門職は倍増することになります。労働者人口が倍増すると言うことは、選挙権も倍増する訳です。今後ますます私たちは力を有するようになります。その有する力を誰のために使うべきなのか。今から10年先を視野に入れながら今まさに熟慮するべきです。自助では自らの生活を守れない人々の一番近くにいる私たちが、その代弁者として声をあげるべき時が近付いている、そのような思いを胸に今これを書いています。
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