2008年8月9日某週刊誌の投書欄に投稿しましたが、掲載されなかったものです。
新自由主義の名のもと、市場競争の中で、忙しく人類の科学技術は進歩を遂げた。数年前には想像もつかない便利なシステムや製品が世に生まれ続けている。これはひとえに、人類が競争原理のもと切磋琢磨と仕事をしてきた結果であると私は思う。
競争原理は適度な緊張感を生み出し、人間の才能を最大限に引き出す効果がある。「勝つか負けるか」目前の一勝を勝ち取るために、多くの人は日々闘っているのである。
人類の進歩を考えた時、科学の進歩とそれは、反比例の関係にあるように思う。科学が目まぐるしく進歩していく一方、人の心はどんどんと貧困化している。便利な生活を享受している一方で、何か大切なものを失っているようである。
余裕がなくなるためか、競争原理社会の住人は、近視眼で非俯瞰的になりやすく、広い視野を持って長期の展望を考える視点が持てないでいる。
今社会に最も必要なのは、長期的で、俯瞰的な視点ではないだろうか。目の前の一勝を絶えず求められる競争社会では、生まれにくい視点である。
そのためには、競争原理における一見非効率で、無駄に思える取り組みが不可欠だと思う。目的地へ一直線と歩まずに、意図して遠回りをして目的地へと到達する。人々の心に、今まで自分では気付き得なかった新たな思いが芽生えるかもしれない。
その遠回りこそが、実は、人類進歩の最短の近道である気がしてならない。
コメント
コメントはありません