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NPO法人 地域の絆

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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

2014年 年頭の辞

2013/12/31 22:21:37  社会福祉

 毎年この時期に何が有り難いのか、「おめでとう」の挨拶をさせられます。このような事を冒頭に述べては元も子もありませんが、福島第一原発事故後の状況や特定秘密保護法の成立、アジア近隣諸国との不毛な軋轢、普天間基地の移設問題、TPPへの妥結に向けたお話、生活保護法の改悪等々。我が国においてかつて斯様な課題が山積した時があるのでしょうか。私の知る限りにおいて、史上最悪の年末とはこのことを指すのでしょう。この様な年末を過ごした直後の年頭の辞とあって、斯くの如き思いをぶつけるものとなってしまいました。深くお詫び申し上げます。

 題目に2014年とキリスト暦を用いましたが、イスラム暦では1435年、ヒンズー暦は1936年、仏暦では2557年となります。和暦を用いれば、平成26年となる訳です。また、中国の知人がfacebookにも書いていた様に、中国や台湾、モンゴル、ベトナム、韓国等では旧正月を祝う習慣があり、我が国も昔はそうだったはずです。よって、今日が何年の始まりなのか、また今日が年の始まりであるのかなどは、その民族や文化、社会構造によって数多考え方があることを毎年この日に確認をするようにしております。だから、この時期の何が「おめでとう」なのか自身にはあまり実感が無いのです。

 しかしながら、私の親族を含めて、なぜこの日が「めでたい」のか等如上の問題意識を持つ人が非常に少ないことも一方で自覚をさせられる日でもあります。過日のクリスマスでは、アメリカの友人のクリスマスについての書き込みが同じくfacebook上に見受けられましたが、日本人には全く縁も所縁もないクリスマスをなぜ我々は祝うのか。

 実はこの「行為」に対する「理由」についての議論や慮りが全くないことが、冒頭昨年末に立て続けて起こされた事故へと帰結するのでしょう。いわゆるthinkではなく、feelで物事を判断する帰結として。人々が考えなくなった理由は様々でしょう。やはりこれは教育制度の問題が大きいと自身は考えますし、この問題は我々から見た問題であり、他方特定秘密保護法などを成立させたい側から見れば問題である所か、成功裡にある事象であるとも言えます。つまり、物事を深く掘り下げて考えないオトナを教育しているのが、我が国の教育制度なのかも知れません。物事のインプットとアウトプットを繰り返すこと、そして、複数の選択肢から適切なものを選択する力を高めることに重きが置かれた教育。しかし、社会において最も大事なことは、自身の意見と他者との意見の相違や、その双方を大切に取り扱うこと、多様性や共生の在り方を学ぶことにありますし、選択肢の中から妥当なものを探すのではなく、選択肢を自らが創造する創造性や開拓性にあります。これらの教育制度が一因として、冒頭の事故が連発していることをもって見れば、これは明らかに国益を損ねている教育制度であると自身は考えます。

 そして、ソーシャルワーカーとしても、この社会にある多様性の理解無くして、クライエントの権利擁護は成し得ないと日々考えています。多様性とは、多様な思想の理解のみならず、多様な立場を理解することまで含まれると自身は解釈しています。アジア近隣諸国には、その人たちの立場があります。その立場を理解できぬ人間に、自らの立場を守ることは出来ないでしょう。ソーシャルワーカーは、クライエントの権利を中心に据えながらも、人々の多様な立場を理解する必要があります。その理解が、社会をあるべき姿に変革するのだと日々思って生きています。この世に、唯一無二の正義など存在しません。真実も決して一つではありません。正しいことによる支配と信仰を時に揺さぶり、その唯我独尊を緩和するのは、まさに多様性なのだと実感します。クライエントの権利が金科玉条であると思えば思うほど、その社会変革が遠のくように、ありもしない正義や真実を振りかざすたびに社会は閉塞していくのでしょう。

 今年は、多様性の尊重をテーマに過ごしてみようと丁度今決意したところです。



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中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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