第45回衆院選において、政権交代が実現した。各国のメディアを始め、日本のメディアの反応は例えば、「『09年8月30日』は後世、歴史年表に太い活字で特筆されるだろう。日本の民主主義の前進が、衝撃的な数字で示された」(『朝日新聞』2009.8.31.政治エディター根本清樹氏)とあるように、非常に「衝撃的」な取り扱いとなっている。まるで「改革」でもなされたような反応である。
しかしながら、福祉専門職の立場から静観すれば、自民党も、民主党も差ほど大きな政策の変化は見受けられない。ましてや、社会福祉実践に欠かせない、社会構成の視点、つまり、これから100年後にどのような社会を構成していくべきかといった社会的な立ち位置に、両党の違いを見つけることは非常に難しい(そもそも、100年先の社会構成のビジョンを打ち出している政党や政治家は皆無かもしれない。あくまで、推察の範疇ではあるが)。
その点においては、本政権交代は、「改革」でも「衝撃的」でもないと観望できる。
ただし、同じ思想の持ち主であったとしても、同じ人間が長らく権限を行使するのではなく、違う人間が権限を行使する方が、癒着や澱みを払拭する効果をもたらす。その点は、大いに期待したい。
私としては、財政再建(人口減少傾向の真っただ中にある我が国にどれほどの期待ができるのか?)に捉われ過ぎることなく、財布の中身は多少「寒く」とも、社会の中で、誰もが排他・排斥されることなく、自分らしく安心して暮らせる社会の構築を是非とも実現していただきたいと願うばかりである。