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NPO法人 地域の絆

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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

対人援助に「正解」はない!!��

2009/10/13 12:00:00  社会福祉
「判決に揺れる鞆の浦」。渋滞緩和・・・。元大阪人にとってみれば、あれは渋滞とは言えない気がします。都会の通勤時における渋滞は、並ではありませんから。
 過日といっても、もう数ヶ月前になるでしょうか。認知症ケアにおける大先輩が、下記のようなことを話して下さいました。
―――なぜ、あれほど高齢者がトイレに頻繁に足を運ぶのか?それは、排泄を失敗したくないという強い思い。つまり、人間として決して冒されたくない「聖域」としての排泄があり、それだけは絶対に失敗したくない強い思いから、前もって、前もって、トイレに行こうと行動されているのではないか?こういった心理状況は、その時(私たちがその年齢)になってみないと、実は理解できないことではあるまいか?その時になって初めて気づける事も多いと思う。
 であるにもかかわらず、福祉専門職の中には、「あの人はきっとこう思っているのだ」「このようにして差し上げればいいのよ」とあまりにも、簡単に決めつける人が多い。―――

 人の人生に関わる専門職としての福祉専門職が、自らの「業」に畏敬の念を持たず取り組む事ほど、恐ろしいことはないでしょう。
 そもそも、フェルト・ニーズ(利用者が感じるニーズ)とノーマティブ・ニーズ(専門職が感じるニーズ)をすり合わせることで、福祉専門職が取り組むべきリアル(真の)・ニーズを導き出すと教科書には記載されていますが。これを導き出すことは、困難を通り越して、不可能ではないかと考えるのです。無論、対人援助職として、一定の目標設定がなされなければ援助は進捗しませんから、目標を設定すること自体は不可避な事ですが、それはあくまで、暫定的なものであり、便宜上のことではないかと思っています。
 それほど、他者の人生は奥深く、把握が困難なものであると考えます。無論、人間は、他者の気持ちを全く理解できない訳ではありません。全く理解できないとしたら、映画も、小説も、そして、今私が書いているこのブログも不毛なものとなるはずです。「全ては理解することができないが、その一部は理解することができる」と私は考えます。つまり、人間は他人の思いを想像すること、察することが出来るのです。それこそが、動物の中で、人間が第一義的に優れた能力であると。
 であるにも関わらず、やはり、他者の人生や、思いの全てを理解することは不可能です。そのことを前提に、常に、畏敬の念を抱きながら、これで良かったのかと迷いながら実践していくことが、私たちには求められている気がします。
 「正解」や「正義」とは、常に一定の距離を置いてお付き合いしたいと私は考えます。
 

Date 2009/10/13
中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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