「スピードアップには、乗降時間と信号待ち時間の短縮が欠かせない」。「広島の路面電車を考える」(朝日新聞2009年10月17日)の記事から。
都市における地下鉄化が進む中、広島市内では、依然として路面電車が主流であります。私は以前より、路面電車は地下鉄よりも、高齢者や、子ども、障害者に優しい乗り物であると認識しておりました。上下運動が極めて少なくて済むからです。であるにもかかわらず、地下鉄化が進んでいるのは、車優先・健常者優先のまちづくりが行われてきた帰結であるからだと。
その意味において、最後まで路面電車を維持してきた広島を、少し誇らしげに思ってもおりました。しかし、この記事では、その運用方針は地下鉄化と大差ないことが露呈されました。速力化・効率化が第一義とされていることが明白です。
高齢者や、子ども、障害者にとって、電車の乗降は本来時間がかかるものです。杖や、押し車、車椅子等での移動の方や、認知機能が低下し乗降の仕方が分からない方でも、安心して乗降ができるようにするためには、速力化と効率化以外の方針を打ち出す必要性を感じます。
あらゆる生活場面において、速力化と効率化以外の、私たちが安心して暮らせる方針を打ち出す時代に来ていると私は考えます。特に、「社会的弱者」と言われる方たちが、安心してまちづくりに関わって行くことが出来る社会の構築が望まれているはずです。そのような方々が、路面電車を利用する際、当たり前のように、他者の力を借りながら乗降できる。そのことで、多少の電車の遅れが乗じたとしても、乗客は誰一人として不快な顔をしていない。そのような、路面電車の運営を切望します。
そんな路面電車が往来する広島市、素敵だと思いませんか。