キャリアパスの定義がイマイチ分かりづらい今日この頃。なぜわざわざ定義の難しいキャリアパスなどと言う表現を用いるのか、若干捻くれている私としましては、何か色々と勘ぐってしまうわけです。
2010年3月5日、厚生労働省は「キャリアパス要件」の概要を下記の通り示しています。
�_雜鄂Π�の職位、職責又は職務内容等に応じた任用等の要件を定めている。
�↓,坊任欧訖Π漫⊃�責又は職務内容等に応じた賃金体系(一時金等の臨時的に支払われるものを除く。)について定めている。
���ゝ擇哭△瞭睛討砲弔い董⊇�業規則等の明確な根拠規程を書面で整備し、すべての介護職員に周知している。
また一般的な解釈として、「キャリアパスとは、職員の昇給・昇格の道筋を示したもの。職員の経験や資格、能力などに応じた役職(ポスト)を用意し、それに見合う賃金や待遇を設定することで、職員のモチベーションを高め、介護サービスの質の向上や離職防止につなげようというもの」※だそうです。
さて、ここで問題になってくるのは�△痢嵜Π漫⊃�責又は職務内容等に応じた賃金体系」であり、「(経験・資格・能力・役職)に見合う賃金や待遇を設定すること」でしょう。賃金の体系を職員に示すということは、賃金に格差を付けるということです。例えば、「介護職�機廖峅雜鄂Ν供廖峅雜鄂Ν掘廚箸いΑ嵬鮨Α廚鰺儖佞靴榛檗△修隆屬猟其眤侶呂忘垢鬚弔韻襪箸いΔ海箸砲覆蠅泙后J垢海┐狼垢靴い任垢�、実際に如何ほどの賃金格差をつけることができるのかは甚だ疑問です。介護報酬が定められている以上、またその設定の低さが自明とされている中、つまり、法人の総収入が限られた中での賃金体系を測るモノサシの目盛りは非常に細かいものとなるはずです。如上の「役職」における「介護職�機廚函峅雜鄂Ν供廚猟其盂丙垢惑_燭曚匹砲覆襪里任靴腓Δ�?「役職」の数にもよりますが、精々10,000円、悪くて数千円といったところではないでしょうか?
この程度の賃金格差で職員のモチベーションが上がるとは私には到底思えません。しかも、この「キャリアパス要件」と「介護職員処遇改善交付金」を連動させ、言わば、交付金をキャリアパスの呼び水とする向きがあります。「介護職員処遇改善交付金」は、法人にとっては、収入なくして、事務負担が増える代物と評判が宜しくありません。交付金という姑息な手段ではなく、介護報酬を上げれば自ずと職員の給与体系を上げることができます。経営者が懐に入れて、職員に還元しないという考えは全くの迷信であると私は認識しております。では、現時点で職員の給与体系が群を抜いて良い法人がどれほどあるのでしょうか?何処の法人も給与を上げたいが上げられないのが現状だから、介護職員の給与は何処も横並びなのです。介護報酬を上げれば、職員の給与は間違いなく上がります。もし、一部の悪意をもった経営者が上げなくても、よその法人は上がります(地域の絆では絶対に上げます!)ので、そこに法人間の格差が生まれ、悪意をもった経営者のもとには職員は集まらなくなるはずです。こんなことは、特に優れた先見性を持たずとも察しが付く自明の理でしょう。
それをせずして、一時的でいつまで続くかわからない交付金、しかも十分な金額ではないそれと、低い介護報酬のまま、法人にキャリアパスを強要するその姿勢からは、欺瞞的なものを感じざるを得ません。「キャリアパス」や「交付金」は、問題の本質を潜在化させるマヤカシに過ぎないと私は考えます。
※『日経ヘルスケア』2010.5.「特集 介護職向け キャリアパスの作り方」P.22.日経BP社