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NPO法人 地域の絆

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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

信頼の絆と便利さの関係

2010/12/04 12:00:00  社会全般
 最近ソーシャルキャピタルの著書をよく手にしています。東北大学の著名な先生のご講義を受けて以来、自身の実践に照らして鑑みると頭から離れぬ概念となっているからです。

 ソーシャルキャピタルはよく、社会関係資本と訳されていますが、人と人との絆や関係を資本と見立ててそれを増強することを目的として使われているようです。

 人間生活における豊かさは、経済的指標のみでは測れません。懐が温まれば、人の生活が豊かになるわけではありません。人の生活が豊かになるためには、経済的自立のみならず、健康・文化・社会関係・生活技術・信教・政治等の分野における自立が不可欠であることは自明の理です。つまり、経済的な豊かさは、人を幸せにする一つの手段に過ぎないのです。おそらくは、人の豊かさを図るもう一つの全く違った指標としてソーシャルキャピタルは存在するのでしょう。だからこそ、私はその魅力に取り憑かれているのかも知れません。

 写真は、法人本部の所属する仁伍町内会のあるゴミステーションで思わず撮影したものです。いわゆるゴミ捨て場に、ゴミ出しにやってくる住民の心を少しでも安らげて差し上げたいとの思いからお花を植えておられます。お花を植えるのみならず、その前に掃除をし雑草を刈っているのです。これは誰に頼まれたわけでも、決まり事でもありません。住民が自らのご意志で、行動されているのです。素晴らしい取り組みだと思いませんか。心が温まりませんか。豊かな気持ちにならないでしょうか。この様な素敵な取り組みが皆様の地域の中にも沢山あるはずです。しかし、私たちは忙しさの中で、その豊かさを感じることなく生活しているのかも知れません。このような豊かさに目も触れず、また重要視せずに私たちの生活は成り立ってはいないでしょうか。このような行動はお金にならぬ取り組みかも知れません。が、このような豊かさを大切にせずして、私たちは本当に幸せになれるのでしょうか。私たちが生きていく上での豊かさは、実は身近なところに沢山あるのです。そのことを把握し、理解する。そしてそれを増強していく取り組みがソーシャルキャピタルなのだと若輩ながら理解しているところです。

 12月1日にコミュニティホーム仁伍が開設しました。近頃は便利なもので、入り口とトイレの照明はセンサー式になっています。ご存知の通り、来客があればセンサーで明かりがついてくれます。私も夜間出退社する際に助かっています。一方で、隣の地域福祉センター仁伍の玄関にはセンサーが付いていません。向永谷も宮浦西もそうですね。

 センサーが付いていないセンターでは、来客時職員さんが気を利かせて電気をつけて下さいます。センサーが付いていないからこそ、そのような気配りを図ろうと思い行動するのでしょう。では、センサーが付いてしまったらどうでしょうか。ひょっとするとそのような配慮は埋もれてしまうかもしれません。そのようなことの無いようコミュニティホーム仁伍の職員さんには期待を寄せたいと思っております。

 同じ原理で企業では、わざと自動ドアを設置していないところもあると聞きます。手動にして、従業員の方が絶えず気配りをして開閉するのだそうです。それが人間関係の信頼の絆を醸成するのでしょう。これはビジネスモデルの発想かも知れませんが、この取り組みはおそらく直接収入には結びつかない実践であると言えます。その点においては、ソーシャルキャピタルにおける実践のヒントにもなり得るかも知れません。

 如上のように私たちの生活は便利になりました。しかし、決して豊かにはなっていないように見受けられます。経済成長を成し遂げて便利になることのみをもって、私たちの生活が豊かになることはありません。それは手段であって目的ではないからです。

 地域の中で誰もが排他・排斥されない地域社会。困っている方をお互いに支え合える地域。上記事例のように地域住民が豊かな取り組みをしている際、それを認識し、感謝し、増強し合える地域。そのような地域の絆を紡いでいくことが真の豊かさに繋がるものと信じている若輩です。


実は、ごみステーションそのものが地域住民の手作りです。

 地域住民手作りのゴミステーションだからこそ、皆さんで大切にされているのではないかと私は考えています。補助金で業者に委託して作ったゴミステーションであれば、このように大切にされないのかもしれません。

 このゴミステーションは地域の誇りです。私はそう思います。住民の方にも是非そう感じていただきたく存じます。

このような些細なところに幸せは存在します。

 どなたが考え取り組みだしたのか・・・。私はこういったことに幸せを感じる人間です。皆さんはどうですか???
Date 2010/12/04
中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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