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NPO法人 地域の絆

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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

公私混同の弁

2013/06/03 12:13:47  日常


 予てより、公私を混同させることこそが最も品位を貶める行為であると認識してきました。細かいところで言えば、公衆の場で、大声で私語を有することや、下の話や、性的な話は勿論忌避してきました。携帯電話の使用においても、食堂・レストラン等の公衆の場においては必ず店外に移動して通話をしています。公の場で、私的な行為を堂々とすることは下品なことであると理解しているからです。その意において、有名人が公にわが子を過保護に扱ったり、自らの権力を行使してわが子に便宜を図るなどは、最も愚劣な行為なのかも知れません。二世いや、三世議員の多く蔓延る政治の世界においてもこれはそっくりと当てはまる事象ではないでしょうか。

 と、少し前置きをした上で、それでも本日だけは敢えて私的なお話をさせて頂くことをご宥恕頂ければと思っています。ブログとは、元来「個人の日記」の意が多く含まれていますので、自身にとっての未来からの振り返りにも使えるよう今の思いを記録しておきたいとも思うのです。

 本日早朝、祖父・中島正が亡くなりました(享年92)。動機はよくは分かりませんが、長年社会福祉活動に人生を捧げてきた言わば、若輩にとっての先輩でもありました。民生委員活動に始まり、社会福祉法人の運営、特に地域福祉と児童福祉に興味を持っていたようでした。自らの田んぼに土を入れ、地域の広場を作ってまちづくりをしていましたし、子どもたちには自然環境との接点を多分に持たせる関わりをしていたように記憶します。生まれて間もなくから大阪で育った私にとっては特に、祖父の保育所に通ってくる園児たちの逞しさには毎度の様に圧倒させられていました。私が小学生のころ、祖父の下に帰省すれば、必ず決まって保育所に行き山羊・鶏・兎、時には狸もいましたが、の小屋の掃除と餌やりをさせられていました。その当時、保育園児を山羊の下に座らせて口を開けさせ、山羊の乳をそのまま飲ませていたことが思い起こされます。園児はみんな顔中を乳まみれにしながら、楽しそうに飲んでいました。

 当時は全く理解できませんでしたが、今であれば如上の行為の大切さを説明することが出来ます。子どもの頃から自然環境に触れることこそが、子どもの発達においては最も重要であること、そして、それは腹を下したり、怪我をする近視眼的な子どものリスクには繋がるものの、中長期で見ればそれは子どもにとって最も大切な行為であることを。自然環境によって生かされていることを忘れ、我が物顔で地球を席捲している人類の在り方とは一線を画して、私たちが自然環境の摂理の中で生きていることを敢えて子どもたちには伝えて行く必要性を感じています。例えば、小動物や昆虫の生態に触れる中で、生きることや死ぬこと、傷つくことが学べるわけですし、自らが他者から生かされている存在であることも無意識の内に理解することが出来る様になるはずです。私たちは自然環境の中で、宇宙の摂理を学んでいるのです。その重要な機会を子どもたちから簒奪する権利を私たちは有していないはずです。

 そして、例えば感染予防と言う名のもので、徹底的に消毒が施行され、“無菌”状態に近い環境下で育つことが、子どもにとっての中長期的なリスクにそれが繋がることも私たちは忘れている様に思われます。風邪をひかない・腹を下さない・怪我をしないことは、本当に子どもにとってのリスク回避になるのでしょうか。この様な馬鹿げた質問をしなければならない現状は、いったい誰のために成されているのでしょう。つまり、誰にとってのリスク回避を考えての行為なのか。言わずもがな、それはオトナにとってのリスクでしかなく、子どもにとってはむしろ、無用な消毒を極力控えた状況で、多くの菌を有する自然環境との接点を多分に設けることこそが、人生における一番のリスク回避となることでしょう。

 よく言えば、“器”が大きい受容力のある祖父でしたので、敵は少なく味方の多い人生であったように思われます。私はその所が少し違っていて、「yes」と受容できる社会を構築するためには、「no」と言わなければならないことがあると理解していますし、その行為によって民主主義社会は辛うじて保たれていくであろうと信じている者の一人です。しかし、生まれ持った気質的には、祖父の様な生き方が向いているのかも知れません。

 最後に、やはり人生は短いと思います。実は、自身は公の場における活動において、真なる思いは約3割程度しか披瀝をしておりません。それは、冒頭の公私混同に対する思いや、自身の年齢が若輩であったこととも関連します。しかし、祖父の死を前に、それを漸次5割程度までは吐露して行こうと考えています。自身も所詮いつかは死にます。その日を前に、言い残したことが数多あっては、その人生に決して満足できるものではありません。もう少し、思いの丈を今まで以上に吐露して行きます。

 祖父のおかげで、今この仕事に就くことが、誇りを有することができ、斯様に偉そうなことを叙述することが出来ていることは紛いもない事実であります。公私混同の謗りを敢えて受けつつも、この場をお借りして亡き祖父に感謝の意を捧げたいと思います。合掌。



Date 2013/06/03
中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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