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NPO法人 地域の絆

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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

子どもの目線で社会を構築する

2011/08/26 12:00:00  社会福祉
広島港(宇品港)⇒中町港(江田島市)へ高速艇で移動。これから地域福祉センター鹿川で夏祭りです。

 私の職業はソーシャルワーカーであり、ジャーナリストでありたいと思う昨今です。主には、高齢者の社会福祉分野で仕事をしていますが、専門性の共通基盤を用いて、子どもたちの支援へも関わりを持っています。多くの子どもと出逢ったわけではなく、その数は少ないのですが、子どもと触れる中でこの社会の課題が色濃く見えてくることがあります。

 その国の政治や社会が上手くいっているかを見るには、子どもや、障害者、高齢者、少数民族といった社会的に弱い立場にある人々の生活が上手くいっているかを見ればよく分かると、著名な社会学者やジャーナリストは言います。競争原理社会では、その時勢によって社会からはじき出された人々の生活は、構造的・意図的に守らなければ守れるものではないからです。それが守られている社会は、その構成員の多くがそのことの重要性を理解しているとも測れます。よって、その国の国民の民度は高いと判断するのでしょう。

 如上の観点はまさに自明の理であり、子どもたちの権利擁護はこの社会の構造に依拠しています。いや、より弱い立場にある子どもたちの生活は、この社会のしわ寄せを一手に引き受けている感も伺えるのです。

 開発・発展という名の自然破壊を繰り返し、子どもたちから生のリアリティある自然環境を奪い、代わりにインターネットや電子ゲームといったバーチャルな生を与えそれを商業化する。私が子どもの頃は、川や池、山々に身近な小動物や昆虫が生きていましたし、それを飼って遊んでいました。もちろん、飼育籠の中で何匹も生き物を殺してしまったこともあります。そしてその腐敗した死骸を、近くの畑や公園で土葬をしていたものです。しかしながら、この様な営みの中で生きることや死ぬことを学んできたのだと思われますし、宇宙や自然の摂理も学べたような気がしています。しかし、今の社会は、子どもたちからこの様な重要な局面を奪ってしまっているのではないでしょうか。

 ネットを介して、リアルな経験・体験の無い情報を子どもたちは安易に仕入れることが出来ます。つまり、判断能力のない状況で大人たちの陥穽に嵌る子どももいるでしょうし、リアルな友人ではなくバーチャルな友人を持つ子もあるでしょう。ある程度成熟した大人にとっては便利な“道具”でも、子どもにとってはそれが“凶器”になることもあります。

 高齢分野で働きながらこの様な事を述べるのもおかしいと思われるかもしれませんが、子どもの目線で社会を見直す必要性が今強く求められています。子どもの目で社会を点検し、社会構築を考える。その営みこそが、実は大人も安心して暮らせる社会構築に繋がるはずです。

 子どもの視点で社会を捉えることにはもう一つ重要な意味があります。世代間の共通理解の促進です。社会のグローバル化が進み、先のインターネットの普及も相まって、地域・圏域間の共通理解は徐々に進みつつあります。しかしながら、今最も等閑に付されているのは、世代間の共通理解であると認識しいています。子どもや、孫の生活に私たちが責任を持つことが出来るのか。その視点が重要であると認識するのです。人類が少しでも末永くこの地球上で生きながらえるために、私たちはどの様な選択をしなければならないのか。これは恐らく沢山の選択肢の中から選べる状況ではありますまい。むしろ、消去法の中から数少ない選択肢を取らなければならないでしょうし、その選択肢はもう既に見えているものだと私は思います。それに気づかないふりをしているのか、それとも本当に気づいていないのか。私にはオトナの考えていることが分かりません。

 「小学校のころ、作家の山田詠美さんは教師を『良い先生』と『悪い先生』に分けていたそうだ。子どもは大人と同じように悩み苦しみ、大人以上に羞恥心を持っている。そのことを知っているのが良い先生だったと随筆に書いている(中略)福島では、検診をした子の45%に甲状腺の被爆が確認されたという。専門家は『問題となる値ではない』と説くが、そうであっても心の重荷はつきまとう。事故以来、この手の言葉の信頼性は暴落している(中略)英詩人ワーズワースに『子供は大人の父なり』という一節があった。俗にまみれず神に近いからだが、打算や保身でがんじがらめの大人には耳が痛い。父から教わる必要が、ありはしないか」※。

 「直ちに、問題となる値ではない」。この説明も私のような戯け者には理解ができません。


※『朝日新聞』「天声人語」2011年8月19日



第一回 地域福祉センター鹿川 夏祭り(2011年8月6日)

 夏祭りの準備風景。準備をしていると、通りすがりの地域住民が「これから何が始まるのか?」と問いかけてこられます。

 それに、ひとつ一つ丁寧にお答えします。交流促進の絶好のチャンスですから!!


これから何が始まるの??

 地域住民に尋ねられ、丁寧に答える職員の鍵井さん。

 準備こそが交流促進の要諦です。


食生活改善推進員さんや女性会、近隣幼稚園との連携も…

 食生活改善推進委員さんが、炊き込みご飯を作ってくださいましたし、女性会の皆様が出店を担当下さいました。幼稚園の園児は、踊りをご披露くださいましたよ。


紅白幕と舞台

 地域住民の皆様が舞台と紅白幕、そして提灯を設置して下さいました。様々な地域で同様の活動をしていますが、ここまで立派な舞台を設置したのは初めてです。 感謝・感謝。

そうめん流しは大好評

 子どもからお年寄りまで、至極好評でした。

 

総勢200〜300名の参加

 初めてのお祭りでしたが、大勢の方にお集まりいただき心よりお礼申し上げます。


じゃんけん大会及びその後のアンケートのご記入

 景品は何でしょう?いつもお世話になっている方が映っていますが…。

 地域の絆では、各センター共通の住民アンケートを作成しています。地域福祉活動は、モニタリングと再アセスメントが重要だと認識しているからです。


とっても美味しい!! 鹿川マッカ

 祭りの後は、地域住民のご自宅へお招きいただきました。何から何まで恐れ入ります。

 そこで食した「鹿川マッカ」。メロン味で、触感はリンゴを彷彿させられます。あっさりしていて、何個でも食べることができます。

 飲んだ後には、特に最高です。


最終の高速艇で宇品港へ

 管理者の小田さんに、中町港まで送っていただき、22時30分の最終便で宇品港へ戻りました。

 なぜ、江田島に泊まらなかったのか??

 8月6日は広島には多くの方が訪れます。江田島市内のホテルは全て満室。広島市内も私が知る限りでは、一部屋しか空いていませんでした。だから、広島市内に宿を取ったのです。


翌日8月7日は広島空港⇒羽田空港へ

 日本社会福祉士会 全国支部長会議に出席するため東京へ移動しました。

 海と空の航路を使っての移動。広島市内から広島空港までは高速で車移動。

 移動距離が漸次増えている今日この頃です。


“強い”子どもを育てる方法

2011/08/17 12:00:00  社会福祉
下手な字と俄仕込みですが、子どもたちへも教鞭を取る毎日です。


 今朝の通勤中にTBSの「はなまるマーケット」※を目にすると、私の好きな尾木ママこと、教育評論家の尾木直樹氏が出演されていました。尾木氏に対しては、水流の如き柳腰な立ち振る舞いをしながらも、子どもの側にその立ち位置を据えた信念のある知識人であると認識しております。相手を油断、かつ安心させる口調で語りながらも、自身の信念を持って時にはズバッと“敵”を斬る印象を持っています。

 通勤中のほんの短い時間でしたので、全てを見たわけではありませんが、子どもたちの現状報告についてのお話でした。子どもたちが今望んでいることの調査結果が示されたのですが、分かってはいたもののやはり衝撃を受けました。第一位は睡眠時間の確保であり、第三位はのんびり過ごしたい。これは元来大人の欲求であって、子どもの欲求ではありますまい。

 当番組では、学習塾をはじめ水泳教室等の習い事で忙殺されている子ども達の姿が取り上げられていましたが、ビジネスの手法と教育は違うのだと改めて実感しました。

 いい大学に行くといった非常に近視眼的な勉強方法では、真に“強い”子どもの育成はできないことは、多くのオトナ達は知っているのではないでしょうか。それでも、記憶をインプットし、アウトプットするだけの詰め込み式似非勉強が蔓延しているのはなぜでしょう。

 子どもたちに今一番必要なことは、�ー�然環境に触れる中で宇宙の摂理を学ぶこと、�⊃佑箸琉磴い鯒Г畊腓┐覯礎佑両�成、�6Δ棒犬�し生かされている人との絆、�ぜ�分の思いや意見を大切にする自信等であると常々考えている毎日です。

 少なくとも自身の子どもはそのように育てるつもりです。周囲にいる大人や親が子を守らずして、誰が守ってやることができるでしょうか。


※『はなまるマーケット』TBS 2011年8月17日放送



状況に応じたモデルの取捨選択

2011/08/16 12:00:00  社会全般
天安門広場の前をタクシーで通過しました。共産党結党90周年にて多くの観光客で賑わっていました。
 「ロンドン北部のトットナムで6日夜、警官が市民を射殺したことに抗議するデモが一部暴徒化し、車や建物などが放火されたほか、銀行や商店、自治体の建物などが襲われた」※1事態に世界中が注目を寄せています。主な理由としては、「キャメロン政権発足後、財政赤字削減に向けた緊縮財政と増税が進められているが、失業率が非常に高いトットナムでは、住民の不満が増大している」※1と言ったものが取り沙汰されているようです。ロンドンオリンピックを1年後に控えたイギリスにとっては、早期に終息を図りたい所の様で、「キャメロン首相は10日に開いた緊急の治安対策会議で『われわれは反撃しなければならない』と述べ、暴動の参加者に厳しく対処する方針を改めて打ち出」※2す始末。 但し、「この暴動で、これまでロンドンで805人が逮捕されるなど、英国全土の逮捕者は1000人以上に上って」※2いるそうです。

 遠く離れた日本としては、「他者の“失敗”から学ぶ」視点でこのことを鑑みる必要性を感じています。日本の若者はある程度、従順に制御されている感がありますので同様の事態が起こることは想定しづらいまでも、同じ事態に陥ってしまう素地があるように考えるからです。

 この暴動の発端は、国民のストレスフルな感情にあるようですが、そのストレスの背景は大きく次のようなことがあるようです。�々發ぜ禺圓亮唆販─↓�格差の拡大、�B膤悗粒愴颪旅眛�等。赤字財政を立て直すため緊縮政策を打ち出した結果であると報じられていますが、これらは社会を不安定にさせるには十分な要素として機能することでしょう。

 �ー禺圓�働けない理由は、社会構造に起因していることが殆どではないでしょか。少なくとも個人的な要因ではないところで、就職が決まっていないのは自明の理でしょう。そこを是正する社会変革及び政策誘導が不可欠であると認識しています。

 サッカーの南アフリカ大会を思い出しますが、治安の悪さから日本人は夜の外出が禁じられていました。中国でもスリが多いと聞きました。貧富の格差は治安の悪化を招きます。これは至極単純で分かりやすいことだと思います。一生懸命働いていても、同様に働いている別の人間の方が裕福な生活を送っているとしたら、平然としていられる人間の方が少ないのは想像に難しくないことでしょう。先進諸国は、その発展過程において格差が治安の悪化を招き発展を妨げるとして、セフティネットの整備としての社会保障の充足を図りました。格差の拡大は、必ずや全国民を不幸に導きます。

 ��1998年までイギリスの大学は公費で運営されており、授業料は無料であったと聞きます。それが、日本に近いまでの授業料の徴収を行う法案が通っているそうです。日本のように端から、高額な費用を負担しなければ高等教育を受けることができない国家体制とは異なり、高等教育を受ける条件に貧富の差が反映されない様配慮された理想的な政策が、一転して、日本型に陥った理由は若輩には分かりませんが、これは若者にとっては暴動に値する出来事だったのかも知れません。

 赤字財政を立て直すことは確かに重要ですが、そのための手法は分野に応じて講じる必要性を感じています。かつては、学校の会社化を進めた著名な経営者がいると耳にしたことがありますが、学校は会社では断じてありません。教育はもちろん、福祉や医療、環境、芸術、文化などもビジネスモデルで語られるべきものではないと私は考えています。もちろん、効率と効果の観点からそのモデルの一部を的確に導入することは否定するものではありませんが、全てをビジネスモデルで考えるものでは全くありません。つまり、人の生命や人生を左右させる人権の根幹をなす分野においては、近視眼的な効率と効果を指標に持つビジネスモデルでは対応できないのだと若輩は理解しています。

 近頃保育の分野でも、ビジネスモデルの導入が図られているようですが、専門性をはき違えたものも多く散見します。砂場を塩素消毒し、動物を飼育しない、怪我を極力させないよう安全な活動に焦点化したものが多く目につきます。それに代わって、楽器の演奏や、イギリス語会話の教室を導入している所もあるようですね。

 ビジネスモデルの主要な活動は、顧客を獲得することにあります。そのために、顧客満足度の高いサービスを提供するわけですが、この場合の顧客満足は、社会福祉で言うところのニーズの充足ではないと自身は解釈しています。つまり、福祉サービス利用者のニーズではなく、市場サービス消費者の欲求に対応するのがビジネスモデルの実践であるとの認識です。社会福祉分野で言うところの、demandやfelt needsに近いものが該当すると考えます。

 また、社会福祉サービスにおいて最も重要視されるべき点は、クライエント中心主義の視点です。クライエントの問題はクライエントにしか解決できない自明の理に基づいて、クライエントの自己決定を尊重し、時にはクライエントの思いを代弁し、社会環境を調整していくことが求められているのです。しかしながら、ビジネスモデルにおいては、顧客を獲得することが第一義となってしまいますので、顧客になることを決定する権利を持っている方(家族や親族、養護者等)の意向を優先させて、顧客当事者の意向を軽視する活動も顕著となってしまいます。

 事実、如上の保育サービスの実践はまさにこの陥穽に嵌っていると言わざるを得ません。クライエントである子どものニーズを中心に置いた活動としては不適切と言わざるを得ないからです。おそらくこれは、「危ないことはさせないでもらいたい」「他者に胸を張れる保育をしてもらいたい」といった顧客になる決定権を有している両親のニーズを中心に据えたものではないでしょうか。「危ない」のは誰にとってのそれなのか、少し考えれば容易に理解できるものです。近視眼的な“危険”を避けて育てることが、その子の長い将来において大きな“危険”を背負わすことに繋がることなど想像に難しくはありません。如上の例で言えば、両親にとって「危ない」ことを避けることが、子どもにとっては将来のリスクをさらに高めることに繋がるのです。無菌室でしか育たない、自然の摂理を教えない、人の限界や痛みを学ばない保育をさせて、果たしてそれがクライエント中心主義のサービスと言えるのでしょうか。

 財政赤字を是正するためとは言え、近視眼的な効率と効果で推し測って進めるビジネスモデルで全てを進めることは非常に危険だと自身は認識しております。対象分野や状況、時勢に応じて、使うモデルは本来変えるべきものでしょう。特に、人が生きていく上で重要なもの、医療・福祉・教育・環境・文化・芸術等は、ビジネスモデルの適応外の分野と言えそうです。社会的コスト上赤字になるからと言って、病院や介護施設はもちろん、警察や消防署を無くしても良いという人間はまずいないでしょう。

 この度のイギリスにおける暴動。暴動という行為そのものは愚劣だと言えますが、その行為の背景をみるのも私たち福祉専門職の面目躍如たるものがあるはずです。その“問題”行動の背景には、必ずや複数の要因が絡んでいるからです。このイギリス暴動の背景をみることにこそ、私たち日本人がこれからの社会構築に当たって進むべき里程標が見えてくるのかも知れません。



※1 『朝日新聞』2011年8月8日
※2 『朝日新聞』2011年8月11日



中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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