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NPO法人 地域の絆

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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

愚劣なものを少しでも真面にする為に…

2012/12/17 23:08:15  社会全般
過日訪れた宮崎市。多くの出逢いと学びに感謝申し上げます。

 第46回衆議院総選挙では、野党第一党の自民党が2005年郵政選挙以来の大勝を収めました。多くのマスコミの予想が見事的中しましたので、その意において、大きな驚きや感動は特にはありませんでした。

 小選挙区制では、そこに死票が多く発生すること、組織票を保有している大規模政党に有利な展開となることは自明の理であり、民主党の支持率を鑑みれば、当然の結果に帰結したと言うことになります。また、比例票においては、自民党は前回大敗を帰した得票数よりも少ない得票数であった(今回1660万票であり、前回2009年の1880万票から220万票減少)ことを鑑みれば、この大勝が如何に民意を反映していないのかが伺えるでしょう。一部マスコミもこの点を取り上げており、選挙制度自体の問題が改めて浮き彫りになった選挙でもありました。また、今回の選挙は最高裁が「違憲状態」と判断した一票の格差の問題が解決されぬまま行われていますので、三権分立における司法の役割が今後強く問われることになるでしょう。

 しかし、ここで一番私が引っかかっている事。それは、59%前後と言われる投票率の低さにあります。各県で軒並み最低の投票率が記録されていると報じられているのです。人々の政治離れがここ20年ほど取り沙汰されています。なぜ人々は政治に関心を示さないのか。周囲にいらっしゃる高い見識を持つ方ほど、投票行動を起こさない傾向があったりして驚かされることがあります。ブログや執筆物を拝見すると、あまりにも愚劣すぎるので白票を投ずると書かれているものも…。

 小選挙区制という特性を鑑みて、各マスコミの予想がほぼ的中すると言うことは、組織票で多くが決まってしまったことを物語っているのではないでしょうか。組織票、つまりは大きな声を出すことの出来る一部の有権者の声が、この選挙の結果を体現していると言えます。この状況は真なる民主主義の姿ではありますまい。私たちは、マスコミが予測できない結果こそを、市井に示すべきでした。組織票では物語れない民衆の声を反映した結果を。

 古くから言われている、「その国の国民は、自らの民度以上の政府を持つことは出来ない」ことは自明の理ではありますが、白票を投じる国民性もその民度を測る指標とすべきでしょう。選挙権は権利であると同時に、義務でもあるはずです。先進諸国の中には、投票率90%を切る選挙は全て無効として、何度もやり直しを行う所もあるようです。わが国においても、その様な法整備を行うべきではないでしょうか。愚劣だとその活動から距離を置いて、そのことに何の働きかけも行わなければ、その愚劣さは更に度し難いものへと凋落していくことでしょう。愚劣なものほど関わりを避けるべきではありません。

 たかが一票と思うその行為が、私たちの生活の基を成す民主主義を頽廃させているのです。



「想定外」を嗤う

2012/12/06 01:06:53  社会全般
先週は鳥取県倉吉市と宮崎県宮崎市に御うかがい致しました。貴重な経験をさせて頂き感謝致しております。
 首都圏を車窓から眺めながらいつも思うことがあります。数十年前に建てられた高層ビルやマンションの何と多い事か。そして、これらの膨大な建造物はあと何十年健全に聳えていられるのだろうか。そう思うと、島嶼部に架かるたった一本しかない橋を行き交う車輌を眺めながら、また、365日休むことなく一日数十往復を繰り返す新幹線の橋脚を見て、この状態をあと何年健全に維持することが出来るのか地方においても不安な思いに駆られながら生活を送っていました。高度経済成長期以降、その減退が続いている今でも、その成長戦略が謳われ、新しいものが造られ続けている昨今です。しかし、これから数十年における当面の課題は、今まで安易に造り続けてきたモノをいかに維持するのか。また、それを如何に再構築するのか。またそのための費用は如何ほどなのか。と言ったことと真摯に向き合うことが避けられそうにもありません。そのことを前提に、未来永劫続く建造物はあり得ないことを前提に、いつどの程度の費用を要して修繕・改築を図るのかを考えながら、新たな建造をすることが求められると思われますし、建造コストが高くとも極力永く維持が出来る建造物の創出を検討することも不可欠となるでしょう。

 新たに造る時代から、維持する、改築する時代に突入しているのだと認識しております。建造に関して全くの素人の私の直截的な思いを吐露させて頂きましたが、そんな時代なのに、リニアモーターカー然り、次々と新しいものを造り続ける社会に疑問を抱いております。

 いみじくも、中央道・笹子トンネル(山梨県)で天井板崩落の事故が発生しました。まさに、建造物の維持・改築の課題が浮き彫りになった象徴的な事故であると捉えています。実は人間は、自らが建造したそれが、厳密に何年維持することが可能であり、その後どのような改築方法を取れば現在の状況を末永く維持できるのかについて明確な答えを持っていないのではないでしょうか。人体実験と言う実体験を通して、これから人類は経験を重ねていくようにも見受けられます。

 福島第一原発の事故においても「想定外」という言葉が流行りました。しかし、そもそも人間に「想定できる」ものは極僅かであり、常に「想定外」が普遍化していることを自覚すべきではないでしょうか。であれば、恐らくは「想定外」などという、言うも無知さをさらけ出す自明の言葉を発することもありますまい。10代の頃より思うことですが、他生物に比べて人間は賢くも優秀でもないと思っていました。このまま環境破壊を繰り返せば、恐らくは恐竜よりも短命に終わることを考えると、少なくとも他生物よりも劣等な立場にあるのではないだろうかと考えずにはいられませんでした。

 人間は自らが考えるほど有能ではない。その大前提に拠って立てば、成長戦略とは違った「豊かさ」を私たちは見つけられるのかも知れません。




中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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