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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

社会福祉専門職からみた菅内閣考

2010/06/09 12:00:00  社会全般
今年の「仁伍夏祭り」(仁伍町内会主催)は、7月31日に開催予定です。もちろん、私も参加させて頂きます!仁伍の誇りの一つです。
 「菅内閣は左翼政権」と安倍・麻生両元首相が批判をされているそうです(『朝日新聞』2010年6月8日)。私は政治学者でも専門家でもありませんので、その辺りのことはよく分かりません。政治に関しては、左翼・右翼の定義も理解していないずぶの素人です。
 しかしながら、社会福祉の仕事は、公の責任の下実践される要素が強くその意味において、政治と社会福祉実践は密接な関係にあるようです。その観点から以下叙述します。
 菅直人首相は、8日午後の就任会見で下記のように述べたと聞きます。
 「私は政治の役割とは、国民が不幸になる要素、あるいは世界の人々が不幸になる要素をいかに少なくしていくのか。最小不幸の社会を作ることにあると考えております。(中略)貧困、あるいは戦争、そういったことをなくすことこそ政治が力を尽くすべきだと、このように考えているからであります」。
 「社会保障についても、従来は社会保障というと何か負担という形で、経済の成長の足を引っ張るんではないかという考えが主流でありました。しかしそうでしょうか。スウェーデンなど多くの国では、社会保障を充実させることのなかに雇用を生み出し、そして若い人たちも安心して勉強や研究に励むことができる。まさに社会保障の多くの分野は経済を成長させる分野でもある、こういう観点に立てば、この三つの経済成長と財政と、そして社会保障を一体として強くしていくという道は必ず開けるものと考えております」(『朝日新聞』2010年6月9日)。
 国民が不幸になる要素を最小限に減らす社会。これは一言でいえば、格差是正社会を指すのだと認識しています。一部の人々のみが「幸福」と感じる社会ではなく、全ての人々が「幸福」と感じる(少なくとも「不幸」と感じない)社会の構築。不可能であると断じるのは容易いのですが、それを決して諦めないのが学問であり、政治であると私は認識しております。少なくとも、多少の犠牲はやむを得ないと突き進んできた経済成長戦略一辺倒の社会は、変換の時期に来ているのではないでしょうか?
 多少の犠牲も許さない。そんな社会を目指すのが政治であり、学問であると信じたい。素人ながらそのように思うのです。また、「世界の人々」をも対象にした「最少不幸社会」は、日本国民の幸福のみならず、人類における普遍的幸福を想定している点において、より福祉的であると言えます。その意味において、如上の発言は福祉専門職としては大いに期待できる内容でしょう。是非とも有言実行を切望したいと思います。
 しかし、それを実行するのも結局は国民の意識でしょう。スウェーデンでは、高齢者や子どもに対する質の高い支援に多くの国民が賛同しており、それが政策に繋がっています。わが国の民度はどうでしょう。所詮、その国の国民は、自分たちの民度に応じた政府しか持てないのが定説です。私たちひとり一人が、どの様な社会構築を目指すのかが今強く問われているのではないでしょうか。
 無関心は、生活課題を抱えていらっしゃる目の前の利用者をより不幸に導きます。「愛の反対は憎しみではなく無関心」(マザー=テレサ)だからです。

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中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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