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NPO法人 地域の絆

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中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

初めての訪中��

2011/07/16 12:00:00  社会福祉

中国の社会保障と社会構造に対する“0.1”考察

関西国際空港から北京へ飛び立ちました。

 広島の恩人の計らいで、中国のこれまた恩人をご紹介いただき、中国へ生まれて初めて伺うことが出来ました。北京から新幹線で約2時間の所にある石家荘市に4日滞在させて頂きました。最終日は北京市内にて観光をさせて頂きましたので総計4泊5日の旅です。以下私の個人的なメモ書きとしても、現地で感じたこと、学んだことを叙述させて頂きます。

 世界第二位の経済大国となった中国。そのイメージと、マスメディアを通して知り得た情報とは少し異なる印象を受けました。一般的国民の生活水準がそれほど高くないことに驚きました。原因はどうやら大きな格差にあるようです。「1978年、所得分配の不平等度を表すジニ係数は、都市住民で0.16、農村住民で0.21しかなく、異常とも言えるほど小さいものでした。しかしその後、国の所得分配政策などの変化によって都市と農村における所得格差が急速に拡大しました。2001年の時点で、中国のジニ係数はすでに0.45に達し、国際社会で言っている警戒ラインの0.40をすでに突き破り、かなり危険なレベルに達しました。また総人口の20%を占める最貧困層が所得・消費額に占める割合はわすか4.7%にすぎない一方で、総人口の20%にあたる最富裕層はなんと所得・消費額の50%を占めました。(中略)中国はわずか20数年で、平等主義を標榜する国からこれだけ不平等な国に豹変し、貧富格差の拡大速度は世界的に見ても極めて稀です」※1。一部の富裕層による経済活動が大きくGDPを生み出しているようです。なので、一般の市民の生活水準は日本に比べて然程高くないどころか、随分低い心象を持ちました。

 今回の旅では、現地の介護施設との情報交換を行うことが目的でした。ですので、この国の社会保障や社会福祉の考え方についても鑑みる必要があるでしょう。格差が進捗している現状を見れば、社会保障や社会福祉は機能していないことは安易に察しがつく話です。日本の現状を見てもよく理解ができるでしょう。

 それでも、「例えば、日本の厚生労働省『所得再分配調査(2002)』では、全世帯の当所得(市場経済メカニズムを通じて確定した所得)のジニ係数が0.4983であるのに対して、再分配所得(当所得から税・社会保険料を控除し、年金・医療費などの給付を加えたもの)のそれは0.3812となり、再分配によって所得格差が改善されてい」※2るのだそうです。であったとしても、例えば子どもの貧困率では、「阿部さん(国立社会保障・人口問題研究所 国際関係部第2室長 阿部 彩氏)が着目するのは、政府が所得を再分配する税負担と社会保障の給付のバランスだ。低所得者の税負担を軽くし、社会保障を手厚くするほど、貧困の削減は期待できる。ところが、日本は、収入自体で計算した子どもの貧困率は12.8%なのに、収入から直接税と社会保険料を引き、児童手当など社会保障の給付を加えた再分配後だと、13.7%に悪化する。OECD加盟国は軒並み再分配後に貧困率が下がり、悪化するのは日本だけ」※3だと言われており、決して社会保障の手厚い国であるとは言い難いのが現状です。

 それと比べても中国の場合は、「中国においてこのような調査はまだ行われていませんが、都市と農村の二重構造をはじめ、社会保障制度の設計は所得格差の是正に寄与するどころか、むしろ所得格差を一層拡大させるような機能を持っています。(中略)結果として、中国では社会保障給付はむしろ都市住民と農村住民の間の所得格差を一層拡大させています。つまり、この両者間の格差は当初所得の3.47倍から再分配所得の5〜6倍まで拡大しているということです」※4。と言うことは、中国も日本と同様、経済による成長戦略路線を最優先し、社会保障は経済成長の従属的な存在として認識していることが大よそ理解されます。

 であるので、世界第二位の経済大国であるにも拘らず、多くの一般市民の生活水準は然程高くはない現状があるのでしょう。訪中しての第一印象はまさにこのことにありました。経済大国と呼ばれても、一般市民の、社会的弱者の生活水準が劣悪であればそれは成熟した国家とは言えません。そのことを垣間見たことが今でも私に大きな心象を与えています。

 これより数回に渡って、初めての訪中の中で触れたこと、学んだことについて記載させてもらいます。人口約13億人を擁する巨大国家です。僅か数日間の断片的な情報で、全てを語ることは非常に危険であると認識しておりますので、そのような大それた意見ではありませんことをここで強く付言しておきます。数年中国に在住されている方ですら、中国のことが良く分からないとおっしゃられます。37年在住している日本の国家でさえ、的確に物事を捉えられているのかも分からぬ若輩です。これは飽く迄も若輩による断片的な一見解であることをご理解いただき御読み頂ければ幸甚に存じます。表題の「“0.1”考察」は、まさにそのことを表したものです。


※1 王 文亮氏『現代中国の社会と福祉』ミネルヴァ書房P.1 2008年3月
※2 王 文亮氏『現代中国の社会と福祉』ミネルヴァ書房P.7 2008年3月
※3 『中国新聞』2009年11月6日
※4 王 文亮氏『現代中国の社会と福祉』ミネルヴァ書房P.8 2008年3月



北京国際空港 華やかで綺麗な空港

高速バスで北京西駅まで移動

高速バスの車内は埃っぽく、くしゃみが止まりませんでした。

前後のシート幅が非常に狭く、足が収まりません。


バスが到着すると…

駅の入り口まで、バイクで乗せていくと売り込まれて、不安を抱えながら乗りました。

普段は超明るいファシリテーターの小田氏も若干不安げな表情ですね。


広島県介護福祉士会の廣山会長は余裕の表情

先頭を走りだした我が車輛は…

逆走!逆走!

危ない!危ない!

叫んでも日本語など通用しません。第一、こちらの国では珍しくない習慣のようです。


北京西駅の入り口に到着

これから新幹線で2時間要して石家荘市に向かいます

沢山の人が縦横無尽に歩いています

例えば、日本では右側通行等の暗黙のルールが多数存在します。ここにはそのようなものは存在しないようで、みなさん我が道を行かれているように見受けられました。

衝突等を避けるためには、自己主張を積極的にする必要があります。なんか、大阪みたいやな。


今噂の新幹線に乗って石家荘市へ

在来線と同じ線路とホームを共有

この点について、日本と異なるので、日々のメンテナンス等は十分なされているのか?安全性は担保されているのか?いみじくも、車中で話をしていたところです。

石家荘駅に到着

到着したのは日没前。移動だけで少し疲れた感覚です。

石家荘市の街並み

人口は約924万人。それでも中国においては、中堅及び地方都市に該当します。

多様な「タクシー」

三輪のタクシーや、自家用車にしか見えないものまで、多様なものがありました。現地生活の長い方のお話では、大きな企業の、しかも身分証明書を車中に掲示しているタクシーに乗るよう勧められました。

ホテルに到着後の夕食

今思い起こせば、これが、一番贅沢な食事だったのかも知れません。

中国でお世話になった恩人たち

感謝の気持ちを込めて。有難うございました。

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中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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