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NPO法人 地域の絆

NPO法人 地域の絆

中島康晴

地域の絆 代表理事 中島康晴

初めての訪中��

2011/07/18 12:00:00  社会福祉

相関性のある一般民衆の生活と施設利用者の生活

石家荘北駅から岐路へ着きました。

 今回の訪中の目的の第一義は、現地の介護施設の視察であり、そこでの交流でした。訪中の期間で、2カ所の介護施設に訪問することが出来ました。

 両者は共に民間主体の介護施設でしたが、規模や財政状況の異なる施設に見受けられました。その様な異なる2つの施設にお伺いさせて頂いたのですが、共通して感じたことが3つ御座います。その3つの思いをここでは叙述させて頂きます。

 第一に同じ専門職としてとても嬉しかったことがあります。それは、介護職の方が非常に明るくお仕事をされていたことです。日本の介護職の仕事ぶりを見ていると、忙しさのあまり眉間にしわを寄せてしまっている職員や、悲壮感を漂わせている職員をよく見かけます。私が訪れた中国の介護施設では、そのような職員さんを見ることが無かったと記憶しております。殆どの職員が笑顔で仕事をされているのです。私も一応は専門職ですから、言葉が通じなくとも、それが作り笑いなのか否かは察しがつきます。そう、明らかに自然な笑顔がここにありました。そして、利用者を見る眼差しに無垢感と優しさを感じました。専門性の如何に拘わらず、純粋に高齢者が好きなのだと察して見ていました。

 以前、古参の福祉職が、児童養護施設の職員は昔の方が皆笑顔で仕事をしていた旨のお話をされていたとことをふと思い起こしました。今より人員配置も、収入も少なかった昔の職員の方が笑顔で仕事をしていた。話を聞いた際若輩には直ぐに理解が出来なかったので、このお話をよく覚えていたのだと認識しています。氏曰く、今は記録を残すことが強要され、書類仕事が半端なく増加した。だから、人員配置が増えても職員はデスクワークに駆られ、多忙化し、クライエントとも関わることが出来ず、眉間にしわを寄せて仕事をしていると。

 確かに人員配置が増えたとしても、その分書類管理や、リスクマネジメント・コンプライアンス・プライバシーポリシーを守るために多様な業務が増加しているのは否めない事実であり、職員の業務量は減少どころか増加の一途を辿っているようです。これは飽く迄私の推察の範囲のお話ですが、古き日本のそんな良い側面がココにもあるのかも知れないと思って彼女たちと接しておりました。

 二つ目は、前述した一般民衆の生活水準と、介護施設内における利用者の生活水準の関係性にあります。下記の写真にあるように、都市部は区画整備が公的に進められ、新居に転居した住民の住環境は高水準にあるものの、大多数の民衆の住環境は決して高い水準にあるとは言い難いのが現状です。例えば、首都北京の幹線道路を跨ぐ陸橋でさえ、所々に穴が開いており、その隙間から自動車の往来が見える有様です。私たち日本人の感覚からすれば、直ぐに手直しをしなければならない“欠陥”の状態にあるわけですが、こちらでは欠陥どころか“普通”の存在としてあるようです。このような状態が普遍化している社会において、介護施設内における住環境が日本のそれと同じ水準ではないことは自明の理なのかも知れません。

 私たちが訪れた施設は、富裕層の方々が多額の自己負担をもとに入所される施設ではなく、民間が主体的に運営しているものの何らかの公的支援が担保されている施設でした。ですので、おそらく社会保障の対象になる様な施設に該当するものと察しているところです。公的支援を投入し、いわゆる社会保障や社会福祉サービスの対象としての介護施設の在り方を考えると、やはり、一般民衆の生活水準や住環境と、その中にある生活の質は相互作用の関係にあるべきとの考え方が主流であると認識しています。つまり、一般民衆の生活水準が低いにも拘わらず、公的支援がなされている介護施設内の生活水準がそれ以上に高い水準であることは、余程成熟した民度を持たない限り考えにくい。おそらく、北欧の福祉国家ですら、社会サービスは一般民衆の生活水準と同レベルで提供されるべきとの考えが主流なのだと理解しています。真に成熟した福祉国家では、社会的弱者こそ、一般民衆よりも質の高い生活が保障されていなければならないと認識するのやも知れませんが、未だその様な成熟した国家はこの世に存在しないと理解しています。

 経済至上主義社会を標榜する日本や中国においては、未だ劣等処遇の原則、つまり、社会サービス受給者の生活は、一般民衆のそれよりも、劣悪でなければならないという考えが蔓延しているのが現状です。そのことを鑑みても、介護施設内の生活水準のみが今後飛躍的に向上することはないでしょう。飽く迄も、一般民衆の生活水準が向上したその後を着いていくことになりそうです。如上の観点から再認識し得ることは、福祉国家であれ、経済至上主義国家であれ、共通するべき考え方は、一般民衆の生活水準と、社会サービス利用者の生活水準は相互作用の関係にあるということです。私はそれに加えて、一般社会の価値と社会サービス従事者の価値にも相互作用性が強く存在しており、結果として、社会の価値が社会サービス利用者の価値や生活にも多大な影響を及ぼしていると認識しているところです。クライエントに対する社会福祉サービスの質を高める営みの行き着く先は、社会の価値や構造を変革することにある。つまり、ここにソーシャルワークの存在意義があるのだと改めて認識しました。

 最後の三つ目ですが、私が拝見させて頂いた施設に限って言えば、端的に25〜30年ほど前の日本の施設が想起されるものでした。それだけの歳月の“遅れ”があると感じた次第です。それが仮に普遍的な事実であったとしても、中国が日本に追いつくために同様の期間が必要なわけではありません。例えば、ここではオムツをあまり用いていらっしゃいませんでした。実は、乳幼児にもオムツを用いる風習は無いようです。乳幼児のズボンの臀部には同様に割れ目があり、そこから排泄する場面を目にすることがありました。日本のようにオムツ文化が浸透していない模様です。

 だからと言って、オムツを勧めることには若干躊躇をしました。日本の歴史を振り返ってみると、サービス提供者主体の時代から、どのような利用者に対しても一律・画一的にオムツの使用を強要してきた事実があります。その後、利用者本位のサービスが謳われ出し、尊厳の保持や個別ケアの実践が成される過程で、個別の排泄ケアが導入され、オムツ外しが盛んに行われた末現在があります。そのように考えると、日本が犯した“失敗”を中国の介護職が犯す必要はないと思いました。また、オムツという文化そのものが善なのかという単純な疑問もあります。例えば、保育場面においてもオムツがなければ、排泄時の子どもの反応を大人たちはもう少し必死で探ろうと観察するのかも知れません。“失敗”してもらっては大変だからと、介護者や保育者はクライエントをもう少し意識をもって観察するようになりはしないでしょうか。

 少し極端な例かも知れませんが、何が正しくて、何が間違っているのかを判断することはそれほど容易なことではありません。自身が信じてきたことが、違う角度から見れば大きく“間違って”いることも珍しいことではないでしょう。裏を返せば、日本文化の尺度で中国を見て“間違って”いると捉えたところで、中国文化からは全く“間違って”いないことになります。

 私は時に、自身の信じて拠って立つその立ち位置を意図的に揺さぶってみることを大切にしています。上手くできているかは不明ですが、そのように努め立ち振る舞うようにしています。違う言い方をすれば、自己批判・自己否定をする時間を意図して設けているのです。自分の信じてきたもの、積み上げてきたことを一度批判的に見直してみること。これは大変な苦痛を伴いますが、それをせずして人は成長しないと考えるに至りました。このことを再確認できたことが、訪中の自身に対する最高の“お土産”だったのかも知れません。

 私の尊敬するアーティストであるザ・ブルーハーツの甲本ヒロト氏も歌っています。

「永遠なのか 本当か時の流れはつづくのか
 いつまで経っても変わらないそんな物あるだろうか
 見てきた物や聞いた事いままで覚えた全部
 でたらめだったら面白い
 そんな気持ちわかるでしょう〜」※

 皆さんは、「そんな気持ち」分かりますか。



※ ザ・ブルーハーツ「情熱の薔薇」作詞・作曲 甲本 ヒロト氏




介護施設Aの外観

隣には診療所が併設されています。

介護施設Aの玄関

日本の感覚では派手やかな玄関です。

証書および勲章文化

玄関に立派なものがいくつか設置されています。その他、行政機関等の玄関にもたくさん掲げられていました。

パワーリハの器材!?

一通り揃っているようですが、使われた形跡があまり感じられませんでした。

ある居室(個室)での風景

娘さんかお孫さんが、面会に来られていました。

私物をある程度自由に持参

在宅生活により近い家庭的な雰囲気を感じました。

日本のトイレの清潔感は世界一

改めてその様に実感しました。

施設管理者および職員さんとの情報交換

気づいた点・思ったことを率直に話してみました。
管理者の方は、非常に熱心かつ前向きに私たちの話を聞いてくださいました。日本のケアの質が高いことはよくご存じで、興味があることが伝わってきます。

現場の職員さんとも情報交換

皆さん非常に明るく、自然と寄り添うケアが出来ていました。
とても前向きな姿勢で話を聞いて下さいました。

ちょっとした段差が彼方此方に

階段の滑り止めにも段差があり、少し危険を感じましたが…。

北京の幹線道路に架かる陸橋

首都の発展した地域でも、このような状況が散見されます。

北京の幹線道路に架かる陸橋

下が透けて見えます。

陸橋の下はこのような状況

石家荘市内は、クラクションの嵐でしたが、北京ではあまり聞かれませんでした。
ここ1年間で、クラクションの数が急激に減り、車線変更の際に方向指示器を出す車が増えたと現地の方が教えてくださいました。

介護施設Bの外観

先ほどのAよりも、財政状況および新しさにおいて、不利な状況に見受けられました。

高い塀と門に囲まれて…。

日本の介護施設では今や見られぬ設えです。

アクティビティの材料

高齢化が進行してまだ間もないためか、元気な高齢者が多いと認識しました。
日本の介護施設も20年ほど前は、元気な高齢者が入所され、朝はラジオ体操等をしていましたし、おむつ交換時等は職員のお手伝いをして下さる利用者もいらっしゃったと聞いています。
それと同じような状況が、ここ中国にもあるようです。

シャワー室

湯船につかる習慣は無い様で、シャワーが主流であると伺いました。
どうも床屋からもらった洗髪台をシャワーチェアー代わりに活用しているようです。

介護施設B建物外観

二階建てですが、当然エレベーターはありません。

代わりに車いすでも昇れる階段が…

「昇れる」を「登れる」と表現したほうが適切かもしれません。とっても急な傾斜となっています。

居室にあるトイレと洗面台

共用のトイレ

このタイプのトイレが中国では主流の様です。間仕切りが無く、座ってするのですが、こちらに向かって座るそうです。
日本でも昔は介護施設には和式トイレがありました。生活習慣の変遷と共に無くなってしまいましたが…。

スローガンが多く掲示

「全てはお年寄りのために…」という意だとか。
人の意識は変遷します。
意識すれば出来る⇒意識しなくても出来る⇒忘れてしまう⇒意識すれば出来る⇒・・・・
だからこそ、当たり前のことでも標榜する必要があるのです!!

台所か厨房か…

日本の衛生面が突出して秀でているのかは分かりませんが…。

スロープの傾斜

急な傾斜であるために、滑り止めの段差を設けています。

明るい介護職員さんたち

気さくで明るい方々でした。利用者に対してもフレンドリーな感覚です。

帰りは路線バスで

バスの車窓からコミュニティを発見

道端や公園の一角で、このような地域住民の集う場面を多く見かけました。地縁は強く存在するようです。

今夜は屋台で夕食を

観光客がまず行かない場所での食事です。
現地文化に触れる丁度良い機会です。

羊の子宮を誤って食べました

皆さん召し上がられたことありますか?
串焼きになっていたのですが、注文と異なるものが混在しており誤って食したところ…。流石の私も、飲み込むことが出来ませんでした。
少しトラウマになってしまいました。
文化の違いに触れることはできましたが…。

帰国前夜。

皆さんであるお店に行きました。

そうです。フットマッサージのお店です。

60分25元

当時のレートで、1元13.5円ですから、約337円となります。

コップも漆器も

レストランでは、プレートとシルバーはこの様に出されていました。

公園が活用され

コミュニティの形成がなされているように伺えます。日本の公園は、よく閑古鳥が鳴いていますね。

首都北京市街地の歩道

この様な設えを多く見かけました。

いざ日本へ…

実はこの後、惨劇が…。
危うく飛行機に乗り遅れそうになり、搭乗口まで3人でダッシュをしました。
その時の写真が示せないのが残念です。

初めての訪中��

2011/07/17 12:00:00  社会福祉

中国と日本の社会情勢の近似性

今日は日曜日。骨董市に出かけました。


 同じ東アジア諸国として、中国と日本は似ている側面が多くあるようです。特に、日本が歩んできた道を、中国は数十年遅れて同じ軌跡を辿るのではないかと言われています。

 若輩が知りうる限りでも、次の7つが挙げられるのではないでしょうか。
 �〃从兩�長戦略路線を第一の道としている。
 ��核家族化が進み家族機能が低下の一途を辿る。
 ��在宅サービス・コミュニティサービスの充足が求められている。
 �さ淆�に高齢化が進展する。
 �ゲ雜鄒賁膺Δ粒諒櫃反雄牋蘋�が課題となる。
 �Σ搬臆雜郤圓良蘆瓦�増大している。
 �А嶇畦楙�」(高齢者が子どもを扶養する)問題。

 格差社会を織り成す源泉を辿れば、中国は福祉国家としてではなく、経済至上主義国家を目指していることが理解されます。つまり、大きな政策転換がなされない以上、中国は手厚い社会保障を施す道を取ることは無いでしょう。日本に等しく。それが�,任△襪版Ъ韻靴討い泙后�

 �△砲弔い討蓮△笋呂蟠畭絏修靴深匆颪亙�業制の中から、核家族化が促進される傾向があるように思われます。よって、中国においても核家族化が進んでおり、今まで強固にあった家族機能が低下傾向にあるようです。これは、かてて加えて、公助機能の減退と相まって自助機能が低下傾向にあることから、福祉サービスは施設から在宅へと方針転換を迫られることを示唆しています。つまり、日本の介護保険制度のように在宅サービスを基盤化する実践や、公助と自助を補う機能としての互助・共助を活用したコミュニティサービスの展開が求められる素地があることを強く物語ってもいるわけです��。

 そして人口動態についても注視する必要があるのは、日本と同様に急速な高齢化が進む点にあります。しかも、割合が同様であるのみならず中国の場合はその分母が日本の10倍以上あることにも特筆すべき意味があります。高齢化社会の定義の範疇にある高齢化率7%から14%に到達する所要年数は、日本で24年(1970年-1994年)、中国で27年(2000年-2027年)と大差なく、中国の場合は現在進行形の真っただ中に存在しているようです※1。しかも、分母の数が多いことを鑑みると、現在の中国の高齢者数は日本の全人口よりも多いことが推察されます。日本と同様の要支援・要介護者の発生率を鑑みると、1億3千万人の(まだ高齢化が進行して間もないことを加味して)約10%と捉えたとしても、1,300万人の要支援・要介護高齢者が存在することになります�ぁ�

 �イ任△譴弌∈8紊脇�本以上に福祉専門職の確保と育成が不可欠となるのは自明の断りです。来たるべき時に備え、今から十分な準備を施す必要があるのではないでしょうか。そして、その専門職には、日本と同様、家族支援の機能が期待されることでしょう。一人っ子政策を長年推し進めてきた中国では、高齢化も相まって、「4:2:1構成の家庭が激増して」※2いると言われています。これは「中国の家族構成の典型的な3世代世帯」※2を指し、「真ん中の2は夫婦2人を指し、4は夫婦双方の親」※2を指します。「1は一人っ子」※2を指すのは言うまでもないでしょう。文献では更に、「35%の家庭は4人の高齢者を扶養しなければなりません。都市部では49%の家庭が2〜3人の高齢者を扶養しなければなりません。もし3代目も一人っ子の場合、3代目夫婦はもっとも多く12名の高齢者を扶養することになる可能性すらあります。一人っ子政策では将来的に労働人口の減少を意味するので、世代間扶養で成り立つ年金財源の提供者(現役労働者)が減り、家庭における老親扶養危機の到来が現実味を帯びてきます」※2と記されています。であればこそ、今後中国においても、クライエントに焦点化した活動ではなく、家族関係や地域関係を視野に入れたソーシャルワークの展開が求められるやもしれません�Α�

 一人っ子政策の影響下、大事に育てられた子どもたちが、親への依存心を払拭することができないまま大人になって、一種の社会現象を起こしていると同著書には書かれていました。「北京にある老齢科学研究センターと中国老齢科学研究センターの調査によると、65%以上の家庭で養老小の現象が存在します。約3割の人は生活費の一部または全部はその両親が負担しています。(中略)計画出産政策が実施されて以来、一人っ子グループの周辺には、おおよそ6人の大人、つまり、母と父、父方と母方の祖父母がいます。彼らは幼少の時から至れり尽くせりの保護を受けてきました。ある意味では溺愛されたと言っても過言ではない世代です。欲しい物はいつでも与えられますし、小遣いなどに困ったことがありません。親などから受けた過保護・甘えが度を過ぎて、いわゆる『小皇帝』的な存在になりました。
 専門家は中国版パラサイトの発生原因を次のように指摘しました。
 �,海譴泙芭梢討僕蠅蠕擇辰討�た若者は厳しい現実に直面することができず、結局、親のパラサイトになります。
 ��一人っ子のため、小さい時から親などの溺愛を受けて、他人に対する依存意識が強く、自立精神が欠けています」※2。

 中国の失業率は、日本よりも若干良い程度だと伺いました。しかしながら、特に都市部の大学新卒者の就職先の確保が出来ていない状況があるようです。低賃金労働や不安定就労を余儀なくされている新卒者も多く、中には、日本における「引きこもり」の現地呼称として「蟻族」と呼ばれる過ごし方をしている方が急増しているとお聞きしました。つまり、単純なる一人っ子政策の影響のみならず、社会構造全体の問題として、「老養小」の問題があるのではないかと認識した次第です。

 家族システムや、社会システム全般を捉えながらの個別援助実践が、中国でも強く求められる日がいつかはやってきそうです。やがて、日本の社会福祉の専門性を中国に“輸出”する時が来るやもしれません。その時に、何らかの支援を我々が行うために重要なことは、自国でその手本となる実践を、まずはしっかりと積み上げて行くことではないでしょうか。自身の実践に一定の確信と確証が持てない専門性であれば、それは到底“輸出”するに値しません。なぜなら、“輸出”するに当たっては、相当量の現地状況の事前分析を行った上で、現地の利用者に最も利益ある方法論に再構成して行う必要があるからです。その際に重要なのは、“輸出”者が、自らの実践と理論について深々と理解していることが求められます。自身の“製品”を熟知していない者に、その“加工”はできないからです。


※1 包 敏氏『現代中国の社会と福祉』ミネルヴァ書房P.84 2008年3月
※2 包 敏氏『現代中国の社会と福祉』ミネルヴァ書房P.93・98 2008年3月



私たちのみが外国人

 これだけ大勢の方が集まっているのに、日本人は私たちのみの様でした。

石の小物が沢山あり…

 言葉も通じないまま、ついつい値段交渉を始めてしまいました。7つ買って500元。当時1元=約13.5円。
 結構高く買ってしまったと後に後悔しました。

毛沢東は大人気

 毛沢東のバッジが彼方此方で売られていましたが、どれも高額でした。根強い人気があるそうです。

所場代は5元

 各露店の隅には「5元」の所場代を収めた証が…。
 高いのやら安いのやら…。

日本勢が値段交渉を開始

 お二人で、長時間に渡っての交渉を始めました。どうやら、半額近くまで値切れたそうです。
 そう考えると、私はやっぱり騙されたのかも。

お巡りさんも試使用

 日本では考えられない光景に思わずシャッターを押しました。が、あまり興味本位で何でも撮らぬよう、後程ご指摘を頂戴しました。
 物事の捉え方がことなりますから、気を付けて対応しなければと肝に銘じた次第です。

初めての訪中��

2011/07/16 12:00:00  社会福祉

中国の社会保障と社会構造に対する“0.1”考察

関西国際空港から北京へ飛び立ちました。

 広島の恩人の計らいで、中国のこれまた恩人をご紹介いただき、中国へ生まれて初めて伺うことが出来ました。北京から新幹線で約2時間の所にある石家荘市に4日滞在させて頂きました。最終日は北京市内にて観光をさせて頂きましたので総計4泊5日の旅です。以下私の個人的なメモ書きとしても、現地で感じたこと、学んだことを叙述させて頂きます。

 世界第二位の経済大国となった中国。そのイメージと、マスメディアを通して知り得た情報とは少し異なる印象を受けました。一般的国民の生活水準がそれほど高くないことに驚きました。原因はどうやら大きな格差にあるようです。「1978年、所得分配の不平等度を表すジニ係数は、都市住民で0.16、農村住民で0.21しかなく、異常とも言えるほど小さいものでした。しかしその後、国の所得分配政策などの変化によって都市と農村における所得格差が急速に拡大しました。2001年の時点で、中国のジニ係数はすでに0.45に達し、国際社会で言っている警戒ラインの0.40をすでに突き破り、かなり危険なレベルに達しました。また総人口の20%を占める最貧困層が所得・消費額に占める割合はわすか4.7%にすぎない一方で、総人口の20%にあたる最富裕層はなんと所得・消費額の50%を占めました。(中略)中国はわずか20数年で、平等主義を標榜する国からこれだけ不平等な国に豹変し、貧富格差の拡大速度は世界的に見ても極めて稀です」※1。一部の富裕層による経済活動が大きくGDPを生み出しているようです。なので、一般の市民の生活水準は日本に比べて然程高くないどころか、随分低い心象を持ちました。

 今回の旅では、現地の介護施設との情報交換を行うことが目的でした。ですので、この国の社会保障や社会福祉の考え方についても鑑みる必要があるでしょう。格差が進捗している現状を見れば、社会保障や社会福祉は機能していないことは安易に察しがつく話です。日本の現状を見てもよく理解ができるでしょう。

 それでも、「例えば、日本の厚生労働省『所得再分配調査(2002)』では、全世帯の当所得(市場経済メカニズムを通じて確定した所得)のジニ係数が0.4983であるのに対して、再分配所得(当所得から税・社会保険料を控除し、年金・医療費などの給付を加えたもの)のそれは0.3812となり、再分配によって所得格差が改善されてい」※2るのだそうです。であったとしても、例えば子どもの貧困率では、「阿部さん(国立社会保障・人口問題研究所 国際関係部第2室長 阿部 彩氏)が着目するのは、政府が所得を再分配する税負担と社会保障の給付のバランスだ。低所得者の税負担を軽くし、社会保障を手厚くするほど、貧困の削減は期待できる。ところが、日本は、収入自体で計算した子どもの貧困率は12.8%なのに、収入から直接税と社会保険料を引き、児童手当など社会保障の給付を加えた再分配後だと、13.7%に悪化する。OECD加盟国は軒並み再分配後に貧困率が下がり、悪化するのは日本だけ」※3だと言われており、決して社会保障の手厚い国であるとは言い難いのが現状です。

 それと比べても中国の場合は、「中国においてこのような調査はまだ行われていませんが、都市と農村の二重構造をはじめ、社会保障制度の設計は所得格差の是正に寄与するどころか、むしろ所得格差を一層拡大させるような機能を持っています。(中略)結果として、中国では社会保障給付はむしろ都市住民と農村住民の間の所得格差を一層拡大させています。つまり、この両者間の格差は当初所得の3.47倍から再分配所得の5〜6倍まで拡大しているということです」※4。と言うことは、中国も日本と同様、経済による成長戦略路線を最優先し、社会保障は経済成長の従属的な存在として認識していることが大よそ理解されます。

 であるので、世界第二位の経済大国であるにも拘らず、多くの一般市民の生活水準は然程高くはない現状があるのでしょう。訪中しての第一印象はまさにこのことにありました。経済大国と呼ばれても、一般市民の、社会的弱者の生活水準が劣悪であればそれは成熟した国家とは言えません。そのことを垣間見たことが今でも私に大きな心象を与えています。

 これより数回に渡って、初めての訪中の中で触れたこと、学んだことについて記載させてもらいます。人口約13億人を擁する巨大国家です。僅か数日間の断片的な情報で、全てを語ることは非常に危険であると認識しておりますので、そのような大それた意見ではありませんことをここで強く付言しておきます。数年中国に在住されている方ですら、中国のことが良く分からないとおっしゃられます。37年在住している日本の国家でさえ、的確に物事を捉えられているのかも分からぬ若輩です。これは飽く迄も若輩による断片的な一見解であることをご理解いただき御読み頂ければ幸甚に存じます。表題の「“0.1”考察」は、まさにそのことを表したものです。


※1 王 文亮氏『現代中国の社会と福祉』ミネルヴァ書房P.1 2008年3月
※2 王 文亮氏『現代中国の社会と福祉』ミネルヴァ書房P.7 2008年3月
※3 『中国新聞』2009年11月6日
※4 王 文亮氏『現代中国の社会と福祉』ミネルヴァ書房P.8 2008年3月



北京国際空港 華やかで綺麗な空港

高速バスで北京西駅まで移動

高速バスの車内は埃っぽく、くしゃみが止まりませんでした。

前後のシート幅が非常に狭く、足が収まりません。


バスが到着すると…

駅の入り口まで、バイクで乗せていくと売り込まれて、不安を抱えながら乗りました。

普段は超明るいファシリテーターの小田氏も若干不安げな表情ですね。


広島県介護福祉士会の廣山会長は余裕の表情

先頭を走りだした我が車輛は…

逆走!逆走!

危ない!危ない!

叫んでも日本語など通用しません。第一、こちらの国では珍しくない習慣のようです。


北京西駅の入り口に到着

これから新幹線で2時間要して石家荘市に向かいます

沢山の人が縦横無尽に歩いています

例えば、日本では右側通行等の暗黙のルールが多数存在します。ここにはそのようなものは存在しないようで、みなさん我が道を行かれているように見受けられました。

衝突等を避けるためには、自己主張を積極的にする必要があります。なんか、大阪みたいやな。


今噂の新幹線に乗って石家荘市へ

在来線と同じ線路とホームを共有

この点について、日本と異なるので、日々のメンテナンス等は十分なされているのか?安全性は担保されているのか?いみじくも、車中で話をしていたところです。

石家荘駅に到着

到着したのは日没前。移動だけで少し疲れた感覚です。

石家荘市の街並み

人口は約924万人。それでも中国においては、中堅及び地方都市に該当します。

多様な「タクシー」

三輪のタクシーや、自家用車にしか見えないものまで、多様なものがありました。現地生活の長い方のお話では、大きな企業の、しかも身分証明書を車中に掲示しているタクシーに乗るよう勧められました。

ホテルに到着後の夕食

今思い起こせば、これが、一番贅沢な食事だったのかも知れません。

中国でお世話になった恩人たち

感謝の気持ちを込めて。有難うございました。

絆の力が生きるとき

2011/07/15 12:00:00  社会全般
宇品港から切串港への道程。意外と多くの船舶が往来しています。であるにも拘らず、海の事故は少ないように見受けられます。
 法人に「地域の絆」を名づけて早5年が経っている昨今です。絆を大切に、人と人との恕リがりを大切に、ネットワークを大切に、日々実践をしてきたつもりです。「つもり」と書いたのは、それが真になされていなかった猛省から来ています。過日お世話になった恩人より、大変貴重なご助言を頂きその「猛省」が生まれたのです。

 問題は、その絆の在り方にありました。地域の絆は、開設から現在に至るまで多くの理解・協力者があってここまでやって来ることが出来ました。振り返ると、実に多くの理解者のご支援を賜り、苦難を乗り越えても来れたものです。その時々にお世話になった方々には、心より深く感謝し、その思いをぶつけても参りました。しかし、平素になるとどうでしょうか?お中元やお歳暮等のやり取り等に終始し、足を運ぶことが少なくなっているのが事実です。

 困った時だけ協力を要請し、平素になれば疎遠になる関係性に一体何の価値があるのでしょうか。自身の目先の利益のためだけに繋がる関係性に、その力が発揮される日が来るのでしょうか。そうではないと、恩人は示唆して下さったのです。

 公益と私益は繋がっている。これは自身の座右の銘にも成りつつある言葉ですが、そのことの意味を私は真に理解できていなかったようです。目先の利益が必要な際に、窮した際に、繋がり、それ以外は疎遠になるネットワークや絆に何の価値を見出すことができるのでしょうか。また、そのような相手に対して、連携先は協力的になれるのでしょうか。考えれば、当然のことなのですが、その当然の事すら若輩は理解していなかったようです。

 困った時や、目先の利益を追求する際にのみ繋がるネットワークや絆は、何ら力を擁していないと見るべきです。自身が窮した時だけ、利益を求める時にだけ、連携を求めてくる相手を信用することが出来ますか。そうではなく、平素より、日常的な繋がりや絆こそが大切なのではないでしょうか。そこで培われた信頼関係こそが財産や資源となるのでしょう。公益と私益は繋がっているのですから、性急に見返りとしての私益を求めるのではなく、公益のために黙々と行動を取れば良いのでしょう。そして、それが私益に繋がるのはずっとずっと後のことなのです。

 今自身にそのように語りかけている最中です。


世界に向けた情報発信

2011/07/09 12:00:00  社会福祉
江田島市能美町「能美海上ロッジ」。地域福祉センター鹿川に出勤の際はよく泊めていただく宿舎です。本当に海の上にあるのでビックリです。
 地域の絆は今年度より、国外へ目を向け情報の発信および収集に努めることと事業計画に定めています。

 代表者である私は37歳です。この先まだまだ社会性の高い実践をやり遂げる責務を感じております。自身の地域さえ良ければ、自身の国さえ良ければ、そう思って実践すればするほど優れた実践からは遠ざかっていくのではないかと考えております。

 私はお金儲けや、会社を大きくすること、そして現在の名声には興味がありません。100年先の人類に評価を受ける実践をしたいと思っているだけです。それこそが、お金儲けや会社を大きくすること以上に貪欲なことであると認識してもおります。

 飽く迄、長期ビジョンではありますが、未来に向けて情報発信をするためのツールも作成中です。法人のパンフレットとして中国語版・韓国語版・イギリス語版を現在作成中です。中国語版は、本日完成しましたので、近々当ホームページにもアップされる予定です。法人本部の有能なニューフェイスが現在準備をしてくださっています。

 所詮人間はいつかは死にます。限られた人生の中で、福祉専門職として世の中のためにでき得ることを後悔することなく実践していきたいと思う昨今です。


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中島康晴 特定非営利活動法人 地域の絆 代表理事
1973年10月6日生まれ。大学では、八木晃介先生(花園大学教授・元毎日新聞記者)の下、社会学を中心に社会福祉学を学ぶ。巷で言われる「常識」「普通」に対しては、いつも猜疑心を持っている。1億2千万人の客観性などあり得ない事実を鑑みると、「普通」や「常識」は誰にとってのそれであるのか、常に思いを巡らせておく必要性を感じる。いわゆる少数派の側から常に社会を捉え、社会の変化を促すことが、実は誰もが自分らしく安心して暮らせる社会の構築に繋がると信じている。
主な職歴は、デイサービスセンター生活相談員、老人保健施設介護職リーダー、デイサービス・グループホーム管理者。福祉専門職がまちづくりに関与していく実践の必要性を感じ、2006年2月20日特定非営利活動法人地域の絆を設立。学生時代に参加した市民運動「市民の絆」の名前をヒントに命名。
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